見出し画像

otakurushaug - "thesongsformemightforyou"について。

どうも。

otakurushaugという名義でワンマンベッドルームハードコアプロジェクトを始めてみました。

いつものごとく、セルフライナーノーツ的なやつを書いていこうと思います。


制作過程

この3曲の中だと、singthepeaceが一番最初に完成していて、恐らく2年ほど前?だったかなと。当時ギターを始めて1年くらい経って、簡単なフレーズであれば自分が弾いたギターを収録した音源でリリースをしてみたいと思ったような覚えがあります。

thesongyoumadeはハードコアテクノの友達との合作にしようと思って作ったデモだったのですが、普通に変拍子とかあって厳しそうだったので自分の曲にしちゃいました。

fasterthananyoneelseは早いうちに途中までできていたのですが、久しぶりにプロジェクト開いたら大分ダサかったのでほとんどやり直して、ほぼ最後に完成しました。

いつもそうなのですが、ダラダラと曲を作ってそろそろかな〜というタイミングでリリースした感じです。

ワンマンベッドルームハードコアという自称について

ハードコアの魅力の一つとして、ローカルの連帯感とか人と人との繋がりみたいなところがあると思うのですが、その繋がりは楽しくある反面、それに対してまだ臆病さを持っている自分もいます。そういう人と関わりたいけれど、臆病で閉じこもりたい身勝手さや理想を内向きに一人で語るような、そういうハードコアもあっていいのではないかと思い、こういう自称にしています。

曲調について

それぞれの曲調についてです。

M1. singthepeaceはかなりVein.fmの影響を受けています。あとRegulate。提婆達多でやっているようなメタリックな疾走パートや重厚なブレイクダウンというよりは、狂気的な感じを意識しました。

M2. fasterthananyoneelseは、パワーバイオレンス(であっているのかわからない)的な緩急が印象的だと思います。割とデスメタリックに寄せたかも。でもスラッシーだったり、メロディックだったり、結構振れ幅のある曲です。デスメタルの上でラップするというのが面白そうだと思って最初の方をラップパートにしました。

M3. thesongyoumadeは、激情/叙情的ですね。少しnervous light of sundayに影響を受けているかもしれません。あとtaken。ギターの技術はnlosの足元にも及んでいませんが。そして拍子の変化が多いですが、そのつながりを自然に出来るよう工夫しました。

全体的に、自分でもできるようなシンプルなフレーズで、簡単でカッコイイを目指しました。LINKIN PARK的な。

リファレンスはこちら。

歌詞について

M1. singthepeaceは“それぞれの平穏をそれぞれに歌おう”というのが一番端的にこの曲全体を表していると思います。この主張はM2にも繋がるところがあるのですが、あまりにも社会的なコレクトネスが重視され続けると、いつか誰も何も言えなくなってしまうのではないか、多様性はついには消えるのではないかと。そしてその行き着く先はあらゆる闘争でしかないのではないかということを叫んでいます。

M2. fasterthananyoneelseはインクルージョンを伴わないグローバル化と、それによって発生する行き過ぎた効率化や加速主義に対する警鐘といった感じでしょうか。M1とかなり似ているのですが、グローバル化が生み出した恩恵は大きなものですが、お互いを受容する雰囲気がないまま広がっていくことによって様々な衝突が発生している現状への危機感を歌っています。そして閉じたコミュニティの重要性もあるよねということを歌っています。

M3. thesongyoumadeは行き過ぎた知性化や言語化によって物事、ひいては人間までも平面的にしか見ることが出来なくなっている状態を批判する歌詞です。これは随分前に書いた記事とも重なる部分が大きいのですが、何かと類型化して捉えることはとても楽な反面、それによって切り捨てられた何かが必ずあるわけです。

時に、自分が勝手に他人を型に当てはめて解釈し、それにそぐわない側面が見えると拒絶するような光景を見ると、メラニー・クラインの対象関係論における、妄想-分裂ポジションのことを思い出します。こういった拒絶反応、ひいてはキャラ社会が推し文化やMBTI"とされているもの"によってさらに拡がっていき、過激さを増していく様子を僕はおかしいと思っていて、“人間を人間として受け入れよう”というテーマでこの曲の歌詞を書きました。

また、この曲にはもうひとつテーマがあります。“言語のコミュニケーションの限界を知ることと、非言語のコミュニケーションの不完全さ、それによって生まれる苦しみを受け入れた上でそれぞれのコミュニケーションを取っていく”です。歌詞の中でも“言葉にできない”みたいなことをよく言っていますが、言語を使う時点で知性化、すなわち当てはめる行為を行ってしまっていて、聴き手を縛ってしまっているのではないかと思った上で、人間は縛られることを自ら求める瞬間があるなと思ったり、それでも自分は歌うことはやめられないと思った時に、ある意味開き直って歌おうとしています。でも、やっぱり非言語であったり自由もそこに残しておきたかったので、歌詞のない叫びがあったり、最後に聴き手の皆さんにハミングをお願いしています。皆さんには、このパートで好きなように歌って、この曲を自分の音楽にして欲しいなと思っています(トラックを作らなくたって、歌ってしまえば誰の曲にでもなりうるのだから)。

ミックス・マスターについて

今回は全て一人でやるがコンセプトでした。リファレンスはVein.fmや、ENDあたりのWill Putneyプロデュース楽曲達です。

今回もローを大事にしているので、気持ち音量上げて聴くと気持ちがいいと思います。

アートワークについて

こちらも自分でやりました。なぜ撮ったのかわからない写真にIbis paintで絵を描きたしました。いなたさもあり、割と上手い具合に描けた気がしています。


そんな感じで、これからも気が向いたら作ってリリースしようかなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?