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aikoに学ぶ大人の恋愛必勝テク

2020年になってもaikoばかり聞いている。

もはやずっとaikoを聞いている。
2019年も、2018年も、2010年も、ずっとaikoを聞いている。子供がアンパンマンの同じ話を繰り返し見るのと同じくらい勢いでaikoばかり聞いている。

そんなaikoを愛してやまない私であるが、先日ちょっと頭を悩ませる質問をされた。

「飲みに行ったらaikoが隣にいて、好意を持たれて口説かれたらどうする?」

なんと…、なんと、畏れ多い質問だろうか!

aikoが日高屋でくたびれて餃子でビールをやっている私の隣にたまたま座るのだ!

そして、aikoが「このしょぼくれた肉体労働者のおっさん、好きかもしれへん」と思うのだ!!

それだけでは飽き足らずaikoが「こんな騒がしいところ二人で抜け出さない?」と言うだ!!!


「ありえない」ことが二乗三乗になっていて頭がおかしくなりそうだ。

この質問に対して私は「断るよ」と答えた。なぜならaikoは異性とか性的対象とかそういう次元を超越した存在だからだ。もはや空気や水のような存在だ(?)。

しかし、そう答えたあとに、ふと思った。
断りきれるだろうか…。自分は、好意を持ったaikoの誘いを断れきれるだろうか。

憧れを愛に変えようするときのaikoは本当にすごいのだ。

何がどうすごいのか、ここでaikoの「ココア」という楽曲を引いてaikoの恋愛テクニックの凄さを紹介したい。


そしてaikoはココアを出す

ココアは禁断の恋を歌った曲だ。それはサビを見れば一目でわかる。

内緒でキスしよう 分かってるね
後戻りはできないよ 絶対秘密よ

このように禁断に対して明確に一歩踏み出している。

余談だが、aikoの楽曲ではこのような展開は珍しい。禁断になりそうな一歩手前や、曖昧な関係性がよく歌われている(「距離」とか「17の月」とか「気付かれないように」とか)。

恋愛において禁断の関係性を結ぶとき、内心は異様にドキドキしていたり、通常ではありえない高揚状態に置かれるのではないだろうか。
もはや禁断の関係でなくても、はじめてキスをするときは通常の精神状態ではいられない人も多いだろう。

しかし、ここがaikoの凄いところだ。aikoはどうするのか、ココアを出すのだ。

ここでまた歌詞を紹介したい。

「うまくやっていこう」右へ左へ
繋いだこの手 力入る

2人が禁断の関係性に踏み込まんとするまさに直前。「あたし」の手にも自然と力が入っている。それは「あなた」も同様で、二人の緊張が伝わってくる。

ここまでは一般的な反応だろう。誰だって秘密を作る前は多少は緊張するだろう。

しかし、ここで突如として飛び出すのがココアだ。

こんな夜には 暖かい
ココアに二人包まれて

2人だけの秘密の時間。特殊な緊張感。そしてこれから踏み込む禁断の関係性。

その時に「あたし」は言うのだ。
「ちょっとココアでも飲まない?」

ココアだ! ココア!! 皆さん出せますか、ここでココアを!?


秘密よりもココアを

高まる緊張感、一線を超える予感。その糸がギリギリにまで張りつめたその瞬間。突如提案されるココアタイム。

野球の名選手、川上哲治氏は現役時代に「ボールが止まって見える」という逸話を残している。超越した能力ゆえの一般人にはわからない領域だ。

恋愛におけるaikoも同様だ。aikoの超越した恋愛能力が、常人が一生かけてもたどり着けないであろう神の一手を恋愛に刻み込むのだ。

なぜ「あたし」はココアを出すのか。最初に紹介したサビは1番のものだったが、2番ではこのように変化している。ちょっと比較してみてほしい。

2人のキスしよう きつく抱いて
後戻りはさせないよ そして秘密よ

ここで「あたし」に芽生えているのは主体性だ。ココアを挟むことでより主体的に関係性を結ぼうという意識が芽生えている。

この理由はなぜか。ひとつの解釈として、こう考えることができるのではないだろうか。

「あたし」にとって、秘密の関係を結ぶ禁断の高揚よりも、二人でココアを飲む時間の方が「あなた」をより大切に感じられるようになる時間であると。

2人でココアを飲んだ後の「あたし」はもう止まらない。

止まらないでいて つかまえていて
ずっとずっと
指を絡ませて 心つなげて 深く深く

内緒でキスするのもいいだろう、秘密を作って二人で独特の緊張感を味わうのも楽しいかもしれない。

しかし、ココアだ。ココアのような時間なのだ。
もしも、恋を愛を上手くやっていこうと考えるならば、ちょっと一息ついてaiko的行動、ココア的行動をしてみると案外上手くいくかもしれない。

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