見出し画像

ほんものにふれられるー安宅コレクション

安宅コレクションが都内でみられると知って最終日の午前中に都内の美術館に出かけた。
泉屋博古館東京はこじんまり小さな美術館で、場所は六本木一丁目駅から数分。以前つとめていた勤務先の裏手にある。

コレクションのある東洋陶磁美術館はリニューアル中。東洋陶磁美術館の存在を知ったのは15年以上前だったと思う。陶芸をならいはじめたころに「ここには行っておきなさいよ」と言われた。当時は企画展をみにわざわざ大阪まで足を伸ばすなど考えられなかった。実際に出かけたのは6年前だったと思う。

昭和50年、安宅産業が経営破綻でコレクションが散逸してしまうかもしれない、という時に速水御舟のコレクションは山種美術館に、そして多くは大阪を拠点とする当時の住友グループが資金援助して大阪市に寄贈したのだそうだ。自社のコレクションにせずに大阪市に寄贈する。企業であれば自社美術館を持ちたいのでは。昨年オープンした大阪市立中之島美術館も寄贈コレクションが多いと聞いて、日本にパトロンという言葉はあまり馴染まないけれど、企業版パトロンのようなものなのかもしれない。そのはからいでいまもこうして鑑賞することができる。

「安宅コレクション名品選101」特別展は、重文11件、国宝2件の選りすぐりの101件だった。なんで101なのか。100に絞りきれなかった?
美しい作品ばかりが集まっていた。形、色、装飾、美しくてため息がでる。
展示作品へ説明の文章はほとんど不要なのではと思えた。

資生堂の名誉会長の福原義春さんが「本物とは、"ある種のインパクトを持って、見ている人間に刺激を与えるもの" だと私は思う。見分ける感性が人間には必要なのだ。豊かな感性がそなわれば、本物かどうかがわかるようになる。逆にいうと、たくさんの本物に触れることによって、感性が磨かれていく」と著書の中でおっしゃっていた。 

磨かれたかなぁ。。。多少でも磨かれるといいのだけれど。。


ほんものにふれることができて
とてもしあわせな朝でした。

どの作品も撮影OK。大盤振る舞いでした。ガラス越しの写真で本物が伝わるかわからないけれど…備忘に残します。 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?