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『 リアルな炎 』 AfterEffects (NoPlugin) で作成します

こんにちは、リースケと申します。
今回はAfterEffectsで『リアルな炎』を作ってみます。

今まで色々な火や炎をAfterEffectsを使い作ってみたのですが、そのなかでも特に気に入っているリアルな炎です。一度作成するとテキスト、ロゴなど様々な素材に対し炎をまとわせることができます。
ぜひお試しください。


素材用のコンポジションの作成

まずは新規コンポジションを作成します。
-新規コンポジション-
サイズ:1920×1080
フレームレート:29.97fps
デュレーション:10秒

名前は分かりやすい名前を付けてください。
ボクは名前を『real_fire』としました。

そのコンポジションの中にテキストレイヤーなどを作成してください。
ボクは『炎』という漢字にしました。
このテキストレイヤーをプリコンポーズします。
名前は『text_edit』とし、設定は”すべての属性を新規コンポジションに移動”とします。

炎の形状を作成

メインコンポジションに対し新規平面(黒)を作ってください。(⌘+Y)
このレイヤーの名前を『bg』(バックグラウンド/背面という意味です)とし、最背面へ配置します。

もうひとつ新規平面を作り名前を『heat_haze』(陽炎)とします。
そして『heat_haze』に対しエフェクト→ノイズ &グレイン→フラクタルノイズ を適用します。
-フラクタルノイズ-
フラクタルの種類:ダイナミック
反転:オン
サブ設定のサブスケール:60.0くらい
サブ設定のサブのオフセット:OPTを押しながらクリックしエクスプレッションを入力します
式:[0,0+time*-100];
展開:こちらもエクスプレッションを入力します
式:time*180;

今設定した『heat_haze』をプリコンポーズします。
名前は『heat_haze_comp』とし、設定を"すべての属性を新規コンポジションに移動"とします。

一度『heat_haze_comp』を非表示とし、『text_edit』に対しいくつか変更を加えます。
この素材のエッジに対し、少し歪みとボケ感を追加します。

まずエフェクト→ディストーション→ディスプレイスメントマップ を適用します。
-ディスプレイスメントマップ-
マップレイヤー:heat_haze_comp
最大水平置き換え:3
最大垂直置き換え:6
これにより、フラクタルノイズの動きに合わせテキストが歪んで見えると思います。

さらにエフェクト→ブラー &シャープ→ブラー(合成) を適用します。
-ブラー(合成)-
ブラーレイヤー:heat_haze_comp
最大ブラー:4〜5くらい
ブラーを加えることでぼやけた陽炎のような効果が得られました。

反転レイヤーの作成

次は調整レイヤーを作成し(OPT+⌘+Y)、あとで分かりやすいように名前を変えておきます。
ボクは名前を『inversion』(反転)としました。
そしてこの調整レイヤーを『heat_haze_comp』の下に配置します。
『inversion』に対しエフェクト→ブラー &シャープ→ブラー(ガウス) を適用します。
-ブラー(ガウス)-
ブラー:50
『inversion』のモードを除外へ変更します。

さらにエフェクト→ブラー &シャープ→CC Vector Blur を適用します。
-CC Vector Blur-
Type:Direction Fading
Amount:140くらい
Angle Offset:0× +180.0°
Vector Map:bg(再背面にある背景レイヤーです)

次に『text_edit』に適用したディスプレイスメントマップをコピーし、『inversion』に貼り付けます。
-ディスプレイスメントマップ-
最大水平置き換え:15〜20
最大垂直置き換え:75〜80
すると見た目がかなり炎っぽくなってきたと思います。

そしてエフェクト→チャンネル→単色合成 を適用し、歪んだコンポジションのエッジを埋めます。(背景を透明にすると歪みが分かると思います)
-単色合成-
カラー:黒

エフェクト→ノイズ &グレイン→フラクタルノイズ を適用します。
-フラクタルノイズ-
コントラスト:75
明るさ:40
トランスフォームを開き乱気流のオフセット:OPTを押しながらクリックしエクスプレッションを入力します
式:[960,540+time*-80];
描画モード:焼き込みカラー

エフェクト→ディストーション→タービュレントディスプレイス を適用します。
-タービュレントディスプレイス-
変形:ツイストスムーザー
量:20.0
オフセット:OPTを押しながらクリックしエクスプレッションを入力します
式:[960,540+time*-150];
複雑度:5〜7

もうひとつタービュレントディスプレイスを追加します。
-タービュレントディスプレイス-
量:20.0
展開:OPTを押しながらクリックしエクスプレッションを入力します
式:time*120;

さらにエフェクト→ディストーション→オフセット を適用します。
-オフセット-
このエフェクトを利用し、上にずれて見える炎を素材にアジャストしてください。
素材によりますがY軸の値を+20くらいずらせば概ね良いと思います。

先ほど非表示にした『heat_haze_comp』を表示させ、少し手を加えます。
エフェクト→ディストーション→ディスプレイスメントマップ を適用します。
-ディスプレイスメントマップ-
マップレイヤー:text_edit
最大水平置き換え:100
最大垂直置き換え:100

炎の形状を整える

このメインコンポジションに対し、新規平面を作成します。
このレイヤーを一番上へ配置し、あとから分かりやすいように名前を変更します。
ボクは『text_displace』(テキストを置き換える)としました。

この『text_displace』に対しエフェクト→チャンネル→計算 を適用します。
-計算-
2つめのレイヤー:text_edit / エフェクトとマスク
2つめのレイヤーの不透明度:100%
描画モード:コピー

エフェクト→ブラー &シャープ→ブラー(ガウス) を適用します。
-ブラー(ガウス)-
ブラー:20

エフェクト→ノイズ &グレイン→フラクタルノイズ を適用します。
-フラクタルノイズ-
トランスフォームを開き乱気流のオフセット:OPTを押しながらクリックしエクスプレッションを入力します
式:[960,540+time*-90];

エフェクト→カラー補正→レベル補正 を適用します。
このエフェクトにより、白の値を制限し黒とグレーの見た目とします。
-レベル補正-
グラフの白の値を大体真ん中くらいにするか、白出力レベルを255の半分の127.5にし、色の出力を0〜127.5にします。

『text_displace』は一旦非表示とします。

『heat_haze_comp』を選択し、適用しているディスプレイスメントマップのマップレイヤーを先ほど調整した『text_displace』に指定します。
同時に右隣の項目もエフェクトとマスクとします。
そしてこの『heat_haze_comp』の描画モードをオーバーレイとします。

炎の形状の最終調整

もう少しだけ動きを複雑に見せるため、テクスチャのような働きをするレイヤーを追加します。
新規平面を追加し、名前を『texture』としました。
これを『text_displace』の下へ配置します。

まずはエフェクト→描画→グラデーション を適用します。
-グラデーション-
一番下の項目の色の交換をクリックし、白と黒を入れ替え、モードをオーバーレイに切り替え見た目を確認してみます。
そうしますと、炎が上に行くほど明るくなる表現を作ることができます。
そのままでも構いませんが、グラデーションの開始点や終了点を調整することで炎の見た目を若干変えることもできます。
(開始点を下げ、終了点を上げるなど調整できます)

『texture』のモードを通常に戻しエフェクトを加えます。
エフェクト→ノイズ &グレイン→フラクタルノイズ を適用します。
-フラクタルノイズ-
フラクタルの種類:ダイナミック
反転:チェックを入れます
コントラスト:150
トランスフォームのスケール:200
乱気流のオフセット:OPTを押しながらクリックしエクスプレッションを入力します
式:[960,540+time*-300];
描画モード:乗算

もうひとつフラクタルノイズを適用します。
-フラクタルノイズ-
コントラスト:50
明るさ:-50
トランスフォーム:5〜10くらい
乱気流のオフセット:OPTを押しながらクリックしエクスプレッションを入力します
式:[960,540+time*-180];
展開:OPTを押しながらクリックしエクスプレッションを入力します
式:time*360;
描画モード:加算

さらにエフェクト→ディストーション→タービュレントディスプレイス を適用します。
-タービュレントディスプレイス-
サイズ:30
オフセット:OPTを押しながらクリックしエクスプレッションを入力します
式:[960,540+time*-100];  

『texture』のモードをオーバーレイにします。

カラーの調整

続いてカラーの調整をします。

調整レイヤーをひとつ追加し、名前を『color & glow』とします。
位置は『text_displace』の下へ配置してください。

まずコントラストを上げるため、エフェクト→カラー補正→レベル補正 を適用します。
-レベル補正-
ガンマ:0.8

次にエフェクト→カラー補正→コロラマ を適用します。
-コロラマ-
カラーパレットで調整しても良いのですが、今回はプリセットの『火』を使ってみます。
色が少し濃いと感じる場合は、元の画像とブレンドのパーセンテージを30〜50%くらいにします。

光(グロー)を追加したい場合はエフェクト→スタイライズ→グロー を適用します。
-グロー-
半径:200〜300
強度:1〜2
グローカラー:A&Bカラー( A:オレンジ , B:くすんだ赤 )などにするとリアルに光ります
※有料ですがプラグイン『Deep Glow』もオススメです

さらに、素材と炎をパキッとシャープに見せるためエフェクト→ブラー &シャープ→アンシャープマスク を適用します。
-アンシャープマスク-
量:100〜150

これで炎は完成です。

まとめ

適用したエフェクトを少しずつ調整することで、色や形など色々と楽しめると思います。

『text_edit』に入れる素材を切り替えることで色々な炎の表現を簡単に再現可能です。
『color&glow』ではおもに色の調整ができますし、『inversion』のCC Vector BlurのAmountやAngle Offsetを変えることで炎の見た目を大幅に変えることもできます。
各レイヤーへ適用したフラクタルノイズやタービュレントディスプレイスにより炎の細かな調整も可能です。

今回は汎用性の高そうな炎をご紹介しました。
またボクが気に入っている演出をご紹介させてください。
お付き合いいただきありがとうございました。

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