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嫌いが好きに変わり、その「好き」が事業の軸になった不思議なコスメブランドのお話

好きの反対は嫌いではなく、実は、無関心です。

無関心であるということは、それを見ても何も思わず、記憶もされません。興味のないものや関心のないものの情報は、入ってこないけれど、嫌いなものの情報はなぜか目についたり、意識してしまったりするものです。

そういう意味で、嫌いなものには、可能性が秘められているとも言えます。そこには、エネルギーや感情をそれだけぶつけたくなる何かがあるのですから。

この嫌いなものが、出会いによって好きなものへと、さらには、事業の軸へと昇華していった会社があります。京都にある合同会社Byakuです。

今回は、合同会社Byakuの代表である櫻井勲さんにお話を聞きました。



苦手が好きに変わった瞬間

合同会社Byakuの商品は全てが白檀の精油を使っています。自然由来100%で、合成化合物不使用、徹底的にいいものにこだわって作り上げた商品ラインナップです。

そんなByakuの軸となる白檀ですが、実は、櫻井さんはこの白檀の香りがずっと苦手だったそうです。なんとなく好きになれない匂いだったのです。

しかし、たまたま、さまざまな白檀の香りを試す機会があり、そこで感じた白檀の香りに、大きな可能性を感じたのでした。櫻井さんが持っていた白檀の印象を一変させるほどの、可能性を。

そこから、櫻井さんは白檀についても調べて、なぜ違う種類と思えるほどに、香りが異なるのか、その理由に気づきます。

もちろん、多くの植物は、品種や、その土壌などの育つ場所に影響を受けます。しかし、白檀にはもう一つ重要な性質があったのです。それが寄生です。

白檀という植物は、発芽してから一年半以内に、寄生する木を見つけて一緒に育っていくという性質を持っており、この寄生する木によって、性格が、香りが、大きく変わるという事実を知ったのです。

つまり、寄生先、環境、品種によって、櫻井さんが大好きになってハマってしまう白檀が生まれるということでした。


涙とともに、幕開け

櫻井さんは、そこから、この白檀の精油を軸にした商品開発をどんどんと進めていきます。

さらには、ホームページ作成や写真撮影、クラウドファンディングの準備と、大忙しでした。その時に、力になってくれたのが、櫻井さんがこれまでに築いてきた友人関係でした。

もともと、食べることが大好きな櫻井さんは、食事をしながら、フラットな交友関係を自然に広げていきました。そんな友人たちとの食事中に、ぽろっと、「今度、白檀の香りを軸にした会社を始めるんだよね」と言ったところ、たくさんの友人が、写真なら、サイトなら、ここなら、あそこなら手伝えるよと、手を挙げてくれたそうです。

そんなたくさんの友人たちの力を借りながら、櫻井さんは人生で初めての、そしてもちろん、合同会社Byakuの初公開となる、クラウドファンディングをスタートさせました。2020年11月25日のお昼でした。


Byakuの商品ラインナップ

緊張しながらも、プロジェクト公開のボタンを押して、ふうっと息をついた頃には、櫻井さんの元にメールが届き始めました。

それは、プロジェクトが支援されたことを知らせるメールです。メールの通知とともに、名前を見て、寄せられたコメントを見て、そのスピード、量だけでなく、寄せられた温度に、気づけば、櫻井さんの目からは涙が溢れていました。


溺愛の白檀に出会う

たくさんの人に支えられながらのスタートの後も、櫻井さんはより良いプロダクトを求め続けていきました。白檀を軸にすると決めてから、色々な白檀の精油を取り寄せては、より良い香りを探し求めていたのです。というのも、実は日本にゆかりのある白檀が日本では育たないからです。

そのような中で、特別な白檀に出会いました。ニューカレドニア産の白檀でした。

苦手から、好きと感じていた白檀ですが、このニューカレドニア産のものには、もう溺愛と言えるほどの感覚を櫻井さんは覚えました。

その愛する白檀を自分の目で見るために、2022年4月、櫻井さんは、ニューカレドニアまで足を運びました。野生種の白檀が生い茂っている森を訪ねました。そこで、森を管理している先住民の儀式を受け、白檀の森を実際に自分の目で見てきたのです。

さらに、その森を管理している会社の代表、先住民たちと仲良くなった櫻井さんは、その白檀の森に、植樹をさせてもらうこととなりました。


櫻井さん(左)と森林を管理する会社の代表(右)

この植樹した白檀が精油を取れるまでには50年もかかるのですが、この櫻井の木は何があっても守るからと約束をしてもらいました。そして、2年後にまた訪れるという約束を重ねて、帰国しました。

そして、この1月から、Byakuは、ニューカレドニア産の白檀の精油の総合代理店になりました。それは、この白檀を日本に広めていきたい、そして、ニューカレドニアで出会った人たちの生活の支えになりたいという思いからです。

彼らを再訪する予定の1年後に、日本では、これだけあなた達の白檀が求められている、もっと一緒に頑張ろうと伝えに行きたい、そんな熱い思いを櫻井さんは持っています。


白檀のライフスタイルブランドへ

この先の目標を、櫻井さんに伺うと2つ教えてくれました。

1つは、ブランドスタート時から掲げているフランスのパリに店を構えることです。京都市と姉妹都市で、京都や日本的なものに興味を持っているパリ市の人々に、フランス海外領土のニューカレドニア産白檀を使ったコスメを「逆」輸入してもらうことを提案したいと考えています。

また、さらに、コスメだけにとどまらず、白檀を軸としたライフスタイルブランドにまで、Byakuを拡張したいと考えています。それは、料理なのか、宿泊施設なのか、まだはっきりとはしていませんが、コスメだけにとどまらず、白檀の良さを提案できるブランドにまでなりたいと語ってくれました。


中小企業が変われば、日本が変わる。その思いをもとに、今まさに変わろうとしている、新しい挑戦に取り組んでいる、チャレンジしている中小企業をご紹介しました。

合同会社Byakuの白檀を軸にした取り組みは、新規事業・新事業の軸の作り方の参考になるものだと思います。

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それでは、次回のnoteもお楽しみに。