トロンボーンとホルン経験者がホルンの難しさを語ります!その⑤

みなさんこんにちは!今回はホルンの難しさを楽譜を用いて書いていこうと思います。

まずはこちらの楽譜をご覧ください

この楽譜は「ようこそジャパリパーク」の冒頭のホルンソリです。
(楽譜はin Fで音は左から A F C C A)

この1小節にホルンの難しくてミスが発生しやす要素がギッシリ詰まっています。

①頭のAがいきなりの難所です。このAの音をだすのが難しい理由は

倍音列の関係で少しの息づかいのミスで一音違いの「G」や「H」の音が鳴ってしまうこの高音を、曲の冒頭の口がニュートラルな状態で出す事です。
金管奏者にとって曲の最初に出す音は口の状態が定まっておらずミスしやすいです。他の楽器の方には伝わりにくですが、本当に少しの息づかいの違いで簡単「G」や「H」の音が鳴ってしまいます。この曲を経験されたホルン奏者はまずこのAの音に泣かされてきたことでしょう。私もそのうちの一人です・・・

②C→Cの跳躍

オクターブの跳躍でホルンではよくあるフレーズです。上のCの音が非常に厄介で、先程のAの音同様少しのミスで一音違いのBやDが鳴ってしまいます。①のAの音よりもさらに難易度は高いです。

当てたとしても今度は音程の問題がでてきます。B管の1番ロータリーの指だと音程が低くなりやすいため開放でいくかF管に切り替えるかと試行錯誤が必要です。下のCの音をB管の1番ロータリーで吹く場合は運指も変わってくるため単なる跳躍という訳にはいきません。

③最後のAののばし

最後の砦です

上のCの音を当てた後なので比較的楽に感じますがそうはいきません。口が高音の音で出来上がっているため今度は逆にAよりも高い音がでてしまったり音程が定まらなかったりと最後まで気を抜けないようになっています。
口がばてた状態になっているため伸ばし中に音が下がってしまったりと意外と強敵です。

たとえ成功したとしてもソリのためこの壁を複数人で乗り越えなければなりません。人数が増えれば増えるほどノーミスで乗り越えられる確率が減りますし、人数を減らせば響きが減り一人ひとりの負担が大きくなります。

この曲だけに限らずホルンはこのような一見簡単にみえて難しいフレーズが多々でてきます。ホルン奏者はコントロールが難しいこの楽器と日々闘っています。どうかプレッシャーをかけずにミスったとしても温かい目で見守っていただけばと思います!

次の記事ではホルンの難しさについてのまとめを書いていこうと思います。
それでは!

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