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スムージング(平滑化)の話 1:概論

測定値の補正手法であるスムージング(平滑化)について、数回に渡ってお話ししていきます。今回は概論です。

スムージング(平滑化)の話
1:概論 ← この記事!
2:最小二乗法
3:5 点移動平均法
4:グレヴィルの方法
5:まとめ

スムージングとは

まず、スムージングとは何かお話ししていきましょう。下のグラフを見てください。

観測値のみ

このグラフは、「とある測定値」を表しています。「とある測定値」とは、実務の上では、年齢別の死亡率だったり、年齢別の給与(昇給率)だったりします。今回は特に想定はおかず、とにかく「測定によって得られた値」だと思うこととします。
さて、この測定値のグラフは非常にガタガタとした形をしています。その一方で、これらの真の値(真値)は滑らかであると考えられているとしましょう。実際、死亡率や昇給率は年齢によってガタついているとは考えにくく、真値はある程度滑らかな形をしていると思われます。
そこで、測定によって得られたガタガタの値から滑らかな真値を推定することにしましょう。この推定の数学的な手順こそ、スムージングと呼ばれるものです。スムージングは日本語で平滑化とも呼ばれます。

続いて、実際のスムージングのアイデアについてお話しします。

スムージングの方法 3選

スムージングの具体的な方法は数多く存在しますが、ここでは以下の 3 つの方法を紹介しようと思います。

● 最小二乗法
● 5点移動平均法
● グレヴィルの方法(3次13項式)

説明に先立って、この 3 つの方法によるスムージングの結果をお見せしましょう。

最小二乗法

5点移動法

グレヴィル

妥当性はさておき、ガタつきが補正され、滑らかな曲線(直線)が得られたことがわかります。

3 つの方法のうち、
最小二乗法は「直線を仮定し、直線と各測定値との“ばらつき”を最小にする方法」、
5点移動平均法とグレヴィルの方法は「各測定値に含まれる偶然変動を取り除く方法」
と言えます。

次回は最小二乗法についてお話しましょう。

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