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「夢中」の終わり。そしてこれから:ゆきりん卒業コンサート

 2024年3月23日、17年間AKB48に在籍し、長い間、柱であり続けたゆきりんこと柏木由紀の卒業コンサートです。私もチケットを確保し、見に行くことができました。

 心を打つコンサートでした。

 しっとりと聴かせる一曲目の「火山灰」のあと、少し間があってから、ゆきりんの短い言葉にかぶせるようにピアノの美しいイントロが。「ポニーテールにシュシュ」です。この時ゆきりんが何を言ったのか、はっきりとは覚えていません。ただ、その言葉とピアノの組み合わせが心の奥底響き、涙がこみ上げてきました。
 「ポニーテールとシュシュ」の歌い出しは、ピアノを聴きながらペンライト振って、前奏が始まると「ハイ!ハイ!~」と叫び、すぐにMIXを2本続けて打ち、そこから歌唱が始まっていく、たいへん盛り上がる流れです。
 涙ぐみながら迎えたこの日の「ポニーテールとシュシュ」、決して忘れません。これからこの曲を聴くたびに、このコンサートを思い出すでしょう。それくらい強いインパクトを持った最初の流れでした。

 実は昨日、私は3回泣きました。2回目はゆきりんの代表曲の「てもでもの涙」。AKBのコンサートは、最初の何曲かが全員で歌う曲、それから「ユニット曲」と呼ばれる少数のメンバーが交互に歌うセッションになります。
 「てもでもの涙」はユニット曲になります。このユニット曲のセッションでもゆきりんはずっと出演していましたが、着替えの時間を確保するためでしょう。インストゥルメンタルのBGMに合わせてのダンスなどの時間が何回か取られていました。
 その時間が少し長めに続いたあと、「てもでもの涙」のイントロが。
 この曲も大好きな曲なので、ここでもまた涙ぐんでしまいました。
 「どんなに会いたくても、どんなに好きでも」の歌唱に合わせてペンライトをゆっくり縦に振り上げるのがいいんですよね、この曲は。
 これは2人で歌う曲ですが、パートナーはOGの宮澤佐江。



 AKBの古参メンバーの卒業コンサートのお約束は、卒業したOGメンバーの登場。中でも強烈な印象が残ったのが高橋みなみでした。
 ゆきりんの収録ビデオが流れ、一休みの時間の直後に、ステージに高橋みなみの姿が。そして「AKB~フォーティエイト!」のかけ声。「RIVER」です。オリジナルメンバーのたかみなが発するかけ声に、一度緩んだ雰囲気が一気に締まります。

 たかみなさんとは、何度か「ひるおび!」でご一緒したことがあります。何度か、ほんの少しだけご挨拶もさせていただきました。最初にご一緒したとき、「AKB好きなんです」と言ったときには驚いていただきました(笑)。
 ステージ上のたかみなは、私がスタジオでご一緒したたかみなさんとはまるで別人でした。「かっこいい!」という言葉が似合う凜とした姿にただただ惹きつけられ、ずっと視線で追ってしまいました。これもまた、印象的な時間でした。
 

 3回目に泣いたのはアンコール2曲目の「初日」。1曲目が卒業に当たって作られた「最後の最後まで」で、その流れから「チームB、集合!!」とゆきりんが叫びました。これは「初日」になるとAKBのファンなら誰でもわかります。そして集まってきたのは、「初日」を最初に歌ったオリジナルメンバーだったOGたちでした。


 これも大好きな曲で、ゆきりんとの関係を考えれば、絶対やるのはわかっていた曲ですが、明らかに泣かせに来ている流れに完全に飲み込まれて、やはり涙ぐんでしまいました。

 

ゆきりんとゆいゆい
みーおんと

 ゆきりんのキャッチフレーズは「夢中にさせちゃうぞ」。「夢中」になりながら、「夢中」にさせられてきた時間が終わっていくコンサートでした。

 最後の挨拶ではこんな一節がありました。「AKB48は歴史が長い分、心ないことをいろいろ言われることもあります。そんなとき、ファンの皆さんがメンバーを支えてください」(記憶なので正確には少し違うかもしれません)と。こんな風に、これからも舞台に立ち続けるいまのメンバーだけでなく、ファンにもバトンを託して、ゆきりんは卒業していったとも言えます。
 
 心を打ち、心に残る素晴らしいコンサート、ありがとうございました。


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