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Kの向くままにおススメ映画『切腹』ネタバレあらすじ感想日記

おはようございます。竹光侍のKです。今回は『切腹』。一言で表すと「武士の復讐映画」または「竹光と武満の映画」です。



こんな映画です  

譜代大名 井伊家の江戸屋敷を元 芸州広島福島家家臣、千々岩求女(もとめ)と名乗る若い浪人が「切腹のために、玄関先を借りたい」と訪ねて来た。これは当時、江戸中に溢れた食い詰め浪人によって横行していたゆすりの手法であり、玄関先を汚されたくない庶家は某の金品を与えて帰していたのだが…。


もう少し詳しく  

しかし、井伊家は違った。
「他家とは違い、井伊家は骨があると思えばこそ、昨日までは浪人どももその門を避けていた。もし、当家も金品を与えて帰せば、入れ代わり立ち代わり食い詰め浪人が現れるだろう。」
との見解で、求女に本当に切腹させる事にした!困窮に喘ぎ武士の魂・刀をも質入れし、竹光を携えていた求女はその竹光で切腹をする事になるのだが…これが非常に痛々しい……。。

数ヶ月後、またも元 芸州広島福島家家臣、津雲半四郎(はんしろう)と名乗る老浪人が井伊家の屋敷を訪ねて来た。用件は先の求女と同じであり、井伊家家老 斎藤勘解由(かげゆ)はこの半四郎も切腹が目的ではないと見抜き、見逃して帰そうとするが彼はこれに応じない。

実は切腹した求女は半四郎の娘婿であり、半四郎は井伊家への復讐の為に屋敷に現れたのだった!

この映画は世界に侍のけじめである《切腹》を《HARAKIRI》という美的精神として知らしめる先駆けとなったのだとか。しかし、監督の意図は違いました。
侍魂などと言っても所詮、組織(藩・家)や保身が大事なのであって個を重んじない」 そういった黒歴史を言いたいのです。《藩》を《会社組織》に置き換えれば現代でも同じかも。


観た後はこんな気分になりました  

これはどちらが善か悪かチョット難しい。善悪ではないんでしょうけどね。逆に言えば、どちらの視点で観てもある程度納得のいく巧妙な作りになっています。

完全におかしい人物が出てこないので感情の置き場に迷いましたが、敢えて選ぶとしたら井伊家家老 斎藤勘解由ですね。求女の時の罪悪感からか半四郎を独断で見逃そうとしましたし。でも勘解由は管理職ですから家の存続が何より大事。こんなハプニングでもなければ穏やかで良い家老なんだと思います。

また、この勘解由の上役への報告書同様、歴史上残ってる記録や書物なんかは改竄や偽造などが多分にあるのでしょうし、あっても現代では判らないはず。そう考えると、歴史というのは誰かが作った物語。歴史の勉強がチョット楽しくなりますよね!


おススメのポイントまとめ  

◎とりあえず日本人にはおススメです。特に現代の映画を観慣れている人にはセリフや間、カメラワークなどが非常に独特でセンセーショナルに映るはずです!
◎外国の人にもおススメ。でも今では「HARAKIRI」はないんですよ!
残念!!!


要注意点まとめ  

▲切腹シーンが痛々しい。血が出る映画に慣れてる人はいいけれど。
▲主人公は目的を果たしたのだが…まあ、バッドエンドですね。
▲白黒映画です。でもコレ、カラーより白黒が合うと思う。
▲日本語字幕あり を推奨


心に残ったセリフ  

津雲半四郎 :「所詮、武士の面目などと申すものは、単にその表面(うわべ)だけを飾るもの。」

武士道とは何か。
武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という有名な一節がありますが、これは武士に死の覚悟を要求している訳ではありません。
「いつも死身になっていれば(生死に拘らなければ)行動に自由が生まれる」
という事です。生に執着している武士より死身の武士の方が当然強いと。
そういう意味では本作中でベストオブ武士道は半四郎でしょうか?
……しかしKは勘解由推しですね。まぁ賢しいヤツだけど人間的なところもあるので…


この雰囲気は洋画では出せないでしょう。切腹とか武士道とか侍魂とか、武満の音楽も重要、本当に純邦画です。日本人なら観といた方が良いかも。
勿論、日本人でなくてもおススメです!


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