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editing:conflict stress and reduced wellbeing at work: the buffering effect of third-party help

概要

本研究は、オランダの社会サービス従事者108人を対象に、職場での対人的な対立に関連する精神内の緊張 (例えば、対立のストレス) が、感情的疲労、欠勤、離職意向といったウェルビーイング低下の原因となっているか調査した。さらに、これらの悪影響がサードパーティの支援によって緩和されるか調査した。
その結果、サードパーティーの援助は、問題解決や強制などの伝統的な行動スタイルに次ぐ対立管理スタイルとみなされることが示された (おそらく因子分析で因子になったという程度か)
また、対立ストレスは、仕事や人間関係の対立を統制しても、感情的疲労、欠勤、離職の意向を促進した。
さらに、この関係はサードパーティの支援が少ないと報告した場合に強く、サードパーティの支援が多いと報告した回答者には存在せず
モデレートされた。
これらの調査結果は、第三者の支援が、組織内の対人対立によるマイナスの結果を防ぐための対立管理戦略として有益であることを示している。

(とても有益な文献)
(ようやく一つたどり着いた)

問題と目的

  • 対立には、課題による対立、関係性による対立がある (Jassen Van de Vilert & Veenstra, 1999; Simons & Peterson, 2000)

  • いすれの対立もコントロールの抑制と自己の感覚の見積もりをさげることになる

  • この種の対立はアイデンティティに関する問題の危機に瀕するため、特に対人関係の対立で強い影響がある

仮説1:対立によるストレスは、対立の発生を促進する。その関連は関係性の対立のほうが課題の対立よりも強い

  • 対立によるストレスは、ウェルビーイングを抑制し、職場の観点からは次の3側面に影響を及ぼす

  • 情緒的消耗 (バーンアウトモデルによる)

  • アブセンティーイズム

  • 退職の意思

仮説2:対立によるストレスは、情緒的消耗、アブセンティーイズム、退職意志を促進する

第三者による援助

  • サードパーティーによる援助は、仲介者などのプロセス制御をおこなう第三者と、仲裁などの意思決定を行う独裁的な第三者に区別される

  • 両者を比較すると、プロセスコントロールのほうが意思決定をコントロールするよりもポジティブな結果がもたらされる

  • プロセス管理の介入により、質の高い結果、当事者の満足度、手続き的公正が得られると考えられている

  • したがって、対立している者同士も仲介的な介入をこのむ(Karambayya & Brett, 1989; Karambayya, Brett & Lytle, 1992)

  • 第三者に対立のマネージメントを依頼するという行動は、これまでに考えられてきた、強制、問題解決、妥協、回避、統合/協調という問題解決方法にさらなる一つの方法を与えるものだと考えられる (Ting-Toomey et al., 2000)

  • 第三者のプロセスへの介入は、拘束力のある和解案を提案できないが、ストレスの多い対立者同士が対立のプロセスと結果へのコントロールと関係を回復するのを支援する (Arnold & O'Connor, 1999)

  • (これはとても分かりよいことで、関係回復を目標としてそのプロセスを仲介してゆく方法を指しており、即効力がないことを前提としている)

  • これは、対立関連のストレスを経験している従業員が負のスパイラルを打破できるよう支援するものであるため、以前から言及されているサポート資源であるソーシャルサポートとは全く異なっている

  • (これもその通りで、個人的に話を聞いたり助言する職員ではなく、対立を仲介して関係回復のプロセスを共にするという意味で大きく異なる、素晴らしい指摘)

仮説3:対立ストレスがウェルビーイングを抑制する効果は、第三者の援助がないもので強く、第三者の援助があるものでは抑制効果が緩和される

方法

手続き及び対象者

ネザーランドのヘルスケアの組織で務める257名の従業員を対象
107名の返信 (42%)、女性103名、男性5名 (!!)、平均年齢41歳 (range =19-60)、平均就業年数18年
対決スタイル、デモグラフィック、対決とウェルビーイング関連項目を3部構成で測定

測定内容

Intrapersonal/interpersonal conflict (Cohen Kamarck & Merelstein, 1983)

7件法のリッカート尺度、対立ストレス、課題の対立、対人関係の対立の内的整合性係数はそれぞれ、α=.90,.86,.80)

②Well-being at work

  • 情緒的消耗 (Shaufeli, Leiter, Maslach & jackson, 1996)

  • アブセンティーイズム (過去6か月間に仕事を休んだ日)

  • 退職意図 (Hagedoorn et al., 1999)

③対立様式

  • 第三者の支援 (Ting-Toomey & Oetzel, 2001, 4項目、7件法のリッカート尺度、α=.90)

  • 対立マネージメント (DUTCH, DeDeru et al., 2001,各4項目7件法のリッカート尺度、α=.73-.85)

④ソーシャルサポート

詳細が明らかではなくが、同僚及び上司からのサポートを測定する、5項目7件法のリッカート尺度、α=.86,92 respectively

結果

探索的因子分析

  • 対立によるストレスが、課題の対立及び関係性の対立と分離されるか明らかにするため、探索的因子分析 (主因子解、oblique rotation) を行った

  • その結果、対立によるストレスは、課題の対立及び関係性の対立と区別されることを確認した

  • 次に、サードパーティーへの援助を求める行為が、ほかの対立マネージメントスタイルと区別されるか確認するために、同様の因子分析を行った

  • その結果、回避及び妥協には因子負荷量の低い項目がそれぞれ一つ見られたが、その他は5因子構造を示し、対立マネージメントは70%説明された

記述統計

対立によるストレスが、課題の対立・関係性の対立と相関し、また、妥協・回避・問題解決という対立マネージメントスタイル、情緒的消耗・退職意図という職場のウェルビーイングと相関した

仮説の検証

対立によるストレスは、関係性の対立の影響を受けるが、年齢・性別・テニュア・関係性の対立を統制した条件の下では課題の対立の影響を受けなかった










文献

  1. Arnold, J.A. & O’Connor, K.M. (1999). Ombudspersons or peers? The effects of third- party expertise and recommendations on negotiation. Journal of Applied Psychology, 84, 776-785.

  2. Cohen, S., Kamarck, T. & Mermelstein, R. (1983). A global measure of perceived stress. Journal of Health and Social Behavior, 24, 385-396.

  3. Hagedoorn, M., Van Yperen, N.W., Van de Vliert, E., & Buunk, B.P. (1999). Employees’ reactions to problematic events: a circumplex structure of five categories of responses, and the role of job satisfaction. Journal of Organizational Behavior, 20, 309-321.

  4. Janssen, O., Van de Vliert, E., & Veenstra, C. (1999). How task and person conflict shape the role of positive interdependence in management teams. Journal of Management, 25, 117-142.

  5. Karambayya, R. & Brett, J.M. (1989). Managers handling disputes: Third-party roles and perceptions of fairness. Academy of Management Journal, 32, 687-704.

  6. Karambayya, R. & Brett, J.M, & Lytle, A. (1992). Effects of formal authority and experience on third-party roles, outcomes, and perceptions of fairness Academy of Management Journal, 35, 426-438.

  7. Simons, T.L., & Peterson, R.S. (2000). Task conflict and relationship conflict in top management teams: The pivotal role of intragroup trust. Journal of Applied Psychology, 85, 102-111.

  8. Ting-Toomey, S., Yee-Jung, K., Shapiro, R., Garcia, W., Wright, T., & Oetzel, J.G. (2000).Cultural/ethnic identity salience and conflict styles in four U.S. ethnic groups.International Journal of Intercultural Relations, 24, 47-81.


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