革命の士たちの美しい言葉、そこに見え隠れする少しの傲慢
昨日に引き続き、天安門事件にまつわる話題です。
ジャーナリスト・王志安さんのチャンネルで、とあるドキュメンタリー映画がまるまる一本公開されていました。本人のツイートによると、著作権を王さんが入手したそうです。
2011年制作、「亡命」というタイトルのこの映画は、海外で活動する中国の民主活動家たちの姿を追ったものです。翰光という中国の監督によるものですが、制作・配給は日本で行われたもののようで、日本語のキャプション・字幕がついています。興味のある人はぜひご覧になってみてください。
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この映画に登場する民主活動家たちは、60年代の文化大革命を経験し、さらに1989年の天安門事件をきっかけに国外に逃亡した人々です。ほとんどは政治的に迫害され、拘束や投獄を経験しています。なかには当時の学生リーダーとして著名な王丹氏の姿もあります。
そのほか紅衛兵(文化大革命中、毛沢東によって組織された学生を中心とした集団)として動員された経験を持つ作家や、芸術家、政治評論家など、さまざまな立場から天安門事件、そして祖国への複雑な思いが語られています。
どの人の言葉も劇的な人生経験と、深い祖国への思考から出たものであり、傾聴に値するもののように思えます。知識人らしく、理知的で深みのある言葉がそこには並んでいます。
ただ、僕はそうした意味深長で格調高い言葉を聞きいれつつも、その裏に少しの違和感も感じました。
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