ADHD at the workplace: adhd symptoms, diagnostic status, and work-related functioning
Abstract
Introduction
ADHDは児童の神経発達障害であり多くが青年期にお維持され1.2-7.3%の成人がADHDを抱えていると推定される
ADHDは仕事のパフォーマンスを発揮できず退職リスクが2倍になる、解雇のリスクが1.5倍になる
しかし先行研究では症状と仕事のパフォーマンスの間に関連を見いだせなかった
そこで本研究では、ADHDの診断を受けていない地域のサンプルと、ADHDの診断を受けたものを対象に、症状と職業上の問題の関連を明らかにすることを目的とした
また、ADHDの診断を受けたものの症状と神経心理学的認知機能との関連を明らかにすることも目的とした。
仮説は以下の3つ
対象者の診断の有無によらずADHD症状と仕事の問題は関連する、
関連は診断を受けたもののほうが強い、
ADHD症状と神経心理学検査のパフォーマンスは関連するがその測定内容の問題から関連は弱い
Method
participants
1231名のコミュニティーサンプルはADHDの診断を受けたことがないもの
そのうちADHD症状評価スケールの標準化スコアが平均より1SD高いものを、コミュニティサンプルの中のADHD症状を有する群 (n=66)とした
コミュニティ対照群 (n=268)は、ADHD患者と性別・年齢・教育歴が同じものをコミュニティーサンプルから2名抽出した
DSM5に基づくADHDの診断を受けたかた (n=134)
そのうち51名は、神経心理学的検査も受けた
Materials
ADHD関連は割愛
仕事の機能評価はWeiss Functional Impairment Rating Scale (WFIRS)(CADDRA, 2017)
神経心理学的検査は、WAFS, WAFV, TMT, N-back Verbal,TOL-F
Results
ADHDの診断を受けているものは職場で能力を発揮できない悩みが多い
ADHDの診断を受けていないがADHDスコアが標準化スコア+1SDのものは、解雇や職業維持の問題を強く訴えていた
コミュニティーサンプルはADHD症状と仕事の困難度に正の関連があるが
ADHDの診断あり・+1SDサンプルのいずれもその関連が弱まる
診断のない+1SDサンプルは、注意欠如・衝動性の二つになってしまう
本質的に想定しているADHDと少し異なる可能性があるように見える
選択的注意課題の分散が仕事の困難度と関連する
それ以外は無相関であり、すべての変数を投入した多変量解析では仕事の困難度を予測しない
Reference
Adamou, M., Arif M., Asherson, P. et al. (2013). Occupational issues of adults with ADHD. BMCPsychiatry, 13, 59. (ADHDの職場における配慮が記述された文献)
Canadian ADHD Resource Alliance (CADDRA) (2017). Canadian ADHD practice guidelines. Retrieved from http://www.caddra.ca/.
Accessed 15 Sept 2020. (Weiss Functional Impairment Rating Scale)Fuermaier, A. B. M., Tucha, L., Butzbach, M., Weisbrod M., Aschenbrenner, S. & Tucha, O. (2021). Adhd at the workplace: adhd symptoms, diagnostic status, and work-related functioning. Journal of Neural Transmission, 128, 1021-1031. (this note)
所感
ADHD診断の有無は、違う意味を持っているように見える
つまり普通にアンケートでADHDのカットオフ値を超えても、診断の有無によって意味が異なっているように見える
少なくとも診断の有無によらず本人が注意の持続しにくさなどADHD関連症状を訴えている場合は仕事もうまくいっていないと苦しんでいる可能性がある
ただ最も知りたいのは、本人はそう思っていないのに管理監督者がそのように判断しているものであることは念頭に置いておく
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