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プーチンの言い分2

プーチンの言い分というか、ロシアの言い分とプーチンの言い分の追記。

今回もCotenRadioのほぼメモです。興味ある人はPodcastのCotenRadioを聴いてください。ぜひ。

よく世界史でも習った、ロシアの
「凍らない海」を目指して南下政策したがる件について

蜀の地は四方を天然の要害に囲まれた土地で他国が攻め入ることが困難で外敵の侵入から常に守りやすい土地である。

というように、防御の要として「山」「谷」「海」「湖」というのは重要。

ただ、モスクワは、北京同様に、平地の真っ只中。近くに行軍を防ぐ大河もない。北京(燕京)も万里の長城を整備したようにどうしても、辺境に壁を作ることで第一防衛線を張る必要がある。

ただモスクワには、長城がなかった。そもそも西暦1500年くらいまでは、10万人を満たない平地の村。ただ交通の要所で人は集まった。

古来モスクワは平地ですぐ攻められるので平地の先にある山や海まで防衛戦を広げたい。そこで第一次防衛線を作りたいというのが、根本的欲求にある。

なぜなら、過去何度も攻められた土地で、平地を一気に駆け上がられるからだ。

これは今も同様に脅威と感じている。特にヨーロッパ。
ヨーロッパ、EU、NATOの脅威に対処しないと、あっという間に攻められてしまうという、恐怖観念があるのがロシア、モスクワ地域の根本の感情。


実際に過去、ドイツ騎士団、ナポレオン、プロイセン、ドイツ帝国、ナチス、NATOとどんどん攻められてきた過去の歴史がある。
いじめた方は忘れるけれど、いじめを受けた方は永遠に覚えている。

なのでロシア君は考える。防衛ラインを「モスクワ」「周辺の街」「辺境の街」の三重構造にしよう。
この考え方が、ロシア共和国の周りに、「ソヴィエト同盟国」、その周りに「共産主義別民族国家」を作るという壁の作り方になっていく。

ウクライナはまさにソヴィエト同盟国になる。その名、ウクライナも元々辺境地域という感覚の言葉なのだから。

現代になってもこの外苑国家でヨーロッパとの防衛線・干渉地域となる国家を置いておきたいというのが地政学的なロシア君の根本欲求。

なぜヨーロッパを仮想敵国、異質な文化圏とみるのか?

だってこっちはキリル文字の文化、ヨーロッパのラテン文字の文化とは違う
宗教だってこっちは古代に分派したギリシャ正教がベース。宗教観や儀式、衣装もカソリックやプロテスタントとは別もの。
文字が違う、話す言葉も違う、宗教(OS)が違うとなると、そりゃ、理解的ない相手(敵国)として認定してしまうわな。

2014クリミア併合について。

文化的に。
ロシアから見ると、EU諸国と違い、ウクライナは、ほぼロシア。
言葉も宗教も多少違うとはいえ似てる部分が多い。
言語はキリル文字だし、宗教は多少カソリックの影響がある変質したギリシャ正教だけど、まぁギリシャ正教の一派だよねと。

商圏的に。
ウクライナは中世以降、モスクワ、ロシアともちつもたれつの関係。
ロシアからウクライナへ重工業を多く発注。ウクライナもロシアの天然ガスを使って開発。しかも最恵国待遇で他国より安価に天然ガスを購入できる。
ロシアもまた安価なパイプラインでEU諸国へ販売もしていた。ウクライナで作られた製品も、単独では完成できず、旧ソヴィエト各地域と部品を合わせて一つの製品となる。また販売先は旧ソヴィエト地域。その大口の発注元はロシアだ。

経済としては、人材の交流、技術の交流、協働企業や商圏に至るまで切っても切れない関係。

とはいえ、ウクライナはロシアから独立したい。
元カノ(ウクライナ)を俺が一番お前の良さを知ってると追うロシア。
そして今彼(EU)を見つけて逃げるウクライナ。

1992年、ウクライナ2代大統領のレオニードクチマの時代に
NATOにGUAM(ジョージア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバ)でみんなでNATOに入ろうという運動が起こる。旧ソ地域の国々がみんなで渡れば怖くない戦略。

交渉をしている間に、バルト三国がEUとNATOに参加することになります。

バルト三国(エストニア・ラトビア・リトアニア)はレニングラードのすぐとなり。ロシアからするとEU側の手前にある「干渉地域国家」になります。

そこがEUに加盟したことで、EUと隣接することになりロシアの地政学的、心理的な警戒感が跳ね上がります。

その後ウクライナは大統領選挙に入ります。
親ロシアの「ヤヌコービチ」VS NATO好きの「ユシシェンコ」

親ロシアのヤヌコービチをロシアが後押しして、大統領当選は当選します。

ところがこれは不正選挙だと、ウクライナは大規模な抗議運動が起こります。

ウクライナ最高裁は超法規的措置と再選挙を実施します。

結果ユシシェンコが勝利。(オレンジ革命)
その近辺、カラー革命と呼ばれる各国の民主化運動が続きます。
2003年ジョージアのバラ革命、2005年はキルギスタンでチューリップ革命と民主化革命。それぞれアメリカが支持(武器・資金)してました。

ロシアからするとNATOの仕業だ!と警戒感がまた上がり、東欧地域の経済同盟から抜けてしまいます。

この判断は、上記の様に切っても切れない経済関係のウクライナには大ダメージ。
親ロ派VS穏健派で、内閣が機能しなくなり、親EU派のユシシェンコ政権が混乱。 ユシシェンコは、改めてNATOへの加盟を打診しますが、

2008年、NATOは紛争がある国は、すぐに入れられない。とウクライナのNATO加盟は延期に。ここでEUが加盟を許可していれば、歴史が変わっていたかもでしれない。EU加盟が失敗したことで、親EU派のユシシェンコの支持率が落ち、悲しいことに2010の大統領選挙で勝ったのはロシア支援のヤヌコービチ。

当選後、早速、NATOへの参加撤廃。
クリミアの海軍基地をロシアに貸与期間の更新があったがこれを延長。
ヨーロッパ(EU)に近づこうとしたデモや活動家を機動隊で弾圧。
これは面白い祭りだと、ネオナチまがいの過激派団体がこれに便乗して大統領府などを占拠してしまう。

煽られた議会は恐怖し、ヤヌコービチ大統領の解任を議決。
ただウクライナの憲法では議会に解任権限がなく、隙ができる。
その隙にヤヌコービチ大統領はクリミア経由でロシアに逃亡。

これが2014年。このウクライナの権力空白期間は本来報道されるべきことだが、ちょうどロシアでソチ五輪が行われており、マスコミ報道も落ち着き大事にならない。

ウクライナは政治空白ができたことで、クリミア地域に自治政府ができる。そのクリミア地域に覆面の兵士たち現れ占拠、その正体不明だがロシアは自国の兵ではないと否定。(実質はロシアの特殊部隊といわれる)
覆面兵の軍団に、本来は国として防衛権の発動が行われるべきだが、ウクライナが政治空白で判断が出来ない。
またクリミア軍はロシア系民族も多く、ついこないだまでソヴィエト海軍として一緒にやってきた相手ということもあり、クリミア軍はこれを抵抗しなかった。

それを見て住民は、政治空白は不安だと住民投票を行う。そこでクリミア共和国を宣言し、ロシア連邦に併合参加を希望した。

ただ、これを各国は独立国として、承認しなかった。
だって、日本でいえば、九州が住民投票をし「独立する」といって、中国が承認したら国家となるような話なので。そんなことはありえない。

プーチンはこれに対し、こう演説した
・クリミアはソ連時代ももともとロシア領だったよね
・フルシチョフが何の根拠もなくウクライナに併合させたよね
・ただ暫定政権には国際法的根拠はないよね
・民族自決は西側でコソボの例があるよね。

(ユーゴスラビアからスラブ系コソボ地域セルビアとしてが独立したがる。そのユーゴをNATOが空爆、治安部隊を送る。ロシアはコソボにいるセルビア人を保護する目的で軍を送る。ロシアVS EUの一触即発の状態だったが、話し合いで軍事衝突はくなった。ただ、他人の地域に、外からの介入することで一部地域を独立させた西側。とこれは前例となった。又ロシア側はプーチンが交渉担当だった)

そして、このクリミアの独立によって、他地域にも影響が出る。
ウクライナのドンバス地方というロシア系住民が多い地域で独立機運が高まる。武装組織がここを占拠。ウクライナ軍がこれを鎮圧する。
しかしロシア民兵の参画や武器供与があり泥沼化する。これが2014年。


その後、ミンスク協定で、ドンバス地方の戦いは休戦。しかしその後も2022年までずっと小競り合いが2022まで続いていた。

ヤヌコービチが逃げたあとを引き継いだプルシェンコ大統領だが、内戦状態の中、経済再興がうまく行かず失脚。
その後今の大統領である、元タレントのゼレンスキーが後任に。政治家経験はないことが懸念だったが、汚職が酷いウクライナの情勢の中で逆に何も関係がないことが、透明性を感じられた。
また、EUとNATO参画方針もうウケた。

ただ、今回もNATOは、東部で紛争やってる国は入れないと参画を拒否。

そこでプルシェンコ大統領は、NATOに入る為、トルコからドローンを大量に買い、国内増産もさせて東部の親ロ派地域(ドネスク・ルガンスク)を攻撃した。
これが2022年2月、これを受けてロシア軍が8年間虐げられたロシア人同胞を解放するために!と進軍し始めた

NATOの軍事力はアメリカとカナダを含むと318万人
ヨーロッパの加盟国だけで171万人

それに対してロシア101万人定員で実質25万人は新兵、しかも国土が広く分散されている。臆病で疑心暗鬼のロシアの姿が見えてくる。
ロシアはとにかくNATOと戦いたくない。

でもNATOには勝てないけれど、旧ソ連諸国には勝てる。
NATOに参戦させないのがロシアの第一戦略。

ロシアが唯一NATOを止められる方法は「NATOが動いたら核撃つぞ」の脅しだけ。

この「兵を出すなら核撃つぞ」は過去アメリカのニクソン大統領がベトナムでロシアにおこなったこと。

プーチンは感情で動くというより、過去の事例やファクトを乗っ取って、過去の事例、戦略を取り入れていくタイプ。

ニクソンは意地になって無駄な戦死者や被害を出し続けた。
そこから学んでくれるとよいのですが。

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