ドラマティックにも平凡にも。あらゆるときめきを処方してくれる恋する韓国ドラマ14本

小さいころ、散々少女漫画にハマった記憶があります。それはやはりそこにある非日常的なときめきがたまらなく面白いから。韓国ドラマに感じる魅力の一面には、やはり同じ感覚があるように思います。とはいえ一口に「ときめき」と言ってもそこは多様。いろいろなタイプの胸キュン作品を取り出してみました。

太陽の末裔(ソン・ジュンギ、ソン・ヘギョ) - 畳み掛けるエピソードに終始ドキドキ

軍人と女医。一目惚れから始まり、大きなスケールで訪れる困難の数々、そして悲しい別れにも負けずハッピーエンドにたどり着く恋の物語はストーリーを盛り上げるエピソードを思いつく限り詰め込んだようでありながら見事にまとめあげられており、圧巻の仕上がり。医療モノとしてもアクションもしっかり楽しめるのに全編を通してときめき続けられる、最強の恋愛ドラマです。

「太陽の末裔 Love Under The Sun」 - ラブストーリーの絶対正義

風船ガム(イ・ドンウク、チョン・リョウォン) - 穏やかに癒される幼なじみ愛

幼なじみ同士の、家族のような穏やかな関係の中に芽生える優しい恋に癒されるドラマ。急ぐことを休みたいようなときに、心を温めてくれるときめきを得られます。とても"普通"な時間が流れていき、すぐそこで起こりそうな日常的な問題に共感し、当たり前に支え合って愛を育む主役ふたりの恋愛をゆったりと眺めることになんだか幸せを感じました。

「風船ガム」 - 幼なじみと恋する日常に癒される普段着のラブストーリー

ザ・キング: 永遠の君主(イ・ミンホ、キム・ゴウン) - ファンタジーならではの壮大なドラマ

ずっと待っていたたったひとりの人との、時空を超えた運命の出逢いはもう最強のひとこと。皇帝と刑事という異色の組合せもまた斬新で、「太陽の末裔」同様、キム・ウンスク脚本作品は設定の強さが際立ちます。一方で「一国の主との恋」という鉄板さもあり、ヒロイン最強のピンチには白馬で駆けつけてくれるベタベタなシチュエーションを現代的にスタイリッシュに消化してしまう作品力が見事。全力でときめくことができます。

「ザ・キング: 永遠の君主」 - 圧倒的な世界観に散りばめられた極上のエピソード群

わかっていても(ハン・ソヒ、ソン・ガン) - リアルに傷ついて、でもときめいて

誠実で一途な王子様だけじゃないのが現実の恋。思わせぶりで女グセの悪いイケメンに振り回される普通の女の子を描く、リアルで苦しい恋の物語がこの「わかっていても」です。ですが後半になるにつれてそんなイケメンがヒロインに知らず知らずハマっていく様子がよく分かり、そこにえも言われぬ爽快感が。キュンキュンするとはまさにこのこと。

「わかっていても」 - 恋だと知らずに落ちる恋の痛さと美しさ

空から降る一億の星(ソ・イングク、チョン・ソミン) - 悲しい予感の前の刺さるような幸せ

もうどうしようもなく悲しいのに、この二人の恋をただただ守りたいと思わされる美しい作品。ときめきと言うよりも切なさが勝るかもしれません。ですが結末までたどり着くと、ふたりが束の間の幸せを噛みしめるように過ごす時間がたまらなく恋しくなってまた繰り返し観てしまいました。その刹那的なときめきの濃さが抜群です。

「空から降る一億の星」 - 悲劇でしか描けない美しさ

「麗<レイ>〜花萌ゆる8人の皇子たち〜」(IU、イ・ジュンギ) - 王子様に囲まれる最強シチュエーション

陰のある王子様がヒロインにだけ心を開いてゆく。それだけでもドキドキがやまない状況なわけですが、錚々たる王子様sがこぞってヒロインに夢中になって対立してゆくというときめきの絶対正義的な構図が展開してゆきます。一方で残酷な歴史に沿って進んでいく物語は次第にシリアスな様相も呈してきて一筋縄では行かない愛の物語を最後まで見届けてほしい作品。

「麗<レイ>〜花萌ゆる8人の皇子たち〜」 - 変われない部分があるから人は変わる

恋はチーズ・イン・ザ・トラップ(パク・へジン、キム・ゴウン) - 苦労する恋ほど胸キュンも募る

モテる要素ばかりなのに人格に問題があるイケメンの先輩とガリ勉ヒロインの不器用な恋は、初恋に恐る恐る手を伸ばすようなドキドキがあります。ふたりが互いを思い合っていることはたぶん間違いないのに、恋愛というのは時にお互いだけでなく周囲の人々との人間関係とも密接に結びつくもの。ずっと危うい綱渡りのような関係が続いて落ち着かないのですが、ユ・ジョン先輩の一挙手一投足がソルに向いている様子にときめかずにいられません。

「恋はチーズ・イン・ザ・トラップ」 - 相手を変えるのではなく、自分が変わる

だから俺はアンチと結婚した(チェ・テジュン、スヨン) - ときめきの王道

シンプルに少女漫画のようなときめきに悶たいならこちら。かっこよくて完璧なスターとの秘密の恋愛が文句なしの胸キュンを供給してくれてなんだかもう「ありがとう」とすら思います。ヒロインがなんだかんだと逞しく情に厚いタイプなのがまた面白さの秘訣で、そんな彼女をさらに力強く守ってくれるイケメンの図に、「やっぱり定期的にそういう胸キュンしておかないとね!」と思わされる一本です。

「だから俺はアンチと結婚した」 - 満を持して浸りたい!胸キュンを裏切らないラブコメ

ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた(ソ・イングク、パク・ボヨン) - 無垢な相手に生まれる愛の概念

「滅亡」というなかなかに新しい発想のキャラクターを相手に人間の女子が命懸けのロマンスを展開するドラマ。とはいえ世界観はポップなので重苦しいこともなく、時にラブコメのように、一方で壮大なファンタジーとしても楽しむことができます。「滅亡」がヒロインへの愛に目醒めてからの姿にとことんキュンキュンできるし、時には涙する場面も。ある意味で無垢な愛を感じられるとても良い作品。

「ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた」 - "死"が人を愛するとき

九尾狐伝(イ・ドンウク、チョ・ボア) - 恋すべきヒーローの理想像

めちゃめちゃ強い妖怪との前世から続く恋。これまた絶対にハマる予感しかない王道設定なのですが、美しく幻想的な映像とキレッキレのアクションが世界をさらにドラマティックに。本当にこういう漫画のようなキャラクターを実写で完璧に表現してしまうところが近年の韓国ドラマの凄みだと思います。このイ・ドンウクにときめかずして何にときめくと言って過言でない作品(個人の感想です)。

「九尾狐伝」 - 細部まで美しい理想の御伽ばなし

ある春の夜に(チョン・ヘイン、ハン・ジミン) - 苦くて甘い人間味に満ちた大人の恋愛 

恋人との倦怠期に訪れる運命の出会いで、「自分の人生を生きる」と言うことに向かい合う大人の恋愛ドラマ。完璧じゃないし弱さもある登場人物たちが、それでも精一杯誠実に、そして自分の気持ちに素直に恋をしようとする姿に癒されて、何せチョン・ヘインの演じる恋人が最高です。人生のあれこれを知ったあとにもう一度初恋に落ちるような、そんなドラマ。

「ある春の夜に」 - ラブストーリーは身勝手なほどいい

赤い袖先(イ・ジュノ、イ・セヨン) - 愛か国か信念か、究極の切なさを描く 

愛を手に入れれば望む生き方を永遠に失う。そんな究極の選択を迫られる女官と、国を大切に考えるがゆえに愛する相手の望むものは与えられない王。それでも互いに唯一無二の相手であるのは間違いなく、本当は強く思い合っているふたり。表向き結ばれたとしても、それが果たして本当に結ばれることになるのか。他にはない形で切なすぎる愛を描く傑作ロマンスです。

「赤い袖先(袖先赤いクットン)」 - ジュノ×イ・セヨン、役を生きるふたりが織りなす世紀の大恋愛

先輩、その口紅塗らないで(ウォン・ジナ、ロウン) - 素直な恋に向き合うとき

信じてた恋人に二股をかけられていたところで男前で素直で賢くて完璧な後輩男子から直球のアプローチを受ける黄金展開。ですがむやみにキラキラしない大人の恋愛は見ていると心から幸せになれる気がします。ウォン・ジナの飾らない可愛さとロウンの誠実なイケメンぷりがそれだけでも癒し。当たり前の恋愛の喜怒哀楽で特大の胸キュンを与えてくれます。

「先輩、その口紅塗らないで」 - 理想的な年下の恋人を見せてくれるロウン

ユミの細胞たち2(キム・ゴウン、ジニョン) - 恋には春夏秋冬がある

恋は必ずしも幸せなだけじゃない。きっと誰もがそれを知っているから、このドラマを観ているとどっぷり共感の沼に落ちてしまうのです。自分が恋でしたかもしれない失敗や、どうしても分からなかった相手の言動みたいなものを丁寧に優しく説明してくれるようなこのドラマは、自分の経験してきた恋愛も間違いではなかったと認めてくれるような独特の癒しを与えてくれます。ときめきも切なさも、恋愛の春夏秋冬をすべて感じさせてくれる一本。

「ユミの細胞たち2」 - 酸いも甘いも!分かりみが深すぎて沼な恋愛可視化ドラマ

恋愛ドラマはリアルとの距離感次第でもたらされる感情が全く違うので、こうしていろいろな角度から描かれる恋人たちを眺めていくと本当に様々なときめきがあるなと感じます。処方箋のように、その時々の気分や状況に合わせたドラマを見つけて接種したいものです。


▼その他、ドラマの観賞録まとめはこちら。

喜怒哀楽ドラマ沼暮らし

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