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トラブルは成長の元

教室に行くと1人の生徒Aがクラスにいなかった。探しに行くと、隣の空き教室に1人で佇んでいた。

私は話を聞こうと思った。どうしたの?と聞いてた。

昨日からクラスの友達Bが強い口調や怖い顔で睨んできて怖い。俺は何もしてないのに。

と話した。

授業に戻れないなら気持ちが落ち着くまで休んでからおいでと、伝え授業に戻った。

授業中に戻ってきたので、その後、気持ちの共有のために生徒AとBを呼び話し合いの場を設けた。

トラブルの原因は、給食時の放送の音量の大きさについてであった。

Aは音に敏感で音量が大きいと小さくしてしまい、Bは大きな音が良いので大きくするという、ちょっとしたいざこざが何度かあった。

気持ちを伝えずに行動のみで表現していたため、この時は静観をしようと思い私は黙っていた。

トラブルが起きる前日にAは給食中席を出歩く事なく食べていた。

Bが急に立ち上がり放送の音量を大きくして、『またか。お前喧嘩売ってんのか。』とイライラしながら怒っていることを伝えていた。

Aは『俺じゃねーし』とそれに伴うようにイライラしながら返していた。

その時は勘違いだったのでBは『勘違いだったかー』とあたかも自分がイライラしたのは仕方がない。
でも謝らないよ。という表現をしていた。
その時も私は敢えて静観して注意する事もなく流していた。2人の行動に気持ちのやりとりがなく行動のみで表現していたので、もうちょっとで想いが溢れて何かしらのアクションがあると思ったからである。

トラブルの原因や事実を確かめ、なぜトラブルになってしまったのかを2人に伝えた。その後、現状のお互いの気持ちを伝えてもらった。

Aは何もしてないのに強い口調や怖い顔で睨まれて怖い。その理由が聞きたい。

Bはその時は勘違いをしていたのでイライラして強い口調になってしまった。

と話した。

2人に、『今後仲良くなりたいのか。喧嘩をしたままでいいのか』と尋ねた。

2人とも仲良くなり、元に戻りたいと言っていた。

2人で解決できないならクラス会議で話してみよう。解決できそうなら2人で話して解決してみよう。と提案し、まずはどのような解決策があるか考えてもらった。

Bは少し黙っていたが、音量は大きい方が良い。と主張を伝えていた。解決策になっていなかったが今の自分の想いを伝えた。

Aは、それならタブレットにヘッドホンを繋いで聞こえないようにするからいい。と提案をした。

Bに、『それでいいの?』と聞くと、

『俺の方が年上だから、、、年下の意見を優先する。だから音は小さくて良い。』とAの気持ちに応えた。

一瞬私は、Bが自分本位な事を言い出すのでは、と焦ったが、先輩としての漢らしさを伝えてくれる内容であったことに感動した。

想いを伝え合う事で、行動の意味が伝わり、勘違いしていた事が明らかになる。そんな経験を2人は得られたと感じた。

終わってしまったことに目を向けるのではなく、未来に向けてどの様な手段を考えていくか、お互いの気持ちを理解し合い相手の立場に立って考えているのがとてもうれしかった。

こういったトラブルは起きた方が良い。
寧ろトラブルがあったからこそ成長する為の生きた課題を乗り越えることができたのだと思う。
整地された道を歩むのではなく、凸凹な道をどの様に歩くのかを考えた方が豊かな人生になる。

今後もトラブルが起きそうな時には、想いに寄り添いたい。子どもたちが自分たちで解決できるようになるように、チャンスを伺い、想いの共有に着目して支援したい。