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STUDIO ZOONに集結するプロフェッショナルたち!グローバルヒットを目指す、総合プロデューサーが描くビジョン

こんにちは!
株式会社CyberZのコンテンツスタジオ「STUDIO ZOON」担当広報の城戸(きど)です!
マンガ編集者、アートディレクターを募集すべく始めた編集長のインタビュー連載。お次は事業責任者の方にインタビューをしてみたいと思います!

今回は、編集長のインタビューでもたびたび名前が上がっていた総合プロデューサーの冨塚をご紹介します。なぜ今になってウェブトゥーン事業をはじめたのか。編集やアートディレクター採用を進めるにあたって大事にしていることやより客観的な視点でのメンバーのお話しなどを聞いてきました!
それではどうぞ!

ーはじめに、冨塚さんのこれまでの経歴について教えてください。

2011年3月にサイバーエージェントに中途入社する前は制作スタジオで
デザイナー・クリエイティブディレクターとして広告のクリエイティブをつくっていました。当時はAdobe flashを用いたインタラクティブな表現が隆盛を迎えた時期で、自身もその魅力に引き寄せられ、独学でActionScript(Adobe flashに使用されるプログラミング言語)を学びました。とにかくたくさん広告のサイトを制作したのを覚えています。その後「事業側に行きたい」と思い、当時flashを使っていたサービスの中でおそらく世界最大級だった「アメーバピグ」に惹かれ、サイバーエージェントにエンジニアとして入社しました。

入社して2年ほどはエンジニアとしてやってましたが、その後プロダクトマネージャー、プロデューサーなど、ビジネス領域の役割が増えていきました。担当した事業は、「アメーバピグ」をはじめ、動画配信事業「ピグチャンネル」、MMOゲーム「ピグブレイブ」、新規事業準備室など、今思えば新規事業が多かったと思います。2018年から電子書籍サービス「Amebaマンガ」(旧:読書のお時間です)などを経て、昨年にコンテンツスタジオ「STUDIO ZOON」を立ち上げ、そこでは総合プロデューサーをしております。

ーSTUDIO ZOONをはじめたきっかけはなんですか?

STUDIO ZOON設立の決断に至った理由には3つのポイントがあります。
第一に、世界中の漫画が読めない、また紙の漫画を手に取れない方でも、縦スクロールフルカラーのウェブトゥーンならスマホさえあれば、ストレスなく読めて楽しめる、そのポテンシャルの大きさ。第二にウェブトゥーンは版面漫画と共に成長していくと思えたから。どちらも需要はさらに大きくなりTikTokとYouTubeのように動画だけど楽しみ方が違うだけで、共に成長していくだろうと予測した。つまり一過性の盛り上がりではないと捉えました。最後に、これが一番大事なんですが、我々が参入したタイミングってすこし遅いんです。国内ウェブトゥーン企業のみなさんが先行して一年経ったくらいでした。だからこそ、ウェブトゥーンにチャレンジしてみたい、編集者や作家さん・クリエイターさんが顕在化し、作り手が動くタイミングだと考えたからです。とカッコつけて言ってますが、本当はもう一年くらい早めにスタートするはずでした笑。結果としてはベストなタイミングだと思っております。早すぎたら今のような編集部と制作部はできてないだろうと感じています。

ーSTUDIO ZOONを立ち上げた時に何を目指されたのでしょうか?

これはとてもシンプルでした。「世界中で愛されるマンガを生み出そう」それが最初から掲げた目的です。例でいうと、『ドラゴンボール』や『スパイダーマン』『ポケモン』のような世界中で何千万、何億のユーザーにも愛されるシリーズコンテンツです。

それが生み出せるスタジオをつくろう。たとえ時間がかかろうとも、そこに振り切ろう。
というのはSTUDIO ZOONをはじめる時から決めていました。

ーそれは簡単じゃないと思いますが、そのためにSTUDIO ZOONでは何をやっていくのでしょうか??

最初の頃は、いろいろトライしてました。例えば、韓国のウェブトゥーン企業を参考にして、小説の原作をコミカライズしたり、作画以降は完全に分業して他のウェブトゥーンスタジオのリソースを借りて制作したり。でも、なんだか物足りない感じがずっとありました。3ヶ月くらい走ったあと、「やっぱり才能が必要だ」と気づいた。気づいたというより、改めてそこに至った。日本のコンテンツの歴史を見ても、出版社やアニメスタジオ、ゲーム企業から生まれた日本を代表するエンタメコンテンツは、やっぱり個々の才能と情熱によって生み出されている。だから、それをベースに考えたら、ZOONがやるべきことがはっきり見えてきたんです。

そこから、スタジオのミッションを「新しい力とテクノロジーの力で、世界が熱狂するコンテンツを生み出す」ことと定めました。今は以下の3ポイントを最も大事にすると決めてやっています。

1. 作家ファーストであること
2. 作家の才能を最大限に引き出せるスタジオ機能を持つこと
3. 作品を世界中に流通させる能力を持つこと

つまり「作家の個性を活かした作品づくりで世界を獲る」これがやっていくことです。
これを実現するためには、まず作家自身がZOONでチャレンジしたいと思える環境を作るのが大切です。それには作家と一緒に歩む、誠実な編集者が必要だと考えました。
さらに、ウェブトゥーンはフルカラーのため、着彩によって大きく作品のクオリティが決まってくる。だから着彩以降(下塗り、演出、効果、着彩、エフェクト、仕上げ)を全て外部スタジオに任せるわけにはいかないと思って、100%内製でクオリティを司るチームを作ることにしました。ひとつひとつの作品に合わせた着彩を実現することで、作品の個性を最大限に引き出し、 STUDIO ZOONだからこそいけるクオリティの高みを目指しております。

そして読者が増え、ファンに愛され、作品にお金を使ってもらえないと、いくら良い作品でも続けるのは難しい。だから、自分たちでマネタイズ能力も持とうとも決めました。幸い、サイバーエージェントではプロモーションやメディアミックスといった制作以外の能力は既に保有しています。我々ならこの新しいシステムが実現できると信じています。

ーSTUDIO ZOONのセクションや制作スタイルを教えてください

大きくは、編集部と制作部の2つがあるんですけど、編集部は作家さんと編集が二人三脚で作品を作っていく。制作部ではウェブトゥーンならではの着彩やエフェクト、効果や仕上げなどウェブトゥーンの面白くも難しい部分をやっています。

編集部は今5つのうち3つ稼働中で残り2個は立ち上げ中。第1、第2編集部ではウェブトゥーンそのものを作家さんと0から作品を作っています。
第5編集部は唯一の文芸編集部で、ライトノベルやアニメでも活躍されている作家さんと一緒に0からウェブトゥーンの原作開発をしております。第5編集部で作った原作を、第1、第2でウェブトゥーンにしていく。という2パターンの構造になっています。

制作部に関しては、内部にアートディレクターとペインターがいて、一個一個の作品に対して固定で担当がつきます。作品の方向性を作家さんとすり合わせながら、伝えたいこと・世界観を担当するアートディレクターが基本方針とルールをつくり、何回かのトライアルを経て、本制作に入っていくスタイルです。

この方法でやっているから、STUDIO ZOONが特別すごいというわけではないですが、このスタイルをとっている国内スタジオはまだ出会ったことがありません。韓国にはたくさんあるかと思います。日本特有の環境など、韓国と背景が異なるため、この形を採用するのは難しいだろうなと思っています。今はまだ特徴止まりかもしれませんが、システムを磨き上げて、「STUDIO ZOONだから出せるクオリティ」を強みにしていきたいと考えております。

ー分業ではなく編集部を0からつくり、編集部を5つに分けたのにはなにか狙いがあるんですか?

編集部を作るにあたって何を信じ、大切にするのか。さまざまな方に相談したところ、「漫画編集じゃウェブトゥーンでヒットは出せない」「未経験をウェブトゥーン特化で育成した方が良い」という声が多かった。
けれど私はそれを「現時点ではそうだけど、中長期ではわからないだろう」と考えた。漫画で実績を持つ編集が、今年時点ではウェブトゥーンを1-2本作って、うまく行かなくても、ウェブトゥーンを軽く扱わずにちゃんと学習し、作家さんと一緒にウェブトゥーンに本気で向き合えれば「3年後の到達点としては、きっとヒット経験を持つ人の方が高みにいけるはず」「中長期で見れば漫画編集の実績や経験は歓迎すべき」だと考えました。ましてや『ドラゴンボール』のような作品を生み出すには作家と一緒に走れる信頼できる編集が絶対必要だよね。というのもありました。

複数編集部制にも明確な理由があります。
ウェブトゥーンはまだまだこれからなので、国産ウェブトゥーンでこれが金字塔!という作品はまだ少ない。つまり編集においても、このやり方が正しいとか、こうあるべき。というのはまだ確立されてないんじゃないかと。そんな環境の中で、例えば、一人の編集長に全てを委ねる。これは出版社では当たり前かもしれませんが、我々にとってはベストじゃないと思います。その人が STUDIO ZOONの天井となってしまう可能性すらある。
なぜなら我々はこれまでコンテンツを作ってきたことがない組織。そんな組織に「ウェブトゥーンってこういうものだよね」「これくらい頑張ればいいよね」っていう人がきたらそこで終わりだと思った。だから、模索したくさんトライしていくことが必要なんだろうなと考えたんです。誰かをトップに据えてその人を中心として動くよりかは、色々なDNAを入れて助け合い、日本の土壌の中でウェブトゥーンを切磋琢磨して作っていくほうがより早く高みにいけるはずだ!と思い、複数編集部にしました。

・ウェブトゥーンに本気で向き合う組織
・漫画編集として実績と経験がある人材を歓迎
・未経験でもすぐ活躍できる育成システムも確立する
・いろんなDNAを持ち切磋琢磨する組織

このあたりは大事にしているポイントです。
実際に今いる編集長たちは、鍛治が漫画家、村松が漫画編集、萩原が文芸編集と強みがまったく違います。彼らとよく話しますが、違う分野が強みだからこそ、それぞれにリスペクトし、得意領域は妥協することなく、共闘できているのではないかと感じてます。

ー「グローバルヒットを生み出す」にはなにが必要だと感じますか?

たくさんあると思いますが、大きくは二つで
「新しい才能を育てるシステム」と「世界へのディストリビューション」を重要視しております。システムに関してはシンプルです。『ドラゴンボール』のような作品を生み出すには、漫画家や作家・クリエイターなどの才能が必要。中長期でその才能へ投資し、編集と二人三脚で作品を作り、発表する場があり、読まれる場がある。という仕組みがなくてはならない。あることでより長く、多くの才能に投資できるのかなと考えております。

次にディストリビューションの部分も大事です。
「サンデー」「ジャンプ」「マガジン」「アフタヌーン」などの漫画雑誌がなければ日本の漫画市場もここまで育っていないかと思います。ウェブトゥーンも世界中の読者が読める媒体が必要だと感じてます。実は世界では韓国ウェブトゥーン企業のアプリがストアを制圧している状況で、気軽にスマホさえあればウェブトゥーンがいつでもどこでも読める環境が整いつつあります。しかしながら、まだ世界中の人が当たり前に読んでいる段階ではない。各地域に合った作品ごとのプロモーションや、デジタルマーケティングで読者を集めることがとても重要だと考えております。

ーなるほど。冨塚さんの叶えたい夢としては、日本のウェブトゥーンとかを変えていきたいみたいなのが一番上にあるんですか?

 日本のウェブトゥーン市場を変えていきたいというより、「世界最高レベルのコンテンツスタジオ」になりたいと思っています。そのためにはまず、STUDIO ZOONというスタジオが、日本中のクリエイターに愛されなきゃいけないんですよね。 
「ここで描けばクオリティも高いし、世界でたくさんの人に読まれ愛される作品になりえる」期待値の高いブランドを作りたいです。

ー世界規模で見たウェブトゥーン市場について冨塚さんの現在のお考えを教えてください

世界で言うと、日本って結構特殊で、これだけ漫画があふれていて、こんなにみんながスマホを持っていて、小さい頃からリッチなコンテンツが読める国って世界でも稀なんです。
逆に漫画を読んでこなかったり、小説などの文字のエンタメが強かったり、その次はもう映画、ドラマだったりする国が大半だなと。まだ「マンガコンテンツ」を体験していない人が世界にめちゃくちゃたくさんいて、漫画でもウェブトゥーンでも読む人口はこれからも爆発的に増えていくのは間違いないと思っています。

私は『スラムダンク』を読んでバスケを始めたんですが、もし中学校時代に『ブルーピリオド』に出会っていたら絶対美大にいってただろうなと妄想してたり。漫画を読んで何かを始めたり、人生に影響を与えてくれた体験を持つ方が、日本にはたくさんいると思います。そのコンテンツ体験を世界レベルで広げていけるウェブトゥーンにはとてもワクワクします。
また日本ほどコンテンツを生み出す才能が集まっている国も他にないと思います。
例えばハリウッドみたいにものすごいお金をかけなくても、狂気とペン一つで世界を熱狂させられるコンテンツを生み出せるのってもう漫画家ぐらいしかいないんじゃないかって。めちゃくちゃかっこいいなと思いますし、日本にはそういう作家さんがたくさんいる。だったら、その才能を世界に持っていく。ということをSTUDIO ZOONでできたら一番大きいんじゃないかと思います。

ー韓国へ調査に行かれたりしたと伺いましたが、韓国と日本の違いや、何か得たものなどはありましたか?

やっぱり韓国に行ってみて思ったのは、彼らなりのやり方で、クオリティーを徹底して上げにいってるし、やりきっているなと思っていて。ビル一棟の中にウェブトゥーン生産機能が全部備わってるんですよ。塗ってる人とか作家含めてもう何十人、何百人がその中にいて。国からも支援があって。ウェブトゥーンというのを世界レベルの一大エンターテインメントの産業にしていく人たちの気概や視座に触れたことによってとても刺激を受けました。でも日本ではそのまま再現できないところも多々あるので、私たちだと日本の環境と作家さんと一緒にやっていくシステムで勝負をしていく必要があるなと改めて実感しました。 

ー現在、編集とアートディレクターを募集していますが、どういう人にきて欲しいですか?または、どういう方が今のチームに合うと思いますか?

「編集能力」は未経験でも歓迎してます。実績や経験があれば歓迎しますが、必須ではありません。またよく編集長たちとも話しますが、「開拓者」「エナジー」「惹き」「好奇心」。このあたりのキーワードを持ち合わせる方を求めています。出版社にある当たり前のものとかが、まだSTUDIO ZOONにはないことが多いので、0から作らないといけない。だから与えられた環境や決まった中で成果をだすよりは切り開いていく力の方が必要だと思ってます。これは結果論でもあるんですが、今の編集長3人とも「開拓者」だなと思ってます。
「エナジー」はウェブトゥーンやグローバルヒットへの意欲です。「惹き」もシンプルで
仕事仲間・漫画家・作家に恵まれる力が絶対、編集者には必要だと思っていて、そういう人がヒットを出すんじゃないかなと。これは私が勝手に思っているだけかもしれませんが、良い編集者って、やっぱり人を惹きつける何かがあるんじゃないかなーと感じてます。
最後が『好奇心』。ウェブトゥーンに携わっていると新しい技術、新しい表現方法など、新しく学ぶべきことがかなりあるんですけど、そこを自己学習して成長していける方のほうが多い気がしています。 
最後はサイバーエージェントやSUTDIO ZOONの「カルチャー」に合うか。一方的ではなく双方のマッチですね。こればかりは説明するよりも編集部に遊びにきてもらったほうが早いですね。結局は人間なので一緒に働くチームメンバーや編集長たちと一緒に仕事できそうか、はもちろん大事です。

ーアートディレクターはこういう経験の人がいいなとか、あります?

よくアニメ業界の経験と、ゲーム業界の経験があると活躍しやすいと言われてますが、これも編集と同じで、歓迎スキルです。業界経験がなくても一緒に仕事している人はたくさんいます。強いていうなら「作品を読む力」でしょうか。
STUDIO ZOONは作家性を中心につくるので例えば、完全分業だったら、自分が書いた線を次の人に渡して、違う人が塗って、次、また違う人がエフェクト付けてとかやれば、各々自分の仕事は終わってるんで、作品としては、当たってくれたら嬉しいけど!になりがちだと思います。
でも我々は作品を固定で担当してもらうので、その作家と作品が表現した意図を組みながら、クオリティーを見ないといけないんですよ、しかも週刊連載のが多い。そこは多分STUDIO ZOONの面白いところであり、難しいところでもあるのでそういう目がある方がいいのかなっていうふうには思ってますね。

ー最後にSTUDIO ZOONで働く魅力はなんですか? 

今はまだ何もないです笑。ですが何もないのが魅力だと思います。STUDIO ZOONは現時点でまだ作品を世に出してませんし、ヒットも代表作もまだの立ち上げ中のスタジオです。しかし、だからこそ色々なルールやシステムを、自分たちで切り開いていけるタイミングでもあります。今からウェブトゥーンに特化した出版社を急ピッチで立ち上げていくようなフェーズです。そういうアーリーステージのような混沌とした環境だからこそ、働く魅力があるとも言えると思っています。あとは、チームワークですかね。毎日ほんとめちゃくちゃ話すんですよ、みんな。ずっと議論してるし、慣れ合いじゃなくて、お互いに助け合ってる。新人編集者には打ち合わせごとに編集長がFBしてるのをよく見ます。結果として未経験編集でも半年で連載を持てる実績が出ています。それくらい成長スピードが早い環境かと思います。

最後はご自身の目で確かめてもらわないと分からないと思うので、「ぜひ一度、空気を吸いに遊びに来てください」と思いますね。
自分が行っていいんだろうとか、編集経験はないんだけどとか関係なく。カジュアルな感じで編集部の門を叩いてほしいなって思います。

経験のあるマンガ編集者、アートディレクターを募集中!

現在『STUDIO ZOON』では、経験のあるマンガ編集者を募集しています。この記事で興味を持った方は、ぜひ一度こちらをチェックしてみてください。
https://cyber-z.co.jp/recruit/entry/studiozoon_contents.html

不明点などがあれば以下までお気軽にお問い合わせください。

株式会社CyberZ 広報:城戸梨沙
kido-risa@cyber-z.co.jp


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