秋の旅路

『秋の旅路』

薄明かり、霧の隙間
秋の感情にのって旅を
寂寞の船をこぐ、独りきりの旅路
青は薄く、空は遠く、水面は揺れてさざ波立つ

11.2



偏西風の冷たさに緑の葉っぱも豪奢な装い    11.5


『木枯らしに招かれて』

木枯らしが
おいで、おいで、こちらにおいで
手招くままに、森の奥

おいで、おいで、全てを捨てて
おいで、おいで、風の向くまま

ふらりふらりと足を向ければ
死に絶えた万象の記憶
今はもうない、いつかの記憶
風の向こうに消えていく

11.7


『広い世界』

ひろいせかい
せまいせかい
廻りめぐる生死
宇宙の始まり

今日の晩御飯
星の消失
明日の一歩

ひろいせかい
せまいせかい
永遠に息づく巡り

11.7

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