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本推薦:野村克也、ニコラスタレブ(readhubインタビュー記事)

※過去にreadhubというメディアでインタビューされた記事のコピペログ(サイト閉鎖になったため)

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「上場請負人」須田仁之が語る 孫正義・野村克也の対強者戦略と必読の書 ”状況に応じて最善の選択を”

業界のトップを走る「プロフェッショナル」が薦める本とは?読書をもっと面白くする実名ソーシャルリーディングアプリReadHubが、独自インタビューをお届けするReadHubTIMES。激動のYahoo!BBの立ち上げに関わったのち、複数の企業の上場に関わり「上場請負人」と称される須田仁之氏。須田氏が体験談を交えながら独自の対強者戦略を持つ孫正義・野村克也氏の2人に触れながらオススメの本をご紹介する。
1973年茨城県牛久市生まれ。早稲田大学商学部卒。1996年にイマジニアに入社し、社長秘書を務める。ソフトバンクグループで衛星放送事業(現スカパー、ブロードメディア)、Yahoo!BBの立ち上げに携わった後、友人が経営するアエリア社にジョインし、CFOに就任。
2004年に同社が東証JASDAQ市場に上場を果たし、ゲーム会社、IT企業、金融企業のM&A・PMIなどに携わる。
現在は複数のベンチャー企業の役員・アドバイザーを務め、エンジェル投資家ならぬ「エンジェル労働家」を名乗っている。
「上場請負人」として
現在、僕は役員・アドバイザーとして多くのスタートアップに関わらせてもらっています。
「エンジェル投資家」と誤解されがちなのですが、元々、投資家というよりも実務畑の労働者タイプなので「エンジェル労働家」って言ってます。 2002年から2005年の間に、経営企画担当や取締役CFOとして3社の上場に関わりました。その後、他のベンチャー経営者から「上場ってどうやってするの?」という相談が来るようになりました。 その流れで上場企業の取締役CFOをしながら、業務時間外に「ゆるい経営アドバイザー」みたいな形でスタートアップ企業の経営のお手伝いをすることになりました。
その際に関わったいた弁護士ドットコム社とクラウドワークス社がたまたま同時期の2014年に上場し、なんとなく「上場請負人」みたいなレッテルが貼られ、そこから急に相談が増えてしまいました。そのタイミングでフリーランスになって今のような「複数のベンチャー企業の経営をお手伝いする」という働き方になりました。 現在はおおよそ20社の定例会議に社外役員・アドバイザーとして参加しているので、本を読む時間の確保という点ではあまりできていないですね。

孫正義との日々が話題になる
新卒で「シムシティ」などを手がけるイマジニア社に入社し、最初の仕事は「社長秘書」でした。ベンチャー社長の近くで仕事が出来て、起業家界隈の情報を多く知ることができました。
入社して半年ほどで株式上場を果たし、成長真っ只中だったのですが、仲の良かった同期が早々に転職してしまい、彼に誘われて僕も1年半で転職しました。その転職先が「ソフトバンク社」でした。
一昨年にソフトバンク時代の体験談をstorys.jpというサイトに投稿したらバズってしまいまして、去年、書籍化されました。(『恋愛依存症のボクが社畜になって見つけた人生の泳ぎ方』) Yahoo!BBというインターネットインフラ事業の立ち上げエピソードがメインなのですが、とにかく破天荒なプロジェクトでして、孫正義社長自らが現場に降りて指揮を奮っていました。
とにかく孫さんが非常識すぎるスピード狂で毎日状況は変わり、タスクは絶え間なく降ってきて、不眠不休の毎日でした。今だったら完全に「アウトな働き方」でしょうね(苦笑)。

孫正義の対強者戦略
当時のソフトバンクは通信事業のど素人で明らかに「弱者」でした。弱者なのに強者に立ち向かって「打倒NTT!」なんて吠えてる感じです。現場の僕らからしたら竹槍で装甲車に突っ込んでいってる感じですね(苦笑)。
でも孫正義さんは「本気」でした。その熱量がハンパなかった。当時20代だった僕よりも常にテンションが高くて、会議中には子供の喧嘩みたいなシーンも多く「これってホントに上場企業の会議なの?」と思ってました(笑)。普通の大人では持てない、子供のような「無邪気なエネルギー」が確実にありましたね。
初めて通信がつながったときは「やった!やった!お前ら今日は焼肉おごりや!」と子供のように喜んでいましたし、社員20人ほどを会議室に呼んで「お前らボーナスだ!」と言って、現金100万円の入った封筒を全員に手渡ししたりしてました(笑)。 弱者であっても、その「熱量」や「エネルギー」は非常識なほど圧倒的でした。

野村克也の観察と対話
僕は昔から「弱者が強者に勝っていく」ストーリーが好きでした。それは小学生時代からヤクルトスワローズのファンだったのですが、万年最下位な最弱チームが急に強くなったことがキッカケかもしれません。
当時のヤクルトファンの救世主、野村克也さんでした。 大人になってからビジネスマンとして野村克也さんの本も読むようになりました。その中でも特に好きなのが『弱者の流儀』ですね。 野村克也さんは、なぜ弱小チームを優勝に導くことが出来るのか。「野村再生工場」としてなぜ才能をくすぶらせていた選手を、自分のチームで活躍させることが出来るのか。本書では、「人を見て法を説け」とし、人を観察して人それぞれに合わせたサポートの仕方があることが紹介されています。 ただただ偉そうに上から目線で指導するのではなく、自分でしっかりと人を観察をして、対話を大事にする姿勢を尊敬しています。
孫さんも偉そうにしていませんでした、逆に無邪気でした(笑)。孫さんは自分の熱量で示すタイプでした。孫さんにも野村さんにも共通して言えることは、自分が「勝とうとしている姿勢」を現場に上手く浸透させることに長けていた気がします。

状況に応じて最善の選択をする
孫正義さん・野村克也さんという超大物たちの共通点は「勝つ気持ち」だけではありません。
それは多く思考を重ねて、何十いや何百パターンも打ち手を考えて、その中で状況に合わせてできる「最善の一手」を常に選択しようとしていることです。こういった「状況判断」や「意思決定」はビジネス界やスポーツ界のみならずあらゆる人間たちの営みの中で重要なファンクションです。
読書だとニコラス・タレブさんの著書はとても勉強になりました。『反脆弱性』『ブラックスワン』いずれも名著だと思います。 著者はリスク学についての見識を持っていて、論理的に考えるだけでは、どうしても人間が見逃してしまうことがあることを教示してくれます。 どのように最善の選択をするのかについては、多くのことに応用可能な考え方だと思います。自分が論理的に考えることで全てを解決できると考えている人は、読むことで考え方から変わることができると思います。

※インタビューをもとに作成
インタビュー:青木郷師 文章:高井涼史

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