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高田馬場


ただただ憂鬱だった。
今週は目についたニュースがどれも暗い気分になるものだったし、それぞれのニュースに対する人々の反応がなんだかアレだったので、ひどくやるせない気分でどうしようもなかった。しかしながら梅雨だけは明けたようで、ここはひとつ気分転換をしようと映画鑑賞のために高田馬場という名前の初めて聞いたときは小学生みたいなことを考えた土地に行ってきた。この高田馬場という土地を選んだのは友人に勧められた映画を見るためで、ここには少し前に上映していた映画を観られる映画館があるらしく、友人が勧めてくれた映画はもう上映していないものだったので、ミュウツーの逆襲Evolutionを一人で観にいく些か度が過ぎた遊びをするか悩んだが、ラーメン二郎を食べて以来、あるいは駅前で何杯目かも記憶にないテキーラを飲んで以来の高田馬場、あの街の印象や思い出などの類を塗り替えるべく、友人に勧められた映画を観に行くことにした。

観に行ったと映画はブラッククランズマンという犯罪伝記映画で、すごく良い映画だった。

『ブラック・クランズマン』(原題:BlacKkKlansman)は2018年に公開されたアメリカ合衆国の伝記犯罪映画である。監督はスパイク・リー、主演はジョン・デヴィッド・ワシントンが務めた。本作はロン・ストールワース(英語版)が2014年に上梓した『ブラック・クランズマン』(鈴木沓子・玉川千絵子訳、丸屋九兵衛監修、PARCO出版、2019年)を原作としている。  参照: Wikipedia

音楽もだが映画や本の批評は僕はできない。基本的には褒めること以外したくないのだが、この映画はそもそも悪くいう人なんていないんじゃないだろうか。宣伝文句と少し違うところがあって戸惑いはしたが、そんなことはどうでもいい。強烈なシーンがいくつもあり、お話の運び方がお上手で実話だから云々というのは置いておいてハラハラさせられたし、あらためて考える機会を得た。この映画の題材となるKKKの存在を知ったのは中学の頃で、ラモーンズの歌に出てくることから存在を知ってはいたが、差別を受けたことがなかったし、人種で優劣をつける行為そのものについてよく分かっていない部分が多かった。それらしいことを感じたのは17歳の頃、イギリスにいたときにホンダの車に乗った不良に罵倒されたり、細かい差別を色々と受けたりしたときだった。自分が突然差別を受けることもあれば、他の人が受けているところを目の当たりにすることもあって、理不尽に存在を否定される行為に憤りを感じた。もちろん全員がそういうわけではなく、むしろ心優しい方々のほうが遥かに多く、音楽が言語の壁を超える経験をすることもできたので、また行きたいと心から思う。ただ、自分自身が実際に受けた謎の線引きの中でトップに毒々しく輝くのは人種差別だ。しかしながら、この手の話は調子を狂わされてギャグを忘れてしまいそうになる。ギャグはオトナの嗜み、それを忘れるようなことはしたくないので、この辺でピリついた話はお終い倉木麻衣とする。

気分転換という観点では、ファンタジーなミュウツーだったか。いや、Evolutionじゃない方を子どもの頃に見た記憶があるが、幼ながらにヘビーだった気がする。きっとどう転んでダメな周期なのだと諦めて、来週のしいたけ占いには良いことが書いてあることにでも期待しておこうと思う。こうして、高田馬場の思い出は更新されたが、あの街はいつだって僕を真剣(マジ)にさせるのだと確信した。

貯金はせず、音源やグッズの制作などにあてたいと思います。 よろしくお願いします。