ITストラテジスト 出題予想(令和6年春)
本記事では令和6年春向けのITストラテジストの出題予想を行っています。
次回ITストラテジストを受験される方向けに、
出題にはどのような傾向があるんだろう?
次回にはどのような問題が出題される可能性があるのかな?
で、それらを午前問題、午後問題(記述・論文)について知りたい!
といった疑問・要望にお答えしたいと思います。
なお、過去問は試験センターからダウンロード可能です。
1. 午前II予想
上図は過去4年の出題一覧です。
他区分でも言えることですが、過去問から同じ問題・似た問題が出題されることが多いです。
午前IIの出題予想ポイントは次の通りです。
■午前II出題予想ポイント■
1. 令和元年~5年の過去問から同じ問題が7~9問出そう
2. 売上高など計算して選択する問題は今年も出そう
3. 特定商取引法など契約・法律系の問題は今年も出そう
順に説明します。
1-1. 令和元年~5年の過去問から同じ問題が7~9問出そう
令和5年春の過去問を分析すると、
令和4年から1問
令和3年から6問
令和元年から3問の
計9問(1問重複あり)が再出題されています。
2回前の令和3年からの出題率が多いので、今年は令和4年からの出題率が高くなりそうです。
1-2. 売上高など計算して選択する問題は今年も出そう
与えられた条件を加味して計算して選択する問題も毎年出題されています。
令和3年春問17は計画生産量計算、
令和4年春問16は正味所要量計算、
令和5年春問20は売上高計算、問21は売上高総利益計算、
といった具合です。
計算問題は時間を取られるので、時間配分に注意しましょう。
1-3. 特定商取引法など契約・法律系の問題は今年も出そう
契約・法律系の問題は毎年必ず出題されます。
令和元年秋問5は実費償還型契約、
令和3年春問22は特定商取引法、
令和4年春問5は準委任契約、
令和5年春問22は資金決済法、
といった具合です。
ITストラテジストの役割を考慮すると契約や法律の知識は求められやすいといったところでしょう。
2. 午後I(記述)予想
上図は過去4年分の過去問テーマ分析です。
午後Iは令和6年春より3問から2問選択することとなります。
従前の問4(エンベデッドスペシャリスト系)が出題から外れると予想されるので、問1~3から自分にとって相性のよいものを選択しましょう。
午後Iの出題予想ポイントは次の通りです。
■午後I出題予想ポイント■
1. 問1は先端技術や新流行のビジネスモデルが出題されそう
2. 問2・3はどちらかが文章(マネジメント系)、どちらかが図表(テクニカル系)の読解力が求められる問題が出題される
順に説明します。
2-1. 問1は先端技術や新流行のビジネスモデルが出題されそう
過去4年を分析すると問1はデジタルトランスフォーメーション(DX)か先端技術(ブロックチェーン)がテーマです。
IPAはDXに関するメッセージ・研究をたくさん発信していますが、令和1~3年で連続してDXがキーワードとして出題された後に令和4年で異なるキーワードで出題されたので、今後は少し傾向が変わるかもしれません。
参考までに、IPAが発しているDX事例などをまとめているサイトを紹介しておきます。
2-2. 問2・3はどちらかが文章(マネジメント系)、どちらかが図表(テクニカル系)の読解力が求められる問題が出題される
問2・問3の過去問を分析すると、どちらかは図表のない問題が出題されています。
傾向としては、図表のない問題の方が文章からの読解力、つまり自分で必要なキーワードを抽出し必要であれば図や表におこして整理する力が求められると思います。
反対に図表のある問題は、文章と図表の対応付け、図表そのものを読み取る力が求められるでしょう。
傾向として、図表のない問題はマネジメント系、図表のある問題はテクニカル系であることが多いようです。
過去は以下の通りになっています。
令和1年秋 問3が図表無し
令和3年春 問2が図表無し
令和4年春 問3が図表無し
令和5年春 問3が図表無し
3. 午後II(論述)予想
上図は過去4年分の過去問テーマ分析です。
午後IIは令和6年春より2問から1問選択することとなります。
従前の問3(エンベデッドスペシャリスト系)が出題から外れると予想されるので、問1~2から自分にとって相性のよいものを選択しましょう。
午後IIの出題予想ポイントは次の通りです。
■午後II出題予想ポイント■
1. 問1は先端技術や新流行のビジネスモデルによる"攻め"の問題が出題されそう
2. 問2は既存業務やプロジェクトを前提とした"守り"の問題が出題されそう
順に説明します。
3-1. 問1は先端技術や新流行のビジネスモデルによる"攻め"の問題が出題されそう
"攻め"や"守り"といった言葉遣いはイメージですが、問1は新規投資や事業停滞打開など、事業として攻めの姿勢で手段としてDXを用いる文脈での問題が出題されています。
過去の問題文に例示されているDX事例は以下の通りです。
令和1年秋
病院における音声認識とAIを活用した記録業務のデジタル化
組立加工業におけるAR機器とIoTによる組立業務のデジタル化令和3年春
流通業におけるICタグを用いた物流保管のプラットフォームサービス
測量機器メーカにおけるドローンとAIを用いたサブスク監視サービス令和4年春
保険会社における顧客健康データを活用した割引などの新サービス
令和5年春はDXに特化したものではなく、ビジネスの変化の速さを背景に構築後のITシステムを全体最適の観点から改修要望に対応するというものでした。
実際の企業における経営課題は千差万別ですが、ITストラテジストで出題される問題にはいくつかのパターンがあります。
"攻め"のパターンとして、上記の事例は読み込んで理解しておくとよいでしょう。
なお、令和3年春、令和4年春については本noteでも解説記事をあげているので合わせてご確認ください。
3-2. 問2は既存業務やプロジェクトを前提とした"守り"の問題が出題されそう
問2は比較的保守的な文脈で出題されることが多く、過去4年は以下のようなことが問われています。
令和1年秋 ビジネスモデル策定の支援
令和3年春 ステークホルダの意見調整
令和4年春 スケジュールの管理
令和5年春 システムリスク対応方針
試験区分の領域としてはプロジェクトマネージャーの知見・経験があると有利でしょう。
また令和5年春は情報処理安全確保支援士の知見があると有利です。
IPAとしてはアジャイルの台頭を受けシラバスを2022年に更新しています。
もしかするとアジャイル開発を前提とするような文脈で問題が出される可能性もあるでしょう。
おわりに
いかがだったでしょうか?
ITストラテジストを受験予定で、どのように対策を進めればよいかの考え方の一助となれば幸いです。
本noteでは、高度情報処理試験の、合格に向けたサポート記事を充実していきます。
それでは、ともに頑張りましょう。
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