こころのちからになる話4 おばあちゃんの手作り品

陽菜(ひな)は、おばあちゃん子の12才。編み物や身の回りのものを作るのが得意なおばあちゃんをとても尊敬している。誕生日が来るともらえたニットのセーター。お手製の花のオブジェが付いたハンドバッグだっておばあちゃん製だ。

お父さんやお母さんからもらえる誕生日の日の特別なお金ももちろんうれしいが、冬になると、おばあちゃん製のセーターを、必ず学校に身に着けていく。市販製のものしか着たことのない今どきのお友だちは、口をそろえて、陽菜のおばあちゃんはすごいねって言う。

お友だちがもうすぐ誕生日を迎えるので、陽菜はおばあちゃんに習ってフェルトのポーチに挑戦するつもりだ。おばあちゃんの作品にはまだまだかなわないけれど、お友だちの好きな色は聞いたし、あとは針に糸を通してちくちくと縫っていくだけ。それくらいなら、なんとか陽菜にもできそうだ。

頑張ろうっと!

陽菜は家に帰り、さっそくおばあちゃんの部屋に行った。

「おばあちゃん、お裁縫を教えて?」

お願いする陽菜に、おばあちゃんが優しいひとみでうなずいた。

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