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川奈ホテル✶旅行記

巷で噂のGo To トラベルを活用して、かねてから集めているクラシックホテルパスポートのスタンプをせっせと集めるべく、静岡は伊東の川奈ホテルにやってきた。

普段西日本方面まで出向く際は見向きもしない新幹線こだまで、熱海まで1時間弱。昼前に熱海に到着して一度腹ごしらえをすることに。
熱海に来たのは昨年の冬以来であったが、案外熱海は若者が多く、観光産業が落ち込む昨今でも賑わいの雰囲気を味わえた。

ランチは駅前の老舗純喫茶フルヤレストランのオムライス。
その模様は先日の日記でも書いたので今回は割愛。
https://note.com/suiseiclub_her/n/nd6545a722bff
そこから在来線に乗り換えること、20分。伊東に到着する。
チェックインまでは少し時間があったので、またまた駅前の純喫茶、エリーゼで休憩をして、タクシーに乗り込むこと15分ほどだろうか。
海沿いを走るその風景は一昨年訪れたニースを思わせる。道路標識を見上げると、行き先には「伊豆」の文字。熱海、伊東、伊豆が電車や車で20分ほどの距離にあることを思うと、たしかにここは日本の南仏。気軽に来られる行楽地であることが分かる。熱海、伊東、伊豆、すなわちモナコ、ニース、カンヌと言ったところか。そうこう言っているうちに、日本が誇るニース、伊東は川奈ホテルに到着した。

川奈ホテルは日本クラシックホテルの会に加盟する9つの中では1番創業が新しい、1936年開業。それでもすでに80年を超える歴史がある。
中に入るとすぐにゴルフウェアに身を包んだテディベアがお出迎え。ゴルフコースを併設する本ホテルは、平日だったその日もゴルフ客で賑わっていた。

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着いたのは14:30くらいだっただろうか。15:00のチェックインには少し時間があったので、館内を散策する。入口すぐに広がるラウンジは、川奈ホテルを象徴する広々とした空間。

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階下には、ファミリールームと名のついたレクリエーションルームがあり、ミニジャングルジムやテーブルゲーム、卓球台が2台置かれていた。同行の友人は高校時代に卓球でタッグを組んだ仲であったので、やらない手はないと思い、ラケットにシュッと消毒液を吹きかけ一戦交えることに。一戦と言ってもラリーも続かぬ素人スリッパ卓球。お互い相手を思いやりながらの対戦であったが右へ左へ相当な運動量。卓球って、こんなに走り回る競技だっただろうかと疑問を感じながらも十数年前に想いを馳せる。奇声をあげながら行ったり来たりすること15分程度だろうか。既にスタミナ切れとなった我々はそろそろチェックインも可能となったフロントへと向かった。

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広大なゴルフ場とその先に太平洋の広がるお部屋は、最近リニューアルしたのだろうか。クラシックホテルとは思えないほどのクリーンな印象。
部屋に置かれたホテルの説明書などをチェックしていると、「川奈ホテルクイズラリー」という1枚の紙を発見する。川奈ホテル内の見どころをめぐりクイズに答えていくというものだ。ホテルでの滞在がメインイベントとなる本旅行において、重要な道標となるに違いない。ひと息ついた我々はクイズラリーの用紙を片手に部屋を出た。

まず向かった先は屋上。螺旋状の階段を登っていくと、見晴らしのいい屋上にたどり着く。当初雨の予報もあった当日であったが、ちょうど雲が晴れ、美しい景色を見せてくれた。

その後、読書室へと向かう。クイズラリーには、当時、着物の女性のために背もたれを無くしたというソファについての問題が。背中の帯を気にすることもない我々は、当時は男性用とされていたフカフカの背もたれ付きソファに腰掛け、そこに根を生やす。他の宿泊客の追随を許さないくつろぎっぷりでリラックスした時間を過ごす。

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読書室の階段を下ると、そこには大きな窓のラウンジが。窓からは、屋外プールが見えて、数家族がわいわいと水遊びをしていた。

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探索と卓球で少々体力を消耗した我々は、クイズラリーで言及されていた喫茶へと足を運ぶことにした。
オススメはかき氷だということだったが、ピーチメルバの文字に心が惹かれ、そちらをいただくことに。
ラウンジ同様に大きく開かれた窓は、まるでサンルームのよう。まさにこんな夏の昼下がりをゆったり過ごすために作られたかのような、時間の進みがゆっくりな空間。
窓際には、ここから一望できる景色が記されていた。遠くの方まで見えたのだけれど、どこがどこなのかまでは分からなかった。水平線に大きな船が浮かんでいるのが見える。

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階下を見下ろすと、散歩道が広がっているようだったので、桃で腹を満たした我々は、再度探索へと戻る。
ゴルフコースにもなっているお庭は、広大で、テニスコート2面が丸々と収まっても全くその大きさには響かない。
雲が多く夕焼けとは言えない空模様はかえってムードを演出していた。ディナー会場からはハワイアンのメロディが流れてくる。突然ヒッチコック劇場に巻き込まれてしまったのかと思うような物々しい雰囲気。

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ディナーは特に予約していなかった我々は、ぐるりと外を一周すると、部屋に戻ることにした。
夕飯は、熱海駅で先に拵えておいた、お惣菜たち。なかでも私が楽しみにしていたのは、吉匠さんの、鰆の唐揚げ。常日頃から無類の鶏の唐揚げ好きの私だが、鰆の唐揚げは食べたことが無い。オススメはシンプルな味付けということだったので、ノーマルバージョンを購入。お酒の進む味わいだったが、グッと我慢。関東では見たことが無いけれど、よくある食べ物なのだろうか。熱海に行った際には必ず食べたい定番グルメにしてもいい。
そして、デザートには、立派な種無し葡萄を。そこで話題になったのだが、我が家では、葡萄と言えば、あの小粒な、デラウェアを指していた。大きな葡萄は巨峰。それか種無し葡萄。どの家庭でも、葡萄のスタンダードラインはデラウェアだと思っていたのだが、友人の認識では全く逆だという。巨峰サイズが葡萄。デラウェアは、デラウェア。まっさかー、と思っていたのだが、帰宅後、数人に聞いてみると、その数なんとフィフティフィフティ。それであれば私はこれからも巨峰を葡萄と呼ぼうかしら。今後も引き続き調査を続けて行きたい次第である。

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食事を終え、お待ちかねのバーへと足を運ぶ。クイズラリーによると、こちらの床は大理石がモザイクのようになっていて、大変珍しいものだという。またまた広々とした窓から外を眺めながら、トロピカルなドリンクをいただき、ほろ酔いになったところで寝床へと帰る。

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翌朝は清々しく、7:00から眠気眼で朝食へ。早めの朝食だと言うのに、会場は満員だという。少し覗いてみるとゴルフウェアに身を包んだテーブルがひとつふたつ。なるほどゴルファーたちの朝は早い。
30分ほど待つことになったので、友人をラウンジに残し再び朝の散歩をしに出かけた。
芝生そのままのテニスコートはサイドのパラソルも相まって昭和の避暑地にタイムスリップしたかのよう。短めのスカートにサンバイザーで、プレイしたいものである。

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そうこうしているうちに朝食である。刻印がされたオムレツがなんとも美しい。
ミルクピッチャーなど、食器に描かれた山が愛らしく、富士山ですかと尋ねると、伊豆の名山、大室山だということだ。
朝食を終えると帰り支度。またまた海沿いをタクシーで飛ばして、お昼過ぎにはすでに東京へと戻ってきた。

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