見出し画像

奈良岡功大 vs Lee Zee Jia(China OP2023)#データで観るバドミントンPart2

ゲーム分析投稿第2回目です。今回も奈良岡選手とジージャ選手の試合を取り上げて、前回との試合内容の変化をみていきたいと思います。
前回のマレーシアOPが2023年の1月、今回の中国OPは9月です。
3月に全英OPで対戦しているので、6ヶ月ぶりの対戦になります。
(先に全英OPの試合を分析するべきだったと後悔しています。)


試合動画はこちらです。↓↓↓

前回投稿はこちらです。
先に見て頂くと、より一層面白いと思うので、是非ご覧ください!

マレーシアOPでの奈良岡選手の戦術ポイントは大きく2つでした。

1.相手にスマッシュを打たせないために、自分からスマッシュを打つ
2.苦手なバック側、ボディにスマッシュを多く打ち込む

でしたが、今回の試合はどうだったのでしょうか。



1.ショット割合

まずは両選手のショットの割合をマレーシアOPと比較してみましょう。

マレーシアOP ショット割合
中国OP ショット割合

こうやって見比べると、ほぼ同じ内容であることがわかります。
2試合比べてここまで似ているのも結構面白いです。
奈良岡選手のスマッシュが少し減ったので、それに伴ってジージャ選手のショートリターンも減っていますが、それ以外大きな変動はありません。


2.打球位置

次は打球位置の割合をみていきます。
上の緑が奈良岡選手、下のオレンジがジージャ選手です。
左が前回投稿のマレーシアOP、右が今回の中国OPです。

打球位置の割合 上:奈良岡 下:ジージャ

これもマレーシアOPとほぼ同じですね。
特に奈良岡選手の打球位置はほとんど変わっていません。
ジージャ選手の打球位置は、前述した通り奈良岡選手のスマッシュが減っているのでミッドコートでの打球が減っています。その代わりバック前とバック奥を使うようになっていました。
ジージャ選手にスマッシュを打たせ、クロスにリターンするラリーも多くみられ、ひたすら攻め続けたマレーシアOPに比べると余裕を持ってラリーしているようにも見えました。
奈良岡選手はネットを多く切っている印象があり、ジージャ選手もきっとそのような印象があったと思いますが、奈良岡選手がそこを裏手に取り、ヘアピンを打ちように見せかけてロブ、というシーンを多くみました。
前回と今回で共通してジージャ選手のフォア奥には配球しないようにしているので、そこから角度のあるスマッシュやカット系のショットはやはり警戒しているのだと思います。この徹底ぶりも流石ですね。


3.エース・エラー数

配球面では前とほぼ同じでしたが、得点関係はどうだったのでしょうか。

マレーシアOP エース・エラー数

まずマレーシアOPではどうだったかというと、奈良岡選手はスマッシュ、プッシュのエースと相手のエラーで点を取っていました。
対するジージャ選手もスマッシュとプッシュでのエースは奈良岡選手と同じ数で、奈良岡選手のスマッシュエラーでも点を取っていました。

さて、今回の中国OPではどうだったのでしょうか。

中国OP エース・エラー数

基本的には同じですが、奈良岡選手のエラーの種類が増えているのと、ジージャ選手はクリアーとロブでのエラーが増えています。打ち上げるショットでのエラーがかなり増えていることから、この試合はシャトルがよく飛んだのだと思います。


4.ジージャ選手のボディ

前回の試合では弱点となっていたジージャ選手のボディ周りですが、今回はどうだったのでしょうか。

ミッドコート エリア別の失点スタッツ

なんとボディが1番いい数字になっていました。
確かに試合を見ていても前ほど弱点になっている印象はありませんでしたが、いざ数字で見るとこれほど改善されているとは思いませんでした。
バック側は相変わらずエラーと相手エースの1打前になる数が多いので、やはり苦手なのでしょうか。


5.まとめ

今回はジージャ選手のボディが弱点になっているわけではありませんでした。しかし奈良岡選手は、フォアでヘアピンを打つように見せかけてバック奥へのロブを打ち、苦し紛れに打ってきたショットから起点を作ったり、相変わらずスタッツが悪いバック側のサイドを狙いにいく中で、警戒するフォア奥には打たないことを徹底し、前回投稿のマレーシアOPとあまり変わらない試合内容で勝利を納めていました。

マレーシアOPよりもやることの幅が増え、余裕さえ感じる試合でした。


”ただ試合を見てるバドミントン好きな人”としてはもちろん面白かったのですが、”アナリスト”として改めて数値化して見ると、面白いんだけど、面白くない。そんな試合内容でした。
前回とあまり変わらず、そこが面白いけど、新発見がなくて面白くない、みたいな感じです。
次の試合を決めかねているので、よければコメントにて希望などいただけますと嬉しいです。ぜひお願いします。

#バドミントン #スポーツアナリスト #ゲーム分析 #奈良岡選手  
#奈良岡功大 #バドミントンアナリスト #データで観るバドミントン


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?