JICA海外協力隊・二本松訓練所生活のよもやま話
JICA海外協力隊2022年2次隊の訓練が始まっていつの間にか2週間が経過したらしい。早すぎるな???
自分では慣れてしまって気づかなかったけれど、下界の皆様には信じられないようなことがたくさん起きていると思う。その生活の模様を紹介したい。協力隊って全員そんなことやってるん!?と、笑いながら見てもらえると幸いである。
▶︎生活リズムについて
私のとある平日の一日を切り取って紹介してみよう。
いろんなことができる時間が細かく決まっているので、なかなか縛られている印象。平日の自由時間はみんなそれぞれに勉強している。なんせ語学の宿題がたんまりと出る。私も毎日宿題やらプレゼンやらテストの準備に追われている。
朝の会
面白いのは「朝の会」かなあと思う。その日の連絡事項を伝えるだけではなく、訓練生が行く国の国旗掲揚(その国の国家を流しながら)があり、その時間は、その国に敬意を持って全員で気をつけの姿勢で聞かねばならない。
日本だと国旗を掲げる行為に宗教性がある気がしてしまって、「国旗掲揚があるよ」というとギョッとされる方もいるかもしれない。だが、ここでは各国で国旗が重要視されていることを念頭に置いて、「国旗に敬意を払う」という練習をするという目的だそう。割と健全だなあと思う。
今回、10カ国の訓練生がいて、10カ国の国旗が掲げられる。そのとき、その国に行く人がそれぞれの国旗の紹介をしてくれるのも面白い。みなさんもうすでに、任国への愛を感じる。素敵。
ちなみに、ちょっと前までは朝6時半にグラウンドをちょっと走ってからラジオ体操をしていたんだそうな。
今はどういう理由か、廃止されている。
もはやそれくらいやればいいのに!と思わんこともない。
▶︎住環境について
これはたくさん書ける。びっくり案件がたくさん!笑
老若男女が同じフロア、男女交互に配置
元々聞いていたので私は戸惑いもなかったけれど、こんな環境で生活するのは初めて、という人もいそう。そういった人には思わぬストレスがかかるかもしれない。シニアと若者が、男女が、同じ空間に居室があるという不思議。ある種、異文化理解が進む空間である。壁も薄いし。
筑波大の宿舎にそっくりな件
いやこれは、筑波の後輩がいたので確認したけれど、本当に似ている。ここは平砂と言っても過言でない。宿舎の様子だけではなく、食堂やお風呂の作り、講堂といった設備もそっくりな場所が思いつく。
国立の施設ってだけでこんなに似るかな??という驚き。もはや懐かしいが勝つ。
講義内容も、半分くらいは開発学や異文化理解、文化人類学など、学部時代に学んだことを繰り返している感じがする。(残りの半分は安全講習や感染症について教わるオリエンテーションなど)
また、共同生活の感じも、大学時代に戻ったようで面白い。1年生のときこんな感じだったなあ〜という懐かしさ。あれからもう10年経つってマジですか???
冷房がない件
7月末から始まった訓練。とにかく居室が暑い。かろうじてミニサイズの扇風機が与えられている。せめて普通サイズをいただけないものだろうか。
よくよく聞くと、少なくともここ数年は真夏には訓練は行っていなかったらしい。今はコロナで一度に収容できる訓練生の数が少ないので、夏にも行わざるを得ないとのこと。
だいたい夜は涼しいのでどうにかなっているが、2.3日熱帯夜みたいな日があった。寝れねえ〜!どんなところでも寝られる私がミニ扇風機を体に直に当ててやっとうとうとできたレベル。
今までまあまあひどい環境で寝泊まりしてきた自信があるけれど、暑いのってしんどいんだなあという改めての発見。それか私がただ歳をとったせいか。アラサーを感じる今日この頃。
ちなみに、お盆を越えれば涼しくなるらしい。さすが、福島の山!
壁が薄い、まーぁ薄い
コロナのため一部屋飛ばしで配置されているのでまだマシだが、ろう下の外の音はめちゃめちゃ聞こえる。談話室で誰かが話していると、下手すると内容までだいたい聞こえる気がする。
ということは、部屋の中で話していることは外に筒抜けの可能性があるということである。まあ、ここはプライバシーもへったくれもないのである。それが訓練所。しょうがない。ちなみにいろんな風の噂も光の速度で広まる。
▶︎週に一度のワクチン接種
一度に普通は1~2本ずつ、途上国で流行っている病気に関してワクチンを打っていく。
別の腕に打ってもらえるのかと思いきや、同じ腕に上下にずらして打たれる。モルモットのようにどんどこ打っては次の人、と順番が回ってくる。お医者さんもスピーディである。
ちなみに1度目はなんかびっくりするほど痛かった...A型肝炎かB型肝炎か、めちゃめちゃに痛かった...
それぞれ打つワクチンの種類は毎日違うので、効果や副反応に関して掲示を読み、各々同意の紙を書かされる。
昨日は1回に3本(別の種類のワクチン)という猛者もいたらしい。それは流石にタフすぎて笑った。1日3本接種が可能っていうことがもはや面白いのよ。
▶︎電波が弱い、それはもう弱い
講堂という、我々が全員で同じ講義を受けるときに使う場所がある。
そこはもう間違いないなく圏外である(au)。
居室も、基本的に1.2本しか立っていない。下界に降りるとインスタをサクサク更新できて感動する。
Wi-Fiはあるものの、基本的に弱い。同じ場所に人が多いと(体感的には30人を超えると)まあまあ弱くなってラインの更新さえ難しくなる。ここは本当に日本か??という気持ちになる。
ちなみに面白いのは、ラインの通話は全くといっていいほどできないのにZoomはできること。謎である。
▶︎熊が出る世界
ツキノワグマが結構普通に出るのだ!なんというこっちゃ。ゴールデンカムイの読みすぎで、クマはまじで怖い。7月後半だけで2回目撃されているとのこと。
襲われたケースもあるということで、絶対に会いたくない。ジンバブエに行く前にクマに襲われて派遣中止、というのはぜひとも避けたい。話題が強すぎる。
熊鈴を一人ひとつ渡されていて、出かける時には必ず持って出るように言われている。これがまた結構チリンチリンといい音がする。風鈴を持っているようだと思えばいいかもしれないが、複数人で歩いていると会話がしづらいくらいにはうるさい。
▶︎コンビニまでは徒歩20~30分の山下り
山をてくてく下ってコンビニに行く。電動自転車は用意されているものの、使うにはかなり申請が面倒だし、坂が急すぎて危ないということを何度も何度も注意されるので、今のところ使う気はない。
ちなみに、コンビニがあるエリアは「岳(だけ)温泉」というちょっとした温泉街になっている。ここにいると、岳温泉以下を下界と呼ぶ。そして、二本松市街地まではバスで30分程度だが、そこは皆「街」と呼んでいる。
▶︎語学の棟には「Speak Target Language!」という文字
語学訓練が1日5時間もある。私は英語だが、訓練生たちはそれぞれ、フランス語、クメール語、アラビア語、エジプトアラビア語、ベトナム語、インドネシア語、マレー語を学んでいる。クラスの人数は1~3人に対して先生が1人で、マンツーマンで5時間教わっている人もいるということになる。冷静にすごいな?
基本的には語学棟では習っている語学を話すことになっている。休み時間であっても、みんな頑張ってその言語で話している印象。語学が異なる人と話すときは何となく日本語で話してしまっているが、それは仕方ないことだろう。
わたしも休み時間にフランス語の教室にお邪魔して、ちょこっとだけフランス語を練習させてもらっていたりする。個人的には英語だけだと飽きそうなのでとても嬉しい。
▶︎居室の鍵を閉めていないと怒られる
途上国では安全対策を自分できちんとすることがリスク回避につながる。鍵を閉めないで部屋を出るなんてもってのほかである。
そのため、訓練所でもきちんと授業中や在室時に、鍵やカーテンを閉めることを求められる。良い練習である。
閉めているか、ときどきスタッフの人がチェックに入るんだそうである。こわやこわや!
あと5週間!
数えていなかったけれど、あと5週間もあるらしい!びっくり〜!思ったよりある(笑)
基本的に訓練自体は楽しめている方だと思う。けれど知らない人との共同生活も含め、ストレスは間違いなくかかっているなぁと感じる今日この頃。他の訓練生たちも疲れが見えてきたような気がする。
根を詰めすぎず、自分のペースで、ときにわがままに、ちゃんと息抜きもしながら、あと5週間を有意義に過ごしていきたいなぁと思っている。
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