見出し画像

2段階の驚きとご飯茶碗について

先日、夫の健一郎は日本語を学ぶ外国人が出ている番組を見たらしく皆んな上手に日本語を話していることに驚いたそうだ。
そしてすぐにもう一度驚いた。すぐ隣に上手に日本語を話す外国人がいることに驚いたと。

ドイツ人の妻(私)とずっと日本語で会話しているのに、日本語が上手な外国人に驚いている夫はどうかしているんじゃないかと思ってしまった。

けれど、実は私にも同じような2段階の驚きがよくある。

両親がドイツから手伝いに来ていた時、
ご飯を食べる前にいつものように父が器を持って「これはご飯に使っていい?」と言って…でっかいボウルや小さな小鉢を出してくる。

それに「いや違うよ。それはご飯茶碗じゃないでしょ!」とびっくりして本気で怒る私。

でもちょっと待て…ドイツ人の父はご飯茶碗の形がわかるはずがない。
何で私は毎回驚く?

この2段階の驚きは自分が何かに慣れてしまったことに気付くこと。(夫はドイツの妻に慣れてきて、私が外国人だと思わなくなってきた、私は日本の食生活に慣れてきてご飯茶碗が知らないことが想像つかなくなってきた。)

どれだけ慣れてしまったかというとドイツに帰ってパンを毎日食べるようになるとお腹が痛くなるぐらい。
「日本の食べ物は大丈夫ですか?」と今でも初対面の人に聞かれたりするけど「はい、何でも普通に食べています」という期待外れのつまらない答えしか出なくなってしまいました。

でもドイツ人の目線から見たご飯茶碗は興味深い

ご飯だけの器。
ドイツの食事は、白くて丸いお皿が2,3種類あればいろんな料理に使える。主食になるジャガイモやパスタはご飯茶碗みたいな専用のお皿に盛り付けることはなく、おかずと同じお皿をシェアする。
ライスも一緒。おしゃれな言い方をすると「ワンプレート」だけど、おしゃれではない。
こどもがすぐにジャガイモとソースとおかずをフォークでぐちゃぐちゃにまぜまぜしたくなる食べ方。

日本はご飯茶碗に注いだご飯はまぜまぜしない。
お米洗う時も一粒もこぼさないように。
デートの時に相手がご飯を残すかどうかを重要視する人も多い。日本人は本当にご飯のことが大好きだと思う。

ご飯茶碗みたいな高台がある専用の器はドイツだとエッグスタンドしか思い浮かばない
けれどドイツ人の皆が卵を大好きかというとそうでもない

夫がフォローしているドイツ在中の日本人のツイートに「エッグスタンドは世界で一番要らない器」とあったけどそれは失礼。
そうゆうことを言い始めたら飯碗も要る?
でもエッグスタンドのお話はまた今度にしよう。

今日はご飯の話だ。日本人がご飯に特別の思い入れを持っていることには普段は気づかないかもしれないけど、「ご飯」と「Reis」(ドイツ語)は違うものだ。
食材だけではなく食文化も関わってくる。

次のエピソードで意味がわかると思う
私たちが仕事に行っている間に家で子守をしてくれた両親に「今日のお昼は何を食べた?」と聞いたらほとんど毎回「ご飯」と答えた。
「おかずは?」と聞くと「梅干し」とか「夏みかんジュースをかけて、おいしかった」とか答えたりする。

みかんジュース?ご飯に?
ご飯がかわいそう!神様が怒る!

びっくりした。今回は自分が驚いたことにも驚かず。

*Mirjam Watajima


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?