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新卒採用領域‐学校関連虎の巻‐

お久しぶりのポペヌです!

つまらないジョークですが、寅年にかけて虎の巻を今年中に一つは書きたいと考えており、僕が記載できる内容が新卒エンジニアの採用における学校施策くらいしかなかったので、今回力を入れて書いていきたいと思います。

普段ふざけてばかりのポペヌですが、実は新卒エンジニアをほぼお金をかけないで採用をしております。その採用する際に中心となっているのが学校経由での母集団形成になります。

一人でwebアプリの全工程の開発経験を有する
開発職での長期インターンシップの経験を有する
就活のためでなく、好きでプログラミングをしている

細かい点は省きますが。これが僕が所属している会社の新卒採用におけるサーバサイドエンジニアのペルソナになります。

比較的ターゲットの目線が高いのかなと思いますが、これくらいの経験をお持ちの方を20~30名程度採用しています。

今回はどういう風に学校経由でエンジニア学生を採用しているかではなく、学校経由で採用する方法はどういう種類があるのかを解説していきたいと思います。
その中から自社に合う形をお選びいただけますと幸いです。


学校経由での新卒エンジニア採用のメリット

採用単価を抑えることができる
長期インターンなどの応募も増える
機会次第では既存社員のアウトプットの場所にもなる

こんな方に読んでほしい

学校との関係構築をしたいと考えている方
学校との関係構築に苦戦している方
学校施策でなにをすればいいかわからない方


1.大学と専門学校の違い

いわゆる最終学歴と言われる学校区分は大学・専門・高校になるかと思いますが、学校区分ごとに学生の就活の仕方や時期が違います。

まずはその点から確認をしていきましょう。

※今回僕が高校経由での採用実績を持っていないため、省かせていただきます。


大学

大学の解説からしていきますが、多くの大学の就職機能については以下になります。

就職課
就職担当教員
研究室の教授

‐就職課‐

就職課は基本的な就職関連の取りまとめをしています。

HPの「企業の方へ」という記載で連絡先が掲載されていることが多いので、そこからアポイントを取得しましょう。

<就職課の担当範囲イメージ>

  • 求人票の登録

  • OB・OGの登録

  • 単位認定のインターンの取りまとめ

  • 合同説明会の取りまとめ

  • 学生全体への就職企画運営や個別アドバイスなど


‐就職担当教員‐

就職担当教員は学科ごとに配属されているケースが多く、就職課とは別にその学科の教授の方が就職関連の業務を担っているケースが多いです。

「〇〇大学就職担当教員」と調べれば簡単に出てきますので、そこからアポイントを取得することが可能です。

<就職担当教員の担当範囲イメージ>

  • 学科独自の説明会の運営

  • 学科内学生の学校推薦の取りまとめ

  • 院試落ちの学生対応


‐研究室の先生‐

研究室の教授はイメージしやすいですが、自身の研究室の学生が困っていれば手を差し伸べたり、付き合いのある企業に紹介をしたりしています。それ以外の学生には基本的に干渉しないことが多く、仲良くできれば毎年推薦くださったりします。

<教授の担当範囲イメージ>

  • 研究室内での説明会

  • 直接付き合いのある企業への推薦


専門学校

次に専門学校の就職機能についてですが、

就職課
担任の先生

となります。

‐就職課‐

専門学校は就職課さん主体で就職関係が動いており、就職課さんとの関係構築が重要になります。また、時期の要素に大きく左右されることもあり、基本情報技術者試験がある4月後半までは試験に集中させるため、試験が終わるまでは選考を受けさせない学校があります。そのような点を考慮したうえで就職課さんと調整をしていきましょう。

<就職課の担当範囲イメージ>

  • 求人票の登録

  • 合同説明会の取りまとめ

  • 個別説明会の取りまとめ

  • 学生全体への企画運営や個別アドバイスなど


‐担任の先生‐

専門学校では担任の先生が自身のクラスの就職出来ていない学生の尻を叩いており、内定者懇親会などがおこなわれる秋口などになると、企業に直接連絡や推薦ができないかのご相談をくださったりします。逆に言うと、秋口まで採用をしていて告知をすれば推薦いただける可能性があるということになります。

このように大学と専門学校では採用機能が全く違いますので、この辺を理解したうえで記事を読み進めていただけるとありがたいです。

次からは学生と出会えるイベントや機会について解説をしていきます。


2.説明会

大学や専門学校で大々的に実施している説明会には2つの種類があります。

学校によって参加できる基準などは違いますが、今までの経験から多くの学校で基準とされているであろうラインと合わせて説明していきます。

合同説明会

2月後半~3月中におこなわれる就職イベントです。
学校での就職関係のイベントで一番大きいイベントが合同説明会になります。約1週間くらいの期間で200近い企業を集めて行います。

説明会の開催方法は3~4回のターム制で1タームの時間数は15~30分程度が多いです。

最近はオンラインでの実施も増えましたが、従来は用意されたブースに学生が足を運んでくれるので、知名度勝負な点は否めない説明会です。しかも名前順だったりするので、パ〇ソニックと富〇通に挟まれた時は生きた心地がしなかったいい思い出があります。

この合同説明会にどうやって参加するかですが、基準となる項目は主に

知名度
上場の有無
OB・OGの数

となります。

就職課さんに怒られるかもしれませんが、「就職実績として誇れる会社か、先輩が多くいて一定の学生数を採用してくれることを見込める会社」というイメージを持っていただけると良いかと思います。

では合同説明会にどのように参加するかですが、
まずは「就職実績として学校側が誇れる会社か、先輩が多くいて一定の学生数を採用してくれることを見込める会社」このどちらかに該当する会社になるというのが一つの手です。

これは一朝一夕でできるほど生易しいことではございませんので、それ以外の方法を解説します。

‐代行会社ルート‐

MARCHや早慶などのいわゆる上位校と位置付けられることが多い学校は、合同説明会を別の会社が運営代行していることがほとんどです。こういう代行企業に取り入るという方法が一つです。

先に上げた上位校はお金を取られるケースがほとんどですが、参加権の確保は意外にできます。また、このような代行会社は他の学校にも入り込んでいるケースが多いので、代行会社経由で他の大学とのパイプを確保できたりします。

‐就職課ルート‐

次の手法は就職課さんに取り入る方法です。

学校側からこの企業は無料でもいいから参加をお願いしたいという依頼を代行会社にしていることが多く、そのリストに載せてもらう方法です。

これは相当足繫く通わないといけないですし、自社に何かしらの明確な強みがないと実施できませんので学校側に刺さる強みがあるかを確認してから実施しましょう。

強みの例ですと、

toCの領域で有名なサービスを持っている
面白く分かりやすい技術を扱っている
働き方が特徴的

このあたりが該当するかと思います。

‐教授ルート‐

最後の手法ですが、教員から就職課さんに依頼をしてもらう。
これが一番現実味のある手法だと思います。

ナビ媒体などから採用した内定者に協力を仰いで教授などと仲良くなり、就職課さんに依頼をしていただけるようお願いする方法です。実際に僕はこの手法であらゆる学校の合同説明会の参加権を取得しています。


ここまで書いていてなんですが、合同説明会は学生が自社のブースに座ってくれるかは未知数ですので、注力して学生が一人も来なかった時の精神的ダメージは計りしれないです(泣)

気合い入れて現場社員やCTOでも連れていって誰も座らなかったらと思うと背筋凍りますね。


個別説明会

3月以降に就職課さんに依頼をすれば、多くの私学では比較的開催をさせてくださるのが個別説明会です。時間は授業の時間と同じ90分が多いですが、企業側で好きに使えるので、調整が可能になります。

開催すること自体は簡単なのですが、多くの場合は学生が来てくれません(泣)

一括送信のメールで学生に対して告知するケースや就職関連のページに掲載してくださる告知方法は多く、そんなに学生に届いている印象が受けないため、3回開催すれば1回は誰も来ないなんてことはあると思ってください。

個別説明会に集客をする方法ですが、繋がりのある先生方に開催する旨をお伝えして、集客のご依頼をするなどして就職課さん以外の経由で告知する方法を確立しましょう。


また、専門学校の個別説明会はこの通りではなく、情報系の学科対象でも比
較的コンスタントに3~4名は最低限参加してくださる印象を受けます。
今までの一番多いときは60名の参加をいただけたこともありますので、専門学校の学生さんも採用対象になる企業さんにはお勧めです。

その際の注意点は基本情報技術者試験のタイミングです。

最近は比較的緩くなった印象ですが、専門学校にとっては資格の取得は目に見える学習実績になりますので、注力しているケースが多いです。
基本情報技術者試験が開催される4月後半を外して上手く開催させていただけるよう就職課さんとの関係構築をしておきましょう。


研究室

理系学科は基本的に研究室に入ることになります。

その研究室の先生と仲良くなり、学生をご紹介いただいたり、研究室内で説明会をさせていただいたりする方法です。
多くの企業で実施している方法はOB・OG経由で先生を紹介いただき、そのご縁から開催をしていく方法が多いかと思います。

この方法も良いのですが、これだと内定者が出ない限りその研究室の先生と繋がることができませんので、今回はその第一歩を僕が築いた方法をご紹介します。

就職課さんからの紹介

就職課さんからご紹介をいただき、該当する先生にアポイントを取得する方法。こちらはなかなか難易度は高いですが、一番精神的ハードルを下げて実践できます。就職課さんとの繋がりを作りつつ合わせて提案してみましょう。


突撃となりの研究室

題名の通りいきなり研究室にノックして飛び込んでみる方法です。

そうです!ただの飛び込み営業ともいいます。

これは東京の学校ではそんなに上手くいかなかったのですが、地方の大学では意外と有用です!
おそらく飛び込んで来る奴がいないからだと思いますが、話してくれますしすごく興味持ってもらえるケースが多かったです。

これがきっかけで後に記載する授業や学会のご縁をいただけましたし、何より学生のその場にいることが多く、そこで紹介もらってそのまま懐柔することも可能という素晴らしい方法です。

問題はたまに怒られるので、そこは気を付けましょう。


学会に参加する

学会と言われると限られた博識な方々しか参加できないイメージを持つ方もいるかと思いますが、部外者でもお金さえ払えば簡単に参加できます!

例えば情報処理学会などは

このように参加日程をご丁寧に開示しており、部外者は3,000~5,000円程度で参加できます。現在はzoomなどのオンライン開催が主流となってしまって名刺交換などが難しくなりましたが、現在でもリアルで開催することもあるので、そういうタイミングで参加して名刺交換だけでもしておけば後ほどアポとるのは難しくはありません。

また、発表者に学生がいることも珍しくないので、学生に直接声を掛けることもできます!


教育ネットワークへの参加

専門分野ごとに何校かの大学が連携して教育プログラムを構築しております。
そのような教育プログラムに参加することで、多くの先生と繋がれます!

大学や学部のHPに情報がたまに出ていたりするので、そういう場所で情報収集をして参加しましょう。

このように先生と繋がる方法は多くありますので、自社と研究分野がマッチする先生と繋がりを持っておきましょう。


授業

大学は授業で学びを得るための場所です。

そのため授業には学生が必ずいます!必修授業になれば学科全員います!

この授業にゲスト講師などの立場で参加することで、多くの学生に直接会社の名を売ることができます。これが僕が最も力を入れている点であり、採用が上手くいっている一番の理由です。

どこの会社さんも授業に登壇したいと思いますが、登壇方法はなかなか難しいです。

下記のどちらかは該当していないとまずできないと思っています。

自社の知名度が限りなく高い
学びになる技術的特徴のあるサービスを持っている

授業の中で勉強になる要素がないといけませんので、社内のエンジニアに協力いただき、自社の技術的要素で学校で教えたいであろうものはあるのかを探しましょう。

参考程度に僕が過去やらせていただいた授業の内容です。

  • クラウド環境の構築方法

  • webアプリケーションの脆弱性

  • チーム開発におけるオブジェクト指向の重要性

というような内容で登壇をさせていただくことが多いです。
これらを実例を含めてしっかりとお話することが可能であると授業をやらせていただける可能性は上がるのかなと思います。

また、授業などができるようになると、学会などで先生が宣伝してくれて他の学校でも同じような内容で登壇依頼をいただけることがありますので、一つ大きい壁を超えることができればエンジニア採用の母集団形成は大分楽になるのではないかと思います。

個人的に授業に注力している理由はもう一つあり、既存社員のアウトプットの場所になります。それも社内の共通認識を持っている相手ではないので、相手に伝わる高度なアウトプットを必要とされます。

人前で伝わるように話すのは難しいので、挫折などもするかもしれませんが、そこは人事がサポートしつつ良い刺激を既存社員に与えられる場所として活用できるのが魅力です。


学生団体・サークル

最後に紹介するのが直接学生とコミュニケーションを取ることができる学生団体やサークルへの参加です。

これはOB・OG経由で参加するかSNSなどから情報を得て連絡してみるなどしてみましょう。

協賛という形でお金を出してイベントをするなど、様々な活動が自由にできますので、入り込めれば中々強い採用チャネルになる印象があります。

僕は毎年3~4件ほどハッカソンを企画・運営したり、その団体にいる学生が会いたい企業の人事さんを集めて企業説明会を開催したりしています。


その他

上記で紹介した方法以外にも学校関係で参加できるイベントを紹介します。

インターンシップ系イベント

3年生の5月頃にインターンシップについて企業側から説明する機会やインターンシップについてのパネルディスカッションなど、様々なイベントをやっております。

良い点としては学生の参加率が非常に高いです!

8割程度の学生が参加する学校が多いとのことで、就活関係のサービスは多いですが、夏季インターンシップに特化したサービスなどは多くない関係から就職課さんのイベントにも情報収集で参加する学生が多いのかなと思います。


ワークショップ

就職課さんや学科の就職担当教員さん主体で様々な業界のワークショップなどを開いていたりします。

就職関係のページでイベントなどをまとめていますので、開催していれば提案してみるのが良いでしょう。


学校経由で採用する際の注意点

ここまでは採用する方法を様々紹介しましたが、次は学校経由で採用活動をする際の注意点を記載させていただきます。

次回アクションの準備

授業などに参加できるようになると、2年生や3年生との接触も多くなります。そのため、就職活動が始まるまでの期間に縁が消えないように準備をしましょう。

長期インターンシップへの誘致や社内のテクニカル勉強会への特別参加をさせてあげるなど、できることはたくさんありますので、準備頑張りましょう。


求人票などの準備

学校関係は求人のほか青少年雇用情報シートなど、出さないといけないものが学校ごとにありますので、しっかりと確かめて対応をしましょう。


応募数への覚悟

うれしい悩みかもしれませんが、学校経由が上手く回りだすと応募数がすごく増えます!

びっくりするくらい増えるので、ぜひ実践いただければと思いますが、その応募数を捌ける体制を構築しておきましょう。選考後の対応漏れで採用CXなどを下げてしまい、後輩に悪く言われることなどをさけないといけません。


まとめ

今回は虎の巻を書きたかったので、書かせていただきました!

とはいえ、かなり泥臭く、やることは多岐にわたるため、どのようにプランニングしたらいいんだろう…

できるかな…と思われた方もいらっしゃると思います。
まわりだしてしまえば強力な集客チャネルになることは間違いないので、プランニングなどに困った場合は、メールアドレスも下記に載せているのでお気軽にご相談ください。

予算をそこまでかけずに採用したい会社さんにはお勧めですので、ぜひ参考にして実施いただけると嬉しいです!

それではまたお会いしましょう!


ライター:ポペヌ
エンジニア歴約10年、人事歴約4年。中学時代からエンジニアとしてお小遣い稼ぎを始め、エンジニア経験を活かしながら、大手IT企業にて人事に転身。
「プログラミングができる人事」として、主に経営陣をカウンターパートに経営視点の人事戦略設計〜実行、検証まで従事。
即戦力エンジニアをオフライン・オンライン施策をベースに採用単価0円で採用実現するなど、特に新卒採用、およびエンジニア採用に強みを持つ。

「すごい人事」情報局運営元:株式会社Crepe 
Crepeでは、ESG観点からみた人的資本における企業価値向上支援を行っています。具体的には、採用CX(候補者体験)向上ための採用戦略コンサルティング、採用ストーリーブック制作、研修トレーニング、EX(従業員体験)向上のための組織コンサルティング、エンゲージメント向上 HRtech「ミライチズ」などを通して、より良い個人と企業の関係の質向上支援を行っています。
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