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2024年1月1日(月曜)元旦。能登半島大地震発生。下血が続き緊急搬送に。お正月から東京医科大で入院へ。診断「下部消化管出血」危うく死ぬところだった。

12時起床。
昨夜は朝帰りだった。

本日、15歳の誕生日を迎えた末っ子が、
羽田に初詣に行った先から帰って来る。

そのままバタンキュー。

お雑煮。
嚥下障害持ちなので餅なしで。
美味しい。

日記を書く。
なんだかんだで2時間以上はかかる。

最寄りの郵便局へ行って、
長文を書いた一枚だけ
「並木通りの赤いポスト」に投函。

宛名を書いて、
差出人に「関東高田組」のシールを貼った年賀状。

若手映画監督の青柳くんに電話。
夕方から
今日も元気にUber Eatsの配達に行くことに。

ランチもお雑煮の出汁に、
海老天を載せて。美味しい。

トイレで排便だが、下血が続いている。

まるで「冷たい熱帯魚」の如く。
大事を取って、
今日のUber Eatsは休むことに。

青柳監督、原田専門家は
正月Uberを決行するらしい。

16時すぎ地震発生。
東京でもゆっくりと長く揺れる。

石川県能登半島が震源。

大型の地震、津波の可能性まで。
TVが次々と特番に変わっていく。
あのあたりは、
原発銀座であることからも心配が募る。

そんなときに便意と共に、また便所へ。
下血が止まらなくなる。

ついに8回連続に下血が続くと、
流石に顔面から血が引くような思いを自覚。

今日の誕生会のため、
末っ子の誕生日ケーキを買って
帰ってきたかみさんに報告するが、
もうフラフラで立っていられない。

そして一一九番を要請しながら
気が遠くなっていく。

なかなか通じない。

子どもたちにもお願いして、
三箇所からダイアル。

18時6分。
やっと繋がる。
そして消防庁の救命士
三人が駆けつけてくださる。

正月から申し訳ない気分になる。


椅子に座って、朦朧とするなか
基本通りにバイタルサインを確認していく。

体温、血圧、酸素濃度、意識レベルの確認。

そうこうするうちに、
救急車が到着。

今度は4人チームに入れ替わり。

再びバイタルサインを確認していくが、
血圧がとんどんと下がり続けていて、
上で86しかないと、
即座に搬送が決まり、
慌ただしく
ストレッチャーが搬入され、
横たわると、そのまま救急車へ。

バイタルサイン(vital signs)は、
生命兆候という意味の医学・医療用語である。
日本の医療従事者の間では、
(特に現場で)バイタルサインのことを
「バイタル」と略して呼ぶことがある。

救急車に乗るのは4度目だ。

一度目は、日テレのスタジオで収録中、
椎間板ヘルニアで一歩も動けなくなった時。
(原因は、人間サイコロと、
リング上でキラーカーンのアルバトラス殺法全部受け)

2度目は北海道で自衛隊と雪中行軍を
徹夜で2日続け、倒れて運ばれた。

3度目は、ウイルス性髄膜炎で
スタジオで倒れて搬送された。

車内で点滴を打たれながらも、
バイタルの数値を取られづづける。

ママも一緒に車内に乗りこみ、
付き添ってくれる。

最初、搬入先が決まらず、
しばしの待機。

元旦なのだから病院も限られるのだろう。

「なるべく家から近い方がいいです」と。

西新宿の「東京医科大学」に決まる。

通い慣れたる病院だ。

緊急車両のサイレンを鳴らしながら、
ノンストップで新宿へ。

救急隊の数字の確認連携の耳を傾ける。
「主訴、ふらつき」
「お名前 小野正芳 男性」……。
「症状、発汗、冷や汗、冷感……」

総合診療医ドクターGで、何度も見た光景。

◯◯◯という番号と共に、
「水道橋博士」
「了解」との声。

「今の数字は有名人の符牒ですか?」
と聞いても、
隊長は無視して一切答えてくれない。

「今のこの様子を動画で回して良いですか?」
と言うと「ご遠慮ください!」と。

刻々と、バイタルデータを取りながらも
険しい顔で、一切、気を抜かない。

しかし、ヘモグロビン点滴のあかげなのか、
段々とボクが生気を取り戻してくる。

血圧の上が90代後半になると、
「大丈夫です!良かった!」と。

ボクも俄然、普通の状態になり、
一緒に笑顔で話して
「良かった。顔色も良くなりました!」
と安堵してくださる。

西新宿の東京医大は建替えがしたばかり。

入り口でコロナの検査。
鼻に綿棒を奥まで入れられ、
「痛い!」と思わず。

そのままERへ直行。

広いER、
夜勤の担当チームは5〜6人もいるが、
皆さん、お若い。
「お正月から大変ご苦労さまです!」と。

ストレッチャーからベッドに移されると、
名前、生年月日の確認、
そして治療方針の確認。

MRを実施後、
投影剤を注射して、内視鏡検査に。

すぐにMR。

そして服を脱がされ、オシメ姿に。
点滴、体温、投影剤注射。
担当医の肛門への直診。
これが痛いのなんの!

そのまま内視鏡検査への同意書にサイン。

部屋は寒く、
バスタオルでも防寒が追いつかなく、
布団乾燥機のようなもので、
下から熱風を送り込まれる。

消化器専門医を待つ時間。
内視鏡検査のための浣腸される。

おしめがさらに大きなものに。

そのまま、大便も小便も垂れ流すのだが、
周囲は女性の看護師さんのみ。

「裸がユニフォーム」で生きてきた、
ボクですら恥ずかしい。

そのうち、突然、震えが止まらなくなる。
しかも激しく。
周囲も混乱。「シバリング発生!」の声が飛び交う。

シバリング(shivering)とは、体温が下がった時に筋肉を動かすことで熱を発生させ、体温を保とうとする生理現象である。 体が震えたり、寒い時に口ががたがた震えたりする。 身震いするという意味の英語である。 シバリングは、主に術後、全身麻酔からの覚醒後に起こる。

歯のかみ合わせがガタガタガタと。
自然に「ウーアーううアアあああうう」
などとうめき声が発せられ止まらない。
全身がブルブルブルと震えだし、
自分では止められない。

まるで体内に別人がいるかのよう
「エクソシスト」
のリンダ・ブレアーのように。


しばらくこの異常事態が続いたまま
消化器系の医者が到着。

入院してもらう趣旨説明。

「帰らしてください。
明日、家族が帰省するんです」
とブルブルと震え、
ガタガタと歯を鳴らしながらも頼み込む。

かみさんがERに呼ばれる。

その間もボクは震えたまま、
「ガチガチ、ア‐アー」と。
かみさんがあっさりと
入院を受け入れた瞬間。
「パパ、もう帰省はバラしたから。
ホテルも解約したから……」

その瞬間に涙が零れ落ちる。

嗚呼、あんなに子どもたちが
楽しみにしていたのに。
またボクのせいで……。

何もかもデジャブだ。

2010年に
すべて段取りしていた、
家族でフランス行きの前日、
ウイルス性髄膜炎で倒れて、
救急車で運ばれ、
すべての計画を反古にした。

あのときも、この東京医大だった。

麻酔をしないままで内視鏡検査。
再び、ポリープを焼け切る。

焼却したはずのポリープの傷跡から、
血管が飛び出していたとのこと。

その血管を焼け切る手術を施した。

人間とは口から肛門までの一本の管と
周囲の肉と骨と筋肉だ。

そして、考える葦だ。

病室が決まると、運び込まれるのは、
出来たばかりの新しい新病棟だった。

点滴と酸素吸入。
熱が計ると38度2分もあった。

かみさんと二人きり。

子どもたち3人だけの誕生会の様子を
携帯を通して見る。けなげだ。

各方面に電話。
仕事は体力を使うものは当然NGに。

中川マネと話合い。
5日の映画(エクスペンダブルズ)
のイベントは保留。
経過を3日まで待つことに。

奥野くんに電話。
6日の高円寺パンディット(ライブハウス)の
ダブルヘッダーを延期にしてもらう。
「あともしものときは、
 葬儀はパンディットでやるから安心して」と。

三又又三にも電話。
連日の松本さん関連の
こたつ記事の報道に気を病んでいるはず。

彼は完全に貰い事故であることだし。

『文春の松本人志の報道はほぼ真実です。
全てを知ってる三又又三から聞いたので確かです」

なんてタイトルで
世間に記事が流布されてバズっているのだ。

ボクと町山智浩さんの番組を
安易に要約してほしくはないのだが。

https://www.youtube.com/watch?v=D2bjwfrUajQ


原田専門家と青柳監督に電話。
彼らは今日もUber Eatsをやっているはず。

僕の部屋に行って、
入院道具をピックアップして、
病院まで届けてほしい旨を発注。

極私的Uber Eats。
忠実にミッションを完遂してくれた。

ありがとう。

彼らは、その後も新宿に居残り、
Uber Eatsを続けたらしい。

博士の家に潜入。

ピックアップに成功。

逃走中。

病院へ向かうジョーカー。

何食わぬ顔で潜入。

面会はできないわけだが、
作戦成功にほくそ笑む原田活動家。

23時半、無事、入院キット及びノートPCも手元へ。

鼻に管を通すと、人間は立派な病人だ。

一応、この写真をポストした。

毎日、日記を公表し、
ハカセ会ではYouTubeを更新しているので
無音に過ごすと皆さんに心配されることになる。

能登半島の状況をTVとネットで追い続ける。
心が痛む。
元旦から日本列島の悲鳴。

「日本中学生新聞」さんが、
災害時のX(Twitter)の使い方を
繊細に正しく踏襲していて感心。

入院書類に目を通す。

診断書の正式の病名は、
「下部消化管出血」──。

忘れられない元旦になった。
25時頃には就寝。

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