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教育エビデンス キャリア教育

今の小学生が大人になる頃につく仕事は今現在まだ存在していないかもしれません。そのような変化の激しい社会では子どもたちが単に学校の成績を伸ばすだけでなく、自分の将来にとって何を学ぶべきか自分で選ぶ力がより必要となるでしょう。短期的な効果を測りにくい分野ですが、今回はキャリア教育の文献レビューをご紹介します。

キーテーマ

メタ認知・自己調整学習・学び方の学び・実験 

結論

キャリア教育は成績、将来の収入、ソフトスキルの向上にプラスの小さな効果がある。

  • 教育的成果への効果の調査研究45件のうちの60%は、概ね肯定的な結果を示している。

  • 経済的成果への効果の調査研究27件のうち67%が経済的にプラスの結果をもたらすという証拠を示している。検出された賃金プレミアム(キャリア教育を受けたことによって期待される賃金の上昇分)の規模は、大きいことが多い。

  • ソフトスキルへの効果の調査研究25 件のうちの62%は、学生の自己効力感、自信、キャリア成熟度、意思決定スキル、キャリアコンピテンシー、キャリアアイデンティティが改善され、社会的にプラスの成果が得られたという証拠を示している。

これらの論文に共通しているのは

  • 既存の研究のエビデンスレベルは「弱く、断片的」である。イングランドの学校におけるキャリア教育を改善するために、新しいアイデアを試す必要がある。

  • キャリア教育は、幼少期から個人のニーズに合わせて対象を絞った場合に最も効果的です。これは、学校が仲介する雇用者の関与と、独立した公平なキャリアガイダンスとともに、若者の教育、訓練、雇用への移行を支援する鍵となる。

  • 自分のキャリア目標を達成するために学校で何をすべきかをよく理解し、パートタイムの仕事とフルタイムの勉強を組み合わせている若者は、同年代の若者よりもその後の人生で経済的にずっと良い結果を残すことができる。

  • 貧しい家庭の若者は、自分が選んだキャリアにアクセスし、必要なスキルを得るために必要な資格について、不確かである傾向がある。

  • 10代のパートタイム雇用は急速に減少している。英国の16~17歳でフルタイムの教育とパートタイム雇用を組み合わせている割合は、1997年の42%から2014年には18%に減少している。このため、学校、カレッジ、雇用主は、若者が、従来であれば労働市場で直接お金を払って経験することで得られたであろう洞察、経験、体験を得られるようにすることがより一層重要である。

実験デザイン

イギリスのEEFがキャリア教育の効果に関する先行研究の文献レビューを行った。

留意点

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのスポンサーによる調査です。

エビデンスレベル:文献レビュー

編集後記


単純作業が自動化され、仕事に求められるスキルの専門性が高まりつつあるこれからの労働市場では、「◯◯ができる人、◯◯の経験がある人」といったより細かいマッチングが増えています。できるだけ偏差値の高い大学に入れば職業選択の可能性が増えるという常識が変わり、自分のやりたいことのために何を学ぶかを自分で選ぶ力が重要になりそうです。

文責:識名 由佳 

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過去記事のまとめはこちら

Careers Education (2016) EEF.  Retrieved September 29, 2022, from 
https://educationendowmentfoundation.org.uk/education-evidence/evidence-reviews/careers-education


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