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席効率の法則です!コメントありがとうございます。

宇宙一外食産業が好きな須田です。


昨日、無事にセミナーを終えることが出来ました。

多くの方が参加してくださり、途中で離席する方も出ずに、2時間ビッシリとやりきれました。

参加なさってくれた方々のおかげです、ありがとうございます。


前向きな質疑も多数出て、その熱意に応えていると、予定時間を15分オーバーしての終了となりました。

ご参加くださった方々に、心よりお礼を伝えさせて頂きます。

さて、昨日のセミナーでも出ていた質問で、たまたま昨日の記事にコメントもありましたので、セミナーで質問して頂いた方と、コメントをくださった方へのお礼の気持ちも込めて、満席率・回転率の追記と、併せてカフェについての記事を書きたいと思います。

まず満席率ですが、席によって当然変わってきます。

そもそも、席効率を考える場合は、業態特性と連動させる必要があります。

カフェ・バー・ラーメンなどの業態は、圧倒的に1人客が多い業態です。

それぞれの利用動機と滞在時間が違うので、そこを考量してテーブルサイズと椅子の種類を考える必要があります。

カフェの場合は、販売種目が商品だと思いがちですが、実際に販売しているのは、時間と場所であって、すなわち心地よい体験を販売しています。

従って、1人当たりのパーソナルスペースを確保する必要性が、高まります。

カウンターでのパーソナルスペースと、2名テーブルでのパーソナルスペースの在り方は、物理的な大きさ以上に心理的効果が違ってきます。


例えば、午後のひと時、ゆったりとまったりとする方がいらっしゃいます。
1人で、ノートパソコンを開いて仕事をする方もいらっしゃいます。
好きな小説の世界に浸りたい方もいます。

それぞれ、どの席を選択すると思いますか。

ゆったりとまったりとしたい方は、2名テーブルかゆったりソファー席を好みます。
カフェの環境で仕事をしたい方は、カウンター席が集中できます。
読書に没頭したい方は、2名テーブルが落ち着きます。

理由は、最もふさわしい体勢を取れるからです。

ゆったりまったりを希望する方は、身体を預けられるソファー席が最も希望する席です。

仕事をしたい方は、ノートパソコンに向き合える姿勢が取れて、周りも同じように仕事をしている方がいて、周りが気にならないカウンター席を希望します。

本を読む方は頻繁に姿勢を変えるので、背中を預けられる、肘をつくことができる、本をテーブルにおける、2名のテーブル席を希望します。

そして、1人の場合には、広いスペースを占領する気後れもあるので、なるべく1人で利用しても罪悪感の少ない、2名のテーブル席に流れます。


4名の席に座って、あとから来た3名客が座れなくて帰ってしまう危険性、もしくは席の移動をお願いされる危険性が嫌で、出来る限り2名のテーブル席を選びます。



スペースの確保と言っても、隣の席との間隔を広くとる必要はありません。
座ってる時の居住性と、パーソナル感を確保できれば十分です。

これらのモチベーションを考慮して、利用の形態をイメージして席レイアウトを決めていきます。


業態特性を考えて、組人数を想定するわけですが、これは同業態を数件リサーチして、実際の組人数の統計を取ります。


ご自身がやりたい業態と似た業態のリサーチをして、席の種類と組人数の関係を計測し、満席率を算出します。

これを数件実行すると、ほぼ間違いない実数が判明します。

カウンター席は、平均満席率は何パーセント、2名席は何パーセント、2名席でも、椅子席は、片方ソファー席の場合は、ゆったりソファー席の場合はと、それぞれの利用特性が見えてきます。

ついでに利用者特性と滞在時間も見えてきます。

例えば、近所の主婦が午後の時間にまったりとする場合、長くても2時間半くらいです。
逆を言えば、1日の中でこの程度の時間しか、ゆったりとした時間を確保できないのが、専業主婦の方々です。
家事に追われているので、この時間はママ友と会ってお茶をして、おしゃべりを楽しむという利用動機が見えてきます。

住宅街のカフェでは、ランチから午後の時間帯のメインの客層になります。

ノートパソコンを開いて仕事をする方は、2種類に分かれます。

移動中にチョットカフェによって、緊急度が高い仕事をする場合と、オフィスとは違った環境で仕事に集中したい場合の、2種類です。

チョット寄る人は、消費する商品もコーヒーのみ、他に有ったとしてもフィンガーフードか、糖質を取るためのスイーツ類です。
ビジネスパーソンは、ノートパソコンのキーボードを打つので、手が汚れることを嫌います、また、脳の活性化のために糖質を入れようと思いますので、この2種類の商品が出ます。

コーヒーだけを買う理由は、そこに 「座る権利」 を買っています。
ですから、一切コーヒーに手をつけない人もいるぐらいです。
東京のカフェでは、頻繁に目にする光景です。


このようにリサーチをすると、利用動機と、滞在時間と、消費商品と、滞在中の行動パターンも見えてきます。


これをベースにして、満席率を計画中の業態に落とし込みます。


すると、誰にどのように利用して頂きたくて、何を商品としてお届けすれば喜んで頂けるのかが、自然と見えてきます。



実はこれが、マーケットインのやり方です。


お客様を観察していると、ご主人には内緒で、ママ友とちょっとだけ豪華なランチで、プチ贅沢を味わいたい、自分にご褒美をと思っているのがわかります。

おしゃべりの花が咲きますから、1時間半~2時間もつ商品が喜ばれます。
併せて、ヘルシーで可愛くてコスパが良くて、オシャレに食べられて、チョットしたデザートまでついてくると、罪悪感なく時間を過ごせます。

提供するお店側も、消費するスピードに合わせて商品提供ができるので、提供に追われることはありません。
少し待っていただいても、お水をサーブするなどしていれば、クレームになることもありません。

ランチタイムに、OL2名が利用する場合は、お得なランチセットで、食後の珈琲迄あると嬉しくて、ついでに、そのコーヒーが持ち帰り用のカップも選べるのなら、飲み切れなくてもオフィスに持って帰れるので、お得感を感じてもらえる確率が上がります。

ついでに、わずかな効果ですが、持ち帰りカップは宣伝効果を発揮します。
移動中の信号待ちの時とか、持ち帰ったオフィス内とかで、宣伝をしてくれます。
オフィス内では、口コミもおすすめもしてくれます。

OL2名ですから、メイン商品を提供する前にサラダをお出しすると、ベジファストとなって、意識高い系の方々には喜ばれますし、提供までの時間も稼げます。
食後のコーヒーを、「お持ち帰りが出来るようにカップにしますか?」の質問で、長居することなく離席してくれる確率も上がり、席を回転させられます。


余談ですが、お客様を帰してさしあげるという概念も、飲食業には必要です。

無駄にお客様の時間を奪うことなく、良いころ合いで帰してあげることも必要です。
この、お客様を帰してさしあげるテクニックを使えないので、回転率が上がりません。
このことは、また違った機会にお伝えします。


話を戻しますが、時間帯におけるターゲットの利用動機を、つぶさに観察して仮説・検証を繰り返すと、ほぼ間違いなくヒット商品は仕立て上げられます。

ヒット商品は、意図的に仕立て上げるものです。


ヒット商品が仕立て上げられると、こちらの想定通りの客数が拾えて、満席率も回転率も設定通りにすることができます。


カフェは、特に体験を売るビジネスモデルです。


この体験に、商品を的確に当てこむこと、そして、時間消費と共に商品消費をする仕組みを取り入れることで、アップセールスが可能となり、客単価の底上げが出来ます。

例えば、コーヒーのおかわりの割引販売をする。

これは、あのスタバさえ導入している販促です。
同日にスタバを利用すると、割引価格でコーヒーを買えます。

時間を消費していると、どうしてもコーヒーカップは空になります。
もう1杯飲みたいと思っていても、席を離れて迄買いに行くことが面倒で嫌です。
なかなかもう1杯の、踏ん切りがつきません。

そこを突破するために、割引販売でお得感を提供し突破しやすくして差し上げます。
「100円引きになりますが、コーヒーのおかわりいかがでしょうか?」と、ベタなおすすめでオーダーを促すと、喜んで頂ける可能性が高まります。

意識することは、常にお客様が何を望んでいるのかということです。

その意識が、お客様の心情に寄り添えることとなり、マーケットインの状況が自然と作られます。

その結果が、集客効果を生み出し、現れる現象としては高い満席率となり、高い回転率を達成させます。



席効率を考えた席レイアウトを考える基準は、この法則を活用します。


満席率を上げることの前に必要なことは、いかに利用したくなるお店になるのかということに、行きつきます。

その次に、座りたい席があるのか、その量がどの程度あるのかが、利用しやすい、リピートしやすい理由になります。

お店は使いたくなる理由が沢山あるほうが、当然集客力もありますし、勿論リピート率も高く、結果として繁盛を手にします。

飲食店の商品は食べ物ですから、どうしても美味しい料理に意識がいきがちですが、お客様の利用動機は沢山あります。

商品は、その一つでしかありません。


飲食業の基本はコミュニケーション業です。


誰かと何かを体験したくて、利用するのが飲食店です。
たとえ一人だとしても、自分自身と向き合って、自分一人の体験を楽しんで利用しています。

もっとお客様に寄り添って、何度も何度も使いたくあるお店になりましょう。


その結果が、「いつも混んでますねぇ~」というお客様の感想となり、結果として、ヒット商品が生まれて、高い満席率と回転率となって現れます。

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