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400mトラックで歩きタバコのオッサンを注意「しなかった」話

僕はほぼ毎朝、健康維持のために近所の400mトラックがある公園でランニングをしています。その日もいつものように、日が昇る前のトラックを自分のペースでひたすら走っていました。

走りながら、とある赤いポロシャツを着た恰幅のいいオッサンが、トラックを歩いているのを追い越そうとした時です。僕が横切ろうとした右側の手に、オッサンは火をつけたばかりの長いタバコを持っていました。人が周囲にいっぱい走っているのに関わらず、です。

瞬時に、いろんな思考が頭の中を駆け巡りました。このオッサンは、健康になりたいのかなりたくないのかどっちなんだ。そもそも、人がいっぱい走っているトラックの中でタバコを吸うなんて危ないだろうが。吸うにしても、トラックの外に出ていったらどうなんだ。小さい子どもだって走ってるんだぞ。目に当たりでもしたらどうするんだ。

追い抜き際に、よほど何か言ってやろうかと思いました。タバコをひったくって、地面に捨てて踏み消してやろうかという衝動にも駆られました。事実、以前はエレベーターでタバコを吸っている別のオッサンに注意して、ケンカになりかけたこともあります。

でも今回、僕はそういった行動を一切起こさず、オッサンの横を通り抜けました。押し寄せる煙の匂いと、目にかかる刺激に不快感が押し寄せてきましたが、何も言わずにそのまま走り抜けました。

そして次の一周からは、そのオッサンから距離を取ることを心がけて走るようにしました。そこから何周かまではオッサンの姿を確認できましたが、いつのまにかオッサンはいなくなっていました。

そのまま淡々と走り終え、僕は帰路につきました。

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なぜこんなことを書いたのかというと、少し前にも似たような形で、朝のランニングに来た時に他人の「ただしくない」振る舞いを見つけ、それを糺そうとした経験を思い出したからです。

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