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わたしのスキ42 TRPGソード・ワールド

まず初めに……KADOKAWAさんの小説サイト、カクヨムで、TRPGリプレイのコンテストが始まります。ゲーム名は「ソード・ワールド2.5」で募集期間は4月1日から5月31日、賞金と特典は大賞30万円と大賞受賞作はKADOKAWAさんから発行の予定。詳しくはカクヨムさんの情報をチェック!

※ 2022年4月追記 この情報は、2021年4月1日~5月31日までに開催されたコンテストになります。

……と、いきなりコンテスト情報から始まりましたが。私が十代のときに覚えたTRPGというジャンルのゲーム、そのなかでも和製TRPGとして不動の地位にある「ソード・ワールド」という作品群について、熱く語りたいと思います。

TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)というのは、テーブルを囲んで数人のひとたちが集まり、進行役であるひと一人と、プレイヤーとなるひとたち数人が即興でひとつの世界観(ゲームでよく取り扱われる剣と魔法の世界、SFを下地としたサイバーパンク風などいろいろあります)を共有して、お互いコロコロとサイコロを転がしつつ、話して遊ぶゲームのことです。

ドラクエやファイナルファンタジーなどのゲームに親しんでいる方は、数々のクエストをこなして強くなり、最終的には魔王などの最強の敵とまみえるほどに強くなってゲームのクリアを目指す、という流れはおなじみのものであると思います。

TRPGも、敵のモンスターやひとつのストーリーごとのクリア条件というものはあるのですが……人と人とが話をしながら進めていくゲームなので、想像力を使えばどんな物語でも出来る、ということが大きな魅力のひとつです。

モンスターをなんとかする、という目的ひとつでも、ただ単に武器と防具を装備して武器や魔法で戦うというだけでなく、クエストを達成するときの報酬を交渉したり、敵に罠を張ったり、敵そのものと交渉して戦闘を回避したりすることが出来るのです。モンスターを倒すということだけが目的では無く、進行役の人と、プレイヤーの人たちとの会話によって物語が変わる可能性があります。

そんなTRPGのひとつ、ソード・ワールドが誕生したのはおよそ30年ほど前のことでした。ファミリーコンピュータ、そして後にスーパーファミコンというゲーム専用の機械が次第に普及していくちょうどその頃です。それまではゲームをやるには、コンピュータ以外にはゲームブックという紙媒体の本を使って、書いてある行動選択肢を選んだらこのページへ! という案内を頼りに特定のページをめくっていくというものがありました。

それだけでも、小説のように一方通行の流れでは無く、自分が選んだ行動選択肢によってストーリーが変わるというゲームブックに触れたときは、強い感動を覚えたものでした。

そんな中で知ったのが、TRPGです。私が初めてTRPGに触れたのは「D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)」という、アメリカ生まれのTRPGを翻訳して遊べるようになった日本語版で、TRPGを好むひとびとを集めて遊ぶコンベンション会場というところが月1くらいのペースであったので、友人ひとりを連れて参加したことがきっかけでした。

TRPGが面白そう、という情報のみをもって、何が必要かも、どんなゲームがあるのかも分からない状態で会場入りしたのですから、今思えばそのときの自分はなんという冒険者だったのかと思います(笑)

そのときに、初心者だったらD&Dがいいよ、とおすすめされて、ゲームをやるために必要なサイコロも筆記用具も、キャラクターシートもそのときはすべてお借りし、参加させて頂きました。D&Dは剣と魔法の世界を基盤としているので、ゲーム内では、戦士や神官、盗賊や魔法使いとなってファンタジーの世界を楽しむことが出来ます。そのときは、5人か6人のプレイヤーのひとりとなって遊びました。

私は盗賊のリオンというキャラクターを作り、戦士、神官、魔法使いといったそれぞれの方が作ったキャラクターとともにみんなでダンジョンを探検して遊びました。

それがものすごく楽しくて、またやりたいなあ……と思っていたら、同じTRPGで、剣と魔法の世界を舞台とする日本生まれの「ソード・ワールド」を知ったのです。

無印とも呼ばれるこの元祖「ソード・ワールド」は、二つのサイコロとルールブックがあれば遊べるというもので、当時は十代で少ないおこづかいからでも、ファミコンやスーファミの機械やソフトを買うよりは、リーズナブルなところも魅力でした。

アレクラスト大陸という架空の世界で、戦士や神官や魔法使い、そして盗賊にもなれるという世界観にすっかりハマって、そのなかの一部の世界観でもって構成された小説である「ロードス島戦記」などの作品、TRPGの人と人とが話しながら織りなすストーリーを収録したリプレイという演劇の台本のようなスタイルの書籍を、片っぱしから読み漁りました。「スチャラカ冒険隊」や「バブリーズ」のような、すごく面白いリプレイは、今も記憶に残っています。

ルールブックとサイコロとキャラクターシートを揃え、何度かコンベンション会場で無印ソードワールドを楽しんだあとは、大学に入るとともに、ほかのことが忙しくなってしまい、TRPGの実際のプレイそのものからはだんだんと離れていたわけですが。

たまたま3年ほど前、名古屋の上前津にあるTRPGの本を豊富に取りそろえた三洋堂という本屋さんに行ったら、新しくリニューアルされた「ソード・ワールド2.5」というTRPGのルールブックが発売されていたのを見つけたのです。

ええ、もう即買いしてしまいましたとも。

青春のすべてが詰まっているTRPGソードワールドが、リニューアルをしてパワーアップした世界観とシステムでもって現役で登場していたのですから。

ソードワールド2.0という、その前のリニューアル版もあるのですが、それが刊行されたころは超多忙で、TRPGのこと自体が頭の中からすっぽ抜けていた私にとって、久しぶりのソードワールドは「ソード・ワールド2.5」となりました。

2018年に「ソード・ワールド2.5」の最初のルールブックが刊行されてから、徐々にさまざまな追加のルールブックや、世界観をさらに楽しむためのサプリメント本、サイコロや遊ぶためのアイテムがワンセットになったボックスシリーズなどが発売され、今もなおその勢いは続いています。

そして、来月の頭から始まるリプレイのコンテスト! カクヨムさんでさまざまな方の「ソード・ワールド2.5」のリプレイは今でも読めますが、今後その数が増えるのを想像すると、とてもワクワクします。

小説や文章の力を高めたいと思うとき、このソードワールドの世界観をお借りしてシナリオを作り、起承転結のストーリーを練って誰かにプレイしてもらうというやり方はとても有効です。ファンタジーのゲーム世界を楽しみながら、キャラクターを作り、その性格を表すという、小説を書いているひとであればきっと好きになる要素がありますし、文章を書くのは基本的に誰かに伝えるためなので、コミュニケーションツールとしてのTRPGは遊びながら人に話す力、リプレイや小説として文章を人に伝える力が鍛えられます。

やって損は無い、と断言できる「ソード・ワールド」シリーズは、大好きなゲームです。冒頭のコンテスト情報が気になった方は、カクヨムさんで参加ができますので、ぜひこの機会にTRPG、そして「ソード・ワールド2.5」の世界を楽しみながら、みんなで行ったリプレイを投稿してみてはいかがでしょうか?

※ 追記2 2021年の募集内容であり、すでに結果発表も終わっていますので、賞を獲得した作品を読みたい、という場合はカクヨムさんのサイトから終了したコンテスト情報を追いかけてみてくださいませ。

※ 見出しの画像は、みんなのフォトギャラリーよりoui-nさんの作品をお借りしました。ありがとうございます。



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