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韓国ドラマ「ペントハウス」

Netflix。最近韓国ドラマをあまり見てないなあと思いつつタイトル画面をズラズラ見ていたら「ペントハウス」が出てきた。
今テレビでもやっているみたいだけど、先にネトフリで鑑賞した。
高級マンションに住むセレブ家族たちのドロドロものといえば「スカイキャッスル」。子供の受験戦争が主体でしたが、こちらもチョンア芸術高校の受験、その後の成績争いも柱の一つになっており、なんか雰囲気似てないか?と思ったのと、芸術高校、しかも声楽というのが新しい気がして、少し見てみようかと見始めたら止まらず。

それにしても濃い。人間関係、キャラ(ソプラノ歌手で高校の理事でもあるチョン・ソジンの目の動きだけでも必見!)、他登場人物たちの心の起伏も、ストーリーも全てめちゃくちゃ濃い。

たくさんの人物が出てきて、ある意味群像劇でもあり、人間関係を把握するまで少し時間がかかるが、キャラが濃いのでわかりやすい。

韓国ドラマなので勿論親子関係はかなりウエットであり、夫婦関係は大体破綻していて、賄賂と不倫が至る所に転がり、高校生の子供たちの殆どは躾ができておらず嫌なやつばっかりでいじめが横行している。
貧乏で努力家で素晴らしい才能ある子が、妬まれ、いじめの標的にされる。
このドラマは、チョンア芸術高校に通う子供が住む超高級タワーマンション「ヘラパレス」で殺人事件が発生することから始まる。
ヘラパレス最上階、100階ペントハウスに住むマンションの持ち主、チユ・ダンテはいわばマンション内の帝王であり、妻のシム・スリョンは上品で優しげな慈愛の女神的存在。
チユ・ダンテは不動産で巨万の富を得ているが、そのやり方も生き方も、自分さえ良ければ良いというタイプで、その子供の、ソンフク、ソッキョンの双子(兄妹)は生意気でどうしようもない存在。子供の存在はスリョンを困らせている。

ソプラノ歌手のチョン・ソジンは医者ハ・ユンチョルの妻だが、断然妻の方が強い。娘のハ・ウンピョルは母のスパルタで相当精神が参っているが、そこを繕って生きている。

同じくヘラパレスに住む弁護士、マザーコンプレックス甚だしいイ・ギュジンはチユ・ダンテの手下働きをしながら、内心は面白くない。弁護士の妻と、やはりヘラパレスの住人カン・マリは、チョンア芸術高校に通う我が子の成績のために、チョ・ソジンに媚び、賄賂の嵐。

そこに現れる、オ・ユニ。
チョ・ソジンより歌が上手かったが、チョンア芸術高校の最優秀を決めるコンクールで不正でソジンに負け、争って怪我をし、恋人もソジンに奪われて人生が狂ってしまう。
娘のペ・ロナを声楽家にするためにチョンア芸術高校を受験。
ここにさらに、ミン・ソラという謎の女の子が現れ、その子の出自も大きく絡んで物語は動いていく。テレビでも放映中なので、内容については見てのお楽しみだが、殺人、横領、不倫、恐喝、いじめ、ありとあらゆる負のエネルギー炸裂で、心がスカッとはしない。でも引き込まれる。

女は子供のためならなんでもやり、男は金のためならなんでもやるという柱が揺らがない。そして金持ちになりたいと全員が思い、貧乏人を見下している。
こいつに神の鉄槌を!と思ってみているのだが、なかなかそうはならない。

人を見下していない優しいスリョンは元々が大金持ちのお嬢様でお金の苦労がないためと思われる。登場人物の中ではまともだが、策を弄するところもある。なかなかなものだ。

復讐劇でもあるので、その観点で見るたまた面白い。ホラーぽいシーンもあるし、さまざまな要素てんこ盛りである。

芸術高校の試験風景。歌は超絶上手く、高校1年でこれはないなと思うし、突如声楽家のソジンがリストのマゼッパを凄い勢いで弾いたりして「あり得んだろ」と思うけど、まあそんなのは物語の枝葉の部分なのでよしとしよう。

全部見終わって「ええー?」回収されてないじゃん、と思ったらシリーズ2に続くのだ。
そうだよね、そうじゃなくちゃね。

韓国ドラマのウエットな感情にほんの少しでも同調できる人にオススメです。

シリーズ3も出てるって?
見てしまう、これは。



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