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ツールドおきなわ 市民200km とご報告

ツールドおきなわ
市民200km
25位、山岳賞



機材、レポート、感想など色々含めて書きます。
言い訳もお気持ち表明も感情の備忘も含めて。
鮮度の良いうちに。

最後にご報告も。

【機材】
フレーム:Giant Propel SL
ホイール:Cadex Ultra50
タイヤ:ミシュラン パワーカップTLR 25c(F:4.05、R:4.15)
コンポ:Dura Ace 9170
去年の仕様からホイールのみ変更
Roval Alpinist CLX →Cadex Ultra50
プリンストンのOEM先のFarからwaveリムのホイールを買っていたけど、Cadexの方が色々とデータが良かったのでCadexで。


【ウェアなど】
ヘルメット:OGK Aero R1
ジャージ:Sunvolt セパレートワンピース
雨具:カステリ perfecto
インナー:イオン meshインナー
    +ビニール袋を胸から腹にかけてジャージとインナーの間に挟んで冷え対策
ソックス:RxLソックス
どうせ浸水するのでvelotozeはなし
イナーメのAll seasonアップオイルの上からレインジェルを腕、脚、腰に。
雨の14℃の群馬で走り切った仕様を基本にして、外部から冷やさない事を念頭に。
カステリperfettoは説明不要。
アームとレッグは吸水して冷えが続くから使わないでレインジェルで撥水。
インナーもスリーブレスのメッシュのやつでなるべく体幹部分は濡れたジャージと身体の密着を避ける。コスパ的にイオンは神。

【作戦/目標】
前待ちで絞られた集団に合流。
そこから行けるところまで。
現実的に去年と同じくらいの順位だったら万歳くらい。
10月以降の仕事と自転車の兼ね合いでやりきれなかった事、やれた事、今までの積み上げで可能性の高そうな行動をする事だけ。
北野は調子良いって言ってたので、終盤で手伝えるとこはアシストで使ってくれって言っておいた。

【レース】
○前半
事前にmkw周辺、チャリダーの伊織さんあたりと話して最初から行けるなら10人くらいで行きたいと相談してた。
北風が爆風だから人数は欲しい。
前待ちしたい意図で。

リアルスタートはシードなので最前で。先導のCOM車ベタ付。
アクチュアルスタートでエンシェアの嶋田くんがもがいて行く。
伊織さんもガチもがき。
他の人も繋がって行って、棒状、ふとしたタイミングで3人くらいでぷっつり。
3人は辛いのでお見送り。

そこそこ早めのペースで本部半島を周る。
去年はUCIで走った樹が市民は本部半島めっちゃ速いですね、と言っていた。
優勝候補筆頭で調子がめっちゃ良さそうな高岡さんが先頭にいる時間も多く、はやり調子がよさそう、そして雨だから冷えない様にしているのかな、と思いながら危なげなく進んで行く。
自分も冷えすぎないように、名護に戻って北上の交差点の辺りで少し踏んで前に10人弱で抜け出す。行くならギャップ作りに行っても良いし、回収されても良いくらいの気持ちで1回目の登り前に心拍あげて冷え切らない様に。
動画を見たら荒瀧と北野が踏んで回収されていた。イナーメよ。

その後はトイレ(1回はいつものところ、なぜか死神の尿意がオクマの先で来てしまい、ダムの登り1個手前のトンネル直前でもう1回)など淡々とこなしてダムの登りへ
2回目のトイレがギリで前の方で登りに入るのにちょっぴり頑張って踏み、間を縫って上がって30番手くらいで突入。ヒヤッとした。

○中盤
1回目のダムの登り。
いつも通りと言えばいつも通り。
逃げ3人とは4分30秒とか言っていたような。
前半は比較的まったり。
後半に真鍋さんや久保田さんのEMU2人の引きが良いペースで強かった。
KOMのところでは10番手くらいで通過して補給場所への下りへ。
1回目から削り合いを覚悟していたので良かったと言えば良かったけど、2回目のカチ上げが怖くなった。
下りはいつもよりもマージンを取って安全に。各選手の下りたいスピードに差がある感じだった。
直線で抜ける時は抜いたり、逆に抜かれたりもありで6人ぐらいで集団と差が出来た。
森本さん、北野、牧野、荒瀧、高杉、樹、札幌の平口さん
イナーメ+平口さん。
平口さんに来年イナーメ来たら?って冗談言って後を待つくらい余裕を持って2人分の補給をワイフから受け取れた。
サンキューワイフ。
北野にもゆっくり補給を渡してアシスト1回目。
(なお今年はアシスト2回目はなし)

左折くらいで後ろも合流して集団は再度1つに。
ここから1度緩くなるのは確実なので、プランBの追走を狙う。
何度か細かい抜け出し、回収があり、その後に内房の古谷さんが一人で抜けてく。
その後にashiviva普久原さんがするっと抜け出したのでブリッジ。2人で踏んでギャップを作って行くと、去年も同じ辺りから追走をメイクしていた中鶴さんも合流。
経験値、脚も信頼できるのでペースメイク任せて脚を温存しつつ逃げを追って行く。
程なく札幌の平口さんも。
モトに前と後のギャップを聞いても曖昧で安定しない。
奥登り始めで荒瀧が合流。去年は荒瀧もこの辺りから高岡さんと行っていたし、同じイナーメの仲間なので心強い。
集団では奥で北野から発射された牧野が頂上を少し過ぎた辺りで単独合流。
この動きで牧野はめっちゃ調子良いんじゃないかと思った。
十分すぎる追走が完成し、辺戸から2回目のダムの残りをこなして行く。
途中で小林さんも来て、かなり踏める人が来たと思いながら南下。
追い風最高。
北野とレース後に話したら集団はあまり踏んでなかったらしく、ここで良いギャップが作れてたんだと思う。
途中で古谷さんも回収。
前とは1分30秒と聞きながら登りへ。

2回目のダムは平口さん、牧野あたりがペースを作ってくれて淡々と、少し上げ下げがあってキツいけどペースで走り離れては埋めの繰り返しで結局、平口さん、牧野、小林さん、荒瀧の5人で。
途中で逃げ3人を回収して先頭に。
KOMは「この追走作ったもとの3人で残ってんの俺だけだからKOMちょうだい」とか謎理論の交渉をかましつつ、最後はそれなりに結構もがいて(笑)山岳賞を頂戴できた。想い出づくり。ありがとうございました。
登りは牧野が強くて、やりたい事同じな雰囲気。
下りは5人のスピードも合い、纏まって補給所まで。ここで雨具のperfettoを脱ぐ。天気予報的にここで脱ぐと決めていた。
補給では直前にワイフに「北野の要らない!」って言ったら、速攻でサコッシュから北野のボトル除いて俺のだけで渡してくれた。元々中継で6人追走の情報から俺が入ってる可能性も考慮、からの臨機応変な補給の対応も出来てワイフのロードレーススタッフIQがかなりやばい。サンキューワイフ。
その後の北野への補給も成功したらしく、それもすごい。
坂は無難に下って学校坂へ。
後ろとのギャップは聞いても教えてくれず、
「ちょっと後ろ、かなり人数が絞られてる!」くらいしか聞こえて来なかった。
そして集団が崩壊したと聞いた学校坂へ前待ちは大成功で突入。

○終盤
学校坂の入りで「5人で行けるとこまで行って前待ち!」と意思統一。
牧野も声を出して積極的にまとめてくれる。
俺が最初はペースを作って登っていき、途中で変わると少しペースが上がる。
登りきり1分30秒前くらいにモトが来て

「マグロがカチあげ、集団崩壊、すごいペースでくるぞ!」
(原文そのままです)

で我々は牧野、平口さん、小林さんの3人がペースアップ、荒瀧、高杉の2人はそのままのペースで割れる。5mくらい。
登りきり30秒前くらいにマジで井上さんが意味不明なペースでかっ飛んでくる。
城所のみ井上さんの番手にいる。
その後ろは集団か?という感じで視認。
荒瀧はそのまま井上さんと一緒に前にジョイント。
俺は登りきりで集団にジョイントして、5人対集団の構図で微妙な下りへ。
集団もここで前を行かすとレースが終了するから絶対繋がると思って後ろに着いていく。
1個目の登り返しくらいで井上さん達を回収して絞られた先頭集団が形成。
25人弱。
地獄の始まり。
井上さんがひたすら強く、そしてローテも回ってと気を吐く。
ちょっと落ち着いて周りを見ると、高岡さん、兼松さん、田崎さん、北野、しゅんすけ、南さんなど有力勢の半分くらいはもういない。
このまま行けばこれで勝ち集団、追いつかれたら不確定要が増えて、わからない事になる。
回れって言うのは100%同意。
だがこっち(というか俺)は追走して逃げてて回収されて坂の度にペース上げられ、本気で辛かった。
「逃げてたんだから(俺は)マジで無理!5分だけ休ませて下さい」ちょうどジョイントのタイミングで井上さんの番手に入りかけて、マジで叫んでしまった。
次の坂で井上さんはペースをあげて、一人で単独先行を開始。
集団はお見合い。みるみるうちにギャップが広がって行き、集団も追う人、止まる人が混在で5人-数秒-20人みたいに割れる場面も。
去年の高岡さんが行ってしまった様なシチュエーション。
でも違うのはその時の体力の残。
あっという間に見えなくなった。
マジで化け物かと思いました。

ここでTTGミトロング(元イナーメ)の原田が集団をまとめ、自分も脚をしっかり使って、井上さんを回収しに行く動きあり、意思はしっかり生まれた。全然回れず申し訳無かった。
原田はめっちゃ強かった。(打ち上げで「育休レーシング」って聞いた。それで仕上げてくるの流石。)
回るのは20人弱いても4-5人。
結果として回って上位の人、回って切れた人、回ってないけど上位の人、色々いるけどそれがロードレース。

宮城を過ぎた辺りで井上さんを集団に戻すことは出来たけど、明らかに脚が違う。
走ってる雰囲気、気迫が周りと全然違うのを感じてた。
東村の平坦で岩島さんと西谷が抜け出したけど見送り、又吉コーヒーの坂は上がるかと思ったけどかからず。皆ある程度の疲労は有るのかと少し安心した。
慶佐次の補給所も補給アタックの様な激烈なペースアップもなく耐え忍ぶ。
自分の脚は限界直前なのは良くわかってて、
中盤以降の追走、逃げは成功したけど、後はどこまでか耐えれるか、という感じ。
そして有銘。
登り開始から上がる。ものの45秒で前が離れて行く。
岩島さん、久保田さんと3人になってしまい、前をみるとパラパラ?な様相。
荒瀧、白いジャージ(きょうしろうだった)が前に見える。少しの差が追いつかないで離れて行く。
後で聞くと、有銘が勝ち逃げの決定打でここで前4人が決まったと。
そしてその後ろは10人くらいだったと。
この3分が耐えれればと思ったけど、自分から1回目の登りの後で動いた結果の山岳賞、有銘まで来れたと思うのでこれはしょうがない。

後は淡々と羽地まで回して(なるべく頑張って結構踏んだ)、荒瀧と合流して羽地の登りへ。
久保田さん、岩島さんはしっかり踏めていて先行して行った。
自分はもうヘロヘロで目もチカチカしてしまい(後半のやり合い、追走で補給ミスもあり恥ずかしい...)チンタラペースになってしまった。5人くらいに抜かれてなんとかゴールへ。
結果25位。
メイン集団で着いて行く動きではなく、自分で展開を作った上で19位までの集団(最後の勝負を決める1個前)に残ったのは良かったけど、そこまでだった。
牧野はそこからちゃんとやれていたので本当に強いと思った。流石だ。
荒瀧は羽地の途中まで付き合ってくれてありがとう。


【所感(だいぶ言い訳)とか】
2月末のJPT開幕から11月上旬おきなわまで21試合。
今年は今までの競技人生の中で一番試合に出ました。
強い北野のために走るのが本当に楽しくて、なるべく仕事の都合がつく限りJPT、JCLなどを転戦し、個人でもTOP10に入ったり、アシストの仕事をこなし(自己満。出来てたかは...)ながら20位前後でフィニッシュが定位置となり、年間安定して80-90%、春先は100%に近い力、パフォーマンスでチームに貢献出来たと思う。
その連戦の疲れ、ピーキングの難しさも秋には目に見える結果で出てきて(リザルト、Garminのデータ)、本業の出張などもあり、本当におきなわ前の2週間は会う人に早くロードやめたい、おきなわは200kmサイクリングとか、自信もク○もない、とかしか言って無かったと思います。
愚痴聞いてくれてありがとう。すみませんでした。
そんな中でも練習自体はリアル、zwift含め、練習仲間のおかげで、その時のベストができる様にやってきたつもりではありました。
本当にありがとうございました。

なるべくSNSはポジティブにしてたんだけど、リアルではもう酷かったなあと思う。

沖縄で優勝目指すなんて口が裂けても言えない感じでそんなスタンスの人間が勝ち逃げ集団にいるのもどうかとも振り返ると思います。
年間通したイナーメの活動は最大限に楽しめたし、貢献も出来たと思う。
でもおきなわに備えて、そこに集中して来た人の練習を見たり、話を聞くと、自分のおきなわに対する意識はリザルトの順位そのものだったと思う。
ホビーレースなので楽しければそれで良いとも思うけど、トップ10やそれ以上を目指すにはメンタリティが違うなと強く感じています。
次にやる時はまずそこの整理から。


優勝した井上さんは本当に強く、その強さはもう表現できる様なものではなく、試合中は絶望しか無かったです。
想像もできない様な努力、おきなわへの想いがあったのだと思います。
全てが尊敬でしかありません。本当におめでとうございます。

また最後の有銘までの集団にいた全員が本当に強くて、結果として井上さんの力にやられてるとは思うのですが、そこに至る過程でロードレースのゲーム性を感じながら、厳しく、辛く、しかしとんでもなく楽しいレースをさせてもらったと思います。
ありがとうございました。

来年もやりたいなあとは思うのですが、
前週に松野四万十バイクレースというMTBのマラソンレースがあり、そっちチャレンジしてみたいという思いもあります。
しっかり考えて参加は考えようと思います。


【ご報告】
今回のおきなわでイナーメのジャージを着て試合をするのは最後でした。
色々な方から 高杉≡イナーメ のイメージで話してもらう事も多く、またチームメイトからも最近は精神的に引っ張って貰ってたのに残念、とも言ってもらい、本当に幸せにイナーメでのレース活動が出来ました。
イナーメに若い力が増えてきたこと、
よりシビアに自分を高められると思うチームで走りたいこと、
チームメイトとして一緒に走りたい選手がいること
などなど理由は色々あるんですが、選手としてまだやれると思っているうちに、そしてキャリアの終盤として少し我儘を聞いてもらう事に相成りました。
今後はまたご報告したいと思います。
自転車はまだまだ続きます。応援よろしくお願いします。
※公式のレース(JPTとか)はイナーメから移籍、イナーメはクラブ員・飲み会要因(スタメン)として在籍はします。


今年は後は1レース
12/3に行われる八王子、尾根幹周辺の公道を使った
The Road Race TOKYO Tama
のエリートレースに出場予定です。
東京近辺の方は是非観戦、応援頂けたら嬉しいです。



最後になりますが、おきなわの全ての参加者の方、運営の皆様、チームメイト、練習仲間、自転車の友達、サポート頂いた方、スポンサーして頂いている企業の方に感謝とリスペクトを。

本当にありがとうございました。

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