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金縛りのはずし方

鼻血と骨折と金縛り

私はついつい『世界丸見え』とか、九死に一生を得る系の番組を見て有事に備えようとする傾向があります。
というのも子どもの頃、九死に一生を得る体験を、というと大げさだけど、テレビ番組の知識が大変役だったことがあるから。

金縛りってあう人とあわない人がいるのかなと思う。当たり前の現象だけど、体験する人はする、しない人はしない、例えば鼻血や骨折のようなものではないかと。ちびまるこちゃんと同じで私は鼻血にも骨折にも縁遠く、まること同じく鼻血と骨折に熱い想いをいだいていたクチです。これがあまり賛同を得られない感覚であることを大人になってから知り軽く驚きを覚えております。

鼻血は正確には憧れを抱く前に一度だけ出したことがあります。言うのも恥ずかしいので書いちゃいますが、幼稚園児のころ、寝ながら鼻をほじったのだと思うのです。夜中ふと目が覚めたら顔の周りに大量の血の痕が。割と冷静に、横で寝ていた父を起こし、血の海を指さし、無言で片づけの指示を出したことに安心してふたたび寝入った記憶があります。父の寿命はあの時1分は縮まったと思う(※存命です)。

話を戻そう。

鼻血と骨折(話が戻ってなかった)には縁遠い人生ですが、金縛りは望んでないのにまあまあやってくる人生を送っています(はっ、鼻血と骨折も常連さんはこんな気持ちなのだろうか!?むしろ、鼻血と骨折と金縛りでバランスがとれてるのかもしれない。鼻血過多な人は金縛りがない、とか。ここはまだ研究が進んでおりません)。

はじめての金縛り

金縛り常連のみなさまは、はじめての金縛りについて記憶はあるのでしょうか。

私の初体験は、中2で初めて海外旅行をした時、イタリアはローマでのことだった(と甘い感じを出してみましたが甘い要素はゼロで話が進みます)。

ホテルで寝ていると、深夜、ホテルの窓から泥棒がしのびこんでくるのに気づいてしまう。なのに家族はグッスリ寝てる、なんとかしなきゃ、体をうごか、、、うごかない!すぐに悟った、これが金縛りってやつか、と。

初めての海外旅行で、ロンドン、パリ、ローマと王道コースをまわり、その中で一番危ないと言われていたローマで、人生初めてのどろぼう体験、そこに人生初めての金縛り体験までぶちこまれたらパニックになりそうな異常事態ですよね。

ところがどっこい、この旅の数日前、たまたまテレビでやってたんです、金縛り特集を(笑)

そのため、金縛りにあった14歳の私は可愛げもなくこう思いました。

「これが金縛りってやつなのか。ということは、私はいま脳だけ起きて体がまだ起きてない状態になってるのね。ということは泥棒はきっと夢だな。こないだテレビで見てて良かった。知識は身をたすく、だな」
と。そしてふたたび寝入ったのです(笑)。今気づきましたが、初めての鼻血と同じ対応ですね。

これが私の初体験です(金縛りの)。

慣れてきた金縛り

ローマでの初体験を終えた後、けっこうな頻度で金縛りにあう人生を歩んできました。金縛りにあいすぎて、色々統計データがとれるくらいに。おなかの上で手を組んで寝ると一発で金縛りになることや、体がひどく疲れている時、あとは旅館の和室で打率が高め、実家の仏壇の前も打率が高め、とか。

慣れてはいるものの、金縛りはだいたい
①宇宙人が部屋に入ってくるという設定
②魔界みたいなところに引っ張り込まれる設定
のワンパターンならぬ2パターンであまり楽しくはないので解除魔法を覚えたいところ。

よしもとばななさんの日記で、「宜保愛子さんはお化けが怖いから宝石を身につけて寝ていると教えてもらった」的なくだりがあったので、それ以来旅行に行くときはなるべくダイヤのアクセサリーを持っていき、宿の雰囲気や自分のコンディションを見て、金縛り注意報が出たらダイヤを身につけて寝るようにはしています。これはあくまでも予防。解除魔法ではない。

ちょっと脱線しちゃうんだけど、寝台列車で旅をした時は、線路自体が割とそういうスポットなので、寝台列車でまさに就寝中、そういうスポットをひっきりなしに通過するので、ひっきりなしに金縛りにあいました。そういう場所をすぎると解除され、そういう場所に来ると金縛りになる、あんなに忙しい夜は初めて。怖い、というより、疲れた。なので、敏感な人は寝台列車に乗るのであれば宝石で身を守ることを強く推奨したい。

話を戻そう。

そんな金縛りのセミプロである私が、よりによってシャーロック・ホームズを読みながら寝落ちをしてしまった。シャーロック・ホームズのせいである感を出してみたけど、体勢の問題であって内容が問題ではありません。すみません。本を読みながらの寝落ちも打率が高めなのです。

今回は宇宙人か分からないけど、怖い感じの何かが部屋に入ってくるパターン①の方で、やな感じだけれど、もはや金縛りに慣れすぎて飽きているので早くこれ解除できないかな、という方向に意識が向く。どうせ入ってくる人(宇宙人?)も実在しないただの夢なんでしょ、といった悟り具合。もしそれが本当は実在する宇宙人だったとしたら、私のこの思いを知ったらこう言ったに違いない、「存在の耐えられない軽さ、とはこのことか」と(読んだことないけど)。

話を戻そう。

金縛りは意図的に解除できるのか。

今回めずらしく金縛り中に、解除魔法はないのか、と知識を総動員してみました。よっぽど金縛りに飽きてるんですね。
「はい、これ夢です、実は体動きまーす」系の呪文は過去にもやったし、今回も試したけどきかなかった。ちなみに、こう言いながら都合悪い夢を都合よく書き換えることが私はできます(例:はい、今銃に撃たれた、と思ったけれど夢なので弾が通過する設定です、みたいな。夢の中で、それが夢であることを把握しすぎるキライがあります)。
が、金縛りにはあかんかった。ハリーポッターの呪文は何一つ思い出せなかった。ハリポタ修行が足りない。そんな時ふと「やっぱりここは愛じゃない?」とひらめく。名探偵コナンばりのひらめき。そして私は考えた、究極の愛の言葉を。

ひねり出したそれは「ありがとう」。

金縛り中に「ありがとう」を連呼するわたし。ちょっと怖い。自分でも引く。

でも!!!!!金縛りは外れたのです!
やったー!と思ったら誰かが手を握ってくれた気がするけど、それはちょっと怖いからなかったことにしよう。

次に金縛りにあったら、積極的に「ありがとう」を唱え、この呪文の強力さについて検証していきたいと思う。今のところ成功事例は1回であることを申し添えておく。

映画『ステキな金縛り』

ところで、人生でこんなに金縛りという言葉を使うことはあまりないし、そんな人もあまりいないのではないだろうか、というくらい、この1時間で金縛りという言葉をたくさん使った。ひょっとすると、大好きな三谷幸喜さんの映画『ステキな金縛り』に出演した役者さんたちばりに使ったのではないか、というナゾにうれしい気持ちと、そういえば、『ステキな金縛り』って誰か金縛りにあうんだっけ、という新たな疑問がわいたので(自分の記憶力にも疑問がわくが)、今度「映画『ステキな金縛り』ではだれが金縛りにあうのか」について研究したいと思います。

追伸 「金縛り」に関連する画像って何!?

note初心者なので、noteの使い方のページを色々と見ている。そうすると
 ●見出し画像はあった方がいい
 ●見出し画像は内容を関連するものがいい
というごもっともなアドバイスを目にするのですが、「金縛り」に関連する画像って何!?他のキャッチーなキーワードって骨折と鼻血だけど、どっちも経験ないって言ってるじゃん!ということで見出し画像に頭を悩ませること5分。

初体験のローマ、ではないけれど、イタリアつながりで、フィレンツェのドゥオモの天井画『最後の審判』にしてみました。金縛りのパターン2、魔界的なところに引き込まれるへのオマージュということで(右下に地獄も描かれているので)。

スー

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