創造の魔法使いのお話
創造の魔法使いのお話
世界がまだ、形も記録もなき曖昧な霧靄でできていたときのことです。その頃の世界は、時には水中の夢を写し出し、時には雨が降り続き、時には柔らかい毛布にくるまれた暖かな世界、そういうふうにいつも姿かたちを変えていました。
今のようにはっきりと水晶の星や、灰色の月などと決まったものは何もなかったのです。
ただ、小さな妖精や、伝説の生き物などはこの頃からいたようです。どこにいたのか、いつからいたのかはわかりません。しかしそれらの生き物は、曖昧な世界に包まれていて