涼夕海

文章書く習慣をつけたい

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最近の記事

月の宮

「お月さん、今日も大きいね。」 「そうねえ。大きいわねえ。」  昼下がりの公園で小学生低学年くらいの子供とその母親らしき人物がそう話しているのが聞こえてきた。  缶コーヒーを飲みながら、俺もその月を睨みつけていた。月を見ている間は将来のこととか、今仕事をサボっていることとか、そんな悩みはちっぽけな空想に過ぎないと思わせてくれた。  太陽に照らされた月は、青空にその巨大なクレーターを見せつけていた。俺が子供の頃は、兎が餅をついているかのように見えていた。が、近づくごとに

    • 砂漠の花

       西から吹く穏やかな風が砂煙を纏いながら旅人の頬を撫でる。その顔を覆っていたはずのスカーフはすでにボロ雑巾のようで、その旅路が苦しいことを物語っていた。強く照りつけるその日差しから目を保護するためのゴーグルも傷痕に覆われていた。砂地を歩くその足取りは重い。一歩、また一歩とブーツが砂上に男の足跡を残していく。が、それは直近のものに限られる。風がゆっくりと、戻り道はないことを教えるかのように足跡を隠していくからだ。  旅人が歩く砂漠は白く、美しい。世界中どこのビーチをさがしても

      • お久しぶりです

        大学の頃の僕へ 久しぶり。相変わらず死にかけてる?? ワンルームの小さな部屋で、メンタリストDAIGOみたいに暮らしたいと思って少し投稿していた君は、26歳になっても1kの小さな部屋でこの文章を書いています。 あ、でも少し近づいたところはあるよ。 君は、今時間と場所にとらわれずに働けているよ。 フルフレックスでソフトウェアエンジニア、当時twitterで眺めていた人たちに近づけてるしそれなりに上手くやれてるよ。 でも、この仕事は楽なことばかりじゃないよ。 過労死しそう

        • 片利共生についてキンチャクガニに教えてもらおう!

          写真はキンチャクガニです。 腕のハサミにイソギンチャクをつけて、外敵から襲われないようにしています。 今日このイソギンチャク先生に片利共生について教えてもらいましょう。 まず、片利共生という言葉の定義ですが、 共生の一形態で、一方が共生によって利益を得るが、もう一方にとっては共生によって利害が発生しない関係である。 我らがwiki先生より抜粋しました。 キンチャクガニを見ると、キンチャクガニは、イソギンチャクをハサミにつけることで、外敵から身を守ることができ

          海外で鯉は本当に悪者??

          日本の河川で外来種が問題になって久しいですが、アメリカザリガニやブラックバスの故郷であるアメリカでは、日本から輸入された鯉が外来種問題として取り上げられているのはご存知でしょうか。 とはいっても、日本の川で普通に見られる鯉というのは日本在来の鯉ではなく、元々は大陸から人為的に輸入されたものです。 中国から渡来した日本の鯉については、紀元一世紀のころ、景行天皇が鯉を池に放して飼った記録が残されている。 紀元一世紀と言うと、日本では縄文時代後半あたりであると考えることができ

          海外で鯉は本当に悪者??

          ウミガメと深刻なマイクロプラスチック問題。

          古ぼけた展望台の、怪しい階段を降りると、 狭い階段を降りながら、幼き頃に読んだ海底2万里を思い出していた。 僕は、今、ピエール・アロナックス博士である。 そしてこの展望台こそがノーチラス号なのだ。 階段を降りるとそこには無数の天窓があり、そこから海の者たちに出会うことができる。 僕がぼっと天窓の向こうの海を眺めていると、なんと天然のアオウミガメが会いに来てくれたのだ。 甲羅の放射状の模様や、甲羅にあまり藻類が付着していないところからアオウミガメだと判断した。 た

          ウミガメと深刻なマイクロプラスチック問題。

          和歌山県串本町のアカウミガメ

          僕は今、和歌山県の串本に来ています。 和歌山県南端の海は黒潮の流れがあります。 黒潮とは、南の海から流れてくる暖かい海水を含んだ海流ですね。 さらに、この暖かい海流によって、温帯地域にあるにもかかわらずまるで熱帯地域のような生物多様性が産まれるんですよね。 僕は、海洋生物が好きで元々割と詳しいと自負していたのですが実は串本町でウミガメを見ることができることを知らなかったんですよね。 なんとも恥ずかしい話です。 ちょっと距離があるからこの子はわかりにくいけどアカウミ

          和歌山県串本町のアカウミガメ

          環境変化がサメを殺す

          地球温暖化と言われて久しいですね。 海洋環境もどんどん悪化しているようです。 さて、海洋の食物連鎖の生態系ピラミッドに位置するサメが実は絶滅の危機にあるかもしれないことを本日はお伝えします。 と、その前に、今、僕たちは大気の海の中にいると考えてみてください。 僕らは、この大気の海の中でしか生きることができません。 なぜなら、この大気の海からしか、僕らが生きていくのに必要な酸素を取り込むことができないからです。 もしこの大気の海の環境が変化するとどうなるでしょうか。

          環境変化がサメを殺す