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【「藝人春秋」書評】浅草キッドファンが唸る一冊!!
BY花くまゆうさく


週刊『漫画ゴラク』2013/3/1号 花くまゆうさくの「未読山脈」より
 

今回読んだのは「藝人春秋」水道橋博士(文藝春秋)。

そのまんま東、甲本ヒロト、石倉三郎、草野仁、古舘伊知郎、三又又三、ホリエモン、湯浅卓、苫米地英人、テリー伊藤、ポール牧、爆笑問題、北野武、松本人志、稲川淳二ら15人の怪人・奇人・天才などを浅草キッドの水道橋博士が観察し続けたルポエッセイ。  
 

水道橋博士渾身のこの一冊、本当は正月にじっくり読みふける計画でしたが、仕事が重なり断念。

長年の浅草キッドファンとしては恥ずかしながら今頃やっと読みました。

読書弱者の僕にとって324ページもある分厚い本は、本来登れぬ高すぎる山ではあるが、浅草キッドの本は昔から別!
こんな僕でもじっくり読める、面白さと魅力にあふれた真にレベルの高い山でした。  
 なんせ1ページ内にある、たんなるダジャレではない意味深で気の利いた(トンチの利いた)フレーズ、対象者への見事な相づちや切り返しが無数にあるのだ。
 それが300ページ以上あるのだから、この本の中にある言葉選びのセンスだけで、座布団何枚必要か?ってレベル。
 それに本筋の各人物の魅力エピソードや博士の半生も加わるのだから、この本の中には笑いと驚きと輝きと哀愁すべて詰まってパンパンで、見た目通り正真正銘に分厚い本なんです。

 文字通り博士による、高度な論文でもある。
 
 浅草キッドの言葉センスが昔からとても好きでした。
 80年代はじめ日本中に巻き起こったのが漫才ブームと新日本プロレスブーム。漫才ブームの核はビートたけし、新日本ブームの核はタイガーマスクと古舘伊知郎。

 僕は、この本(藝人春秋)のキーワードになっている14才の思春期ど真ん中でそのブームをテレビから浴びてました。
 そして、大人になってからテレビで浴びたのが、ビートたけしのかっこいい毒と古舘伊知郎の実況スタイルを特殊に進化させた浅草キッドだったのです。
 特にテリー伊藤演出で浅草キッドが実力をフル発揮した「浅草橋ヤング洋品店」の電波は凄かった。

 ユーモアと毒が絶妙に入り交じった言葉センスで声を張り上げて怪人達の珍行動を実況する浅草キッドに僕は夢中。
 大人になってから、こんなに熱狂して見たテレビ番組は浅ヤンしかない。 

 テレビの前の大人を14歳にさせてくれる本でした。

 そんな事を思い出しながら夢中で読んだこの本も、僕を14歳や25歳や35歳にさせてくれたり、45歳の今、新たな気持ちにさせてくれる本でもありました。
 ちなみに浅草キッドの相棒・玉袋筋太郎さんの著書「男子のための人生のルール」と「新宿スペースインベーダー 昭和少年凸凹伝」。この2冊も、ホントに素敵な本でおすすめです。
 日本中の特に男子におすすめします。
 そして、浅草キッド著「キッドのもと」も是非どうぞ。


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【『藝人春秋』は永く読み継がれて欲しい一冊です】



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『藝人春秋①』文庫版 

(ボーナストラック)

 
・『2013年の有吉弘行』


(文庫解説)

 
・オードリー・若林正恭
 

 押印サイン本をおまけ

(変装免許証ブロマイドor缶バッチor江口寿史シール)
 
付きです。

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著名人書評 ⬇
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