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夜10時まで働いていた母はなぜ家事をしていたのか

小学生のとき、両親が共働きでした。

いま思うと両親とも結構めちゃくちゃな働き方をしていました。

夜10時くらいまで帰ってこないこともそれなりにあって、コンビニごはんを買ってきてもらうことも多かったです。(最近のコンビニはおいしくなったね、と両親はよく言っていました)

それで私は簡単な家事を手伝っていました。

お洗濯とか、お風呂洗いとか、洗い物とか。

でもたまに、宿題が多かったり、部活で疲れてしまったときに、どうしてもサボってしまうんです。

そういうときに母に家事をやらせてしまうことがあって。

母が一生懸命働いていることは子どもなりにわかっていたので、申し訳ない気持ちでした。

それで、あるときに母に謝ったことがあったんです。

そうしたら母は、

「家事はそんなに嫌いじゃないから大丈夫だよ」

と言っていました。

当時の私は「そんなわけないじゃん!」と思いました。

大人の仕事がどんなものかは知らないけれど、夜遅くに疲れて帰ってきて、朝はすごく眠そうにしながらも私に朝ごはんをつくってくれる。

そんな中で家事をしなきゃいけないなんて、大変に決まっていると思いました。

でも、いまの私は母の気持ちが少しわかる気がするんです。

洗い物はマインドフルネス

いま私には子どもがいないので、当時の母の大変さがそのままわかるわけではありません。当時の母のほうがずっと大変だったと思います。

ただ「家事はそんなに嫌いじゃない」という気持ちはわかる気がします。何ならちょっとしたストレス発散になる、くらいに思っています。

特に食器の洗い物は、いいストレス発散です。

単純作業だからあまり考えなくてよくて、一つずつやっていけば絶対に片付く。そして片付いた後にシンクがキレイになるのは、何とも言えない爽快感がある。

仕事が忙しくて切羽詰まっているときでも、むしろサボらずにやったほうが、気持ちが安定する気がします。

家事に集中するって、なんかマインドフルネスだなぁと思っていて。

もちろん家事がストレスになってしまう人は無理にやる必要はないです。ハウスキーパーさんに頼むとか、いろんなやり方があります。自分にとっていちばん負担の少ない方法を選ぶのがいいと思います。

ただ私にとっては、簡単な家事をやる時間って、自分の心と生活を整えている時間でもある気がするんです。

だからすごく忙しかった母も、もしかしたら家事をやることで自分のペースを保っていたんじゃないかな。いまになって、その気持ちが少しだけわかる気がします。

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