論文:メタモルフィック・テスティングと要求工学

この論文では、メタモルフィック・テスティングについて書いています。発表は2016年です。今は人工知能の文脈でメタモルフィックテスティングが出てくることが多いですが、この時点ではあまり人工知能については意識していないですね。

メタモルフィックテスティングが初めて発表されたのは1998年とのこと。意外と歴史があるんですね。

こちらがその論文です。


もとの論文のメインテーマは、タイトルにもあるように要求工学です。要求定義の中で要求の品質を上げるためにテストケースを作るべきだ、そのテストケースのテストオラクルをメタモルフィックテスティングを用いて生み出そう、ということのようです。この、要求定義のレビュー(?)の中で使われるものをテストケースと呼ぶのかはちょっと疑問がわきますが。。ユースケースとかシナリオとかの方が感覚には合います。

これをテストケースと呼ぶのは↓の事例からきているようですね。

Wモデルで、先にテストケースを作ってしまうと、結果的に要求定義をレビューしたことになる、といったところでしょうか。そういう話ならまぁ理解できます。


僕自身は、メタモルフィックテスティングにおいて、どうやってメタモルフィック関係を見つけるかが一番の課題となると考えていて、元の論文ではそこも解決しようとしています。

>本研究では格文法を用いた制限言語を用いたシナリオ言語と、イベント文による状態変化を解析することでこれを解決する

とのことです。ここは既往の研究があって、それがメタモルフィックテスティングに使えそう、となったのが一つ大きな新規性なのかなと思いました。



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