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[国際女性デイ]女性創業の香水ブランド

3月8日の国際女性デイまで1ヶ月を切りましたので、女性が創設したニッチフレグランスブランドをまとめてみました。
香水ユーザーは女性の割合が多いにも関わらず、伝統的に男性社会。そんな中でクリエイションを続ける彼女たちに心から敬意を表します。

個人的なオススメのメゾンにはマークをつけました。私は軽めのフローラル、アロマティックなタイプが好きなので、かなり偏りがあるかと思いますが、似た嗜好の方は参考になさってください。
便宜上、購入可能な場所ごとにブランドを分けています。

デパート系

Jo Malone London/ジョーマローンロンドン

創業者:Jo Malone
調香師:Jo Malone、Christine Nagel等
出身地:イギリス ロンドン
代表作:イングリッシュペアー

言わずと知れたジョーマローン。略してジョマロ。おしゃれな人は大体持ってる。
創業者のジョーマローンは、貧しい家庭出身でしたが、フェイシャルマッサージ師として働く中で、上得意先相手に調合したバスオイルがセレブの間で有名になったことをきっかけに香水の道に進み、最終的にはJo Maloneというブランドを大ヒットさせました。現在はエスティローダーグループに事業を売却し、後述する別ブランドを立ち上げています。

ELLA K /エラケイ ★オススメ

創業者:ソニア・コンスタン
調香師:ソニア・コンスタン
出身地:フランス パリ
代表作:サガノの詩

ブランド名は女性冒険家、Ella Maillartの“ELLA”とソニアの祖父の名前 から“K”の一文字を合わせてELLA K としたとのこと。
旅をテーマにした香水ブランド。日本をテーマにした香水も2作あります。
アロマティックで心地良い香りが特徴。
特にサガノの詩は、柚子と竹と抹茶のハーモニーで、日本の夏にぴったり。欲しい。

今(2023.03.16-2023.04.27)HOTEL THE MITSUI KYOTOでコラボのアフターヌーンティーやってます。

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ノーズショップ系

Nicolai/ニコライ ★オススメ

創業者:Nicolai
調香師:Nicolai
出身地:フランス パリ
代表作:フィグティ
この記事を書こうと思ったきっかけのブランドです。
ニコライは、1989年、ゲラン家の血を引く女性調香師パトリシア・ド・ニコライが創業したフレグランスブランドです。
不透明な香水業界に風穴を開けた先駆者です。
日本人に馴染みやすい、繊細でアロマティックな香り立ちが特徴ですが、個人的には奥の方にトラディショナルなトーンを感じます。
ノーズショップではフィグティが大人気ですが、個人的にはしっかり苦いオー ドゥ ユズが好き。

Roos & Roos/ロス アンド ロス ★オススメ

創業者:シャンタル・ロス、アレクサンドラ・ロス
調香師:色々
出身地:フランス パリ

ノーズショップで2023年1月から取り扱い開始したばかりのブランド。

香水業界でキャリアの長い母Chantal Roos( シャンタル・ロス) と、ミュージシャンでシャンタルの娘Alexandra Roos (アレクサンドラ・ロス)とが母娘で立ち上げた家族の愛を承継するパリのフレグランスブランドとのこと。

Roos & Roosは売上の一部を、女性の権利向上を訴え、暴力と立ち向かう団体 La fondation des femmes (女性のための活動)に寄付しているそうです。

早速ムエットを試してみましたが、自然を感じる、使いやすい香りが多く好印象。値段もニッチとしては抑え目。個人的なオススメはマラマタ。本気モードの芝生。

Maya Njie/マイヤエンジャイ

創業者:Maya Njie
調香師:Maya Njie
出身地:西アフリカ、スウェーデン、ロンドン

伝統的に欧州出身の白人男性がかなりの部分を占める香水業界の中で、異質なバックグラウンドを持つマイヤ氏。
香水作りのテーマも独創的で、1970年代の古い家族の写真アルバムに触発されて、彼女の家族たちのひとつの時代をその写真と香りで活き活きと再現するという実験的なプロジェクトの一環とのことです。

Frassai/フラッサイ

創業者:ナタリア・オウテダ
調香師:色々
出身地:アルゼンチン

「スローな香水」をモットーに掲げる、アルゼンチンではじめて女性が設立した高級ニッチフレグランスブランド。
アルゼンチンと言えばフエギアが有名ですが、それだけじゃないんですね。
旅や偉人やお伽話をテーマにしています。

Andrea Maack/アンドレア・マーク

創業者:Andrea Maack
調香師:色々
出身地:アイスランド

アイスランドの著名なビジュアル・アーティストのアンドレア・マークによる、ウェアラブルなアート作品として2009年に創作された3つの香りを起源とするブランドとのこと。
火山・ツンドラ等の神秘的なアイスランドの自然をモチーフにしています。

Regime des Fleurs/レジーム デ フルール

創業者:アリア・ラザ
調香師:不明
出身地:アメリカ ニューヨーク

真摯な物作りと稀有な美的感性が特徴的な2014年に ロサンゼルスで誕生した次世代型のラグジュアリーフレグランスメゾン。
創業者のアリア・ラザは香りと美をテーマにしたアート映画の映画監督としてアメリカで高い評価を受けていたとのこと。
ここに挙げた女性創業の香水ブランドの多くは、ジェンダーレス(男女兼用)な香りを謳っていますが、これは珍しくフェミニン&クラシカルな感じがします。

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LE SILLAGE・セレクトショップ系

たまたまですが、全て国内メゾンです。

PARFUM SATORI/パルファンサトリ★超オススメ!

創業者:大沢さとり
調香師:大沢さとり
出身地:日本
代表作:ひょうげ

パルファンサトリは、2000年に始まったジャパニーズ・フレグランスブランド。
私の激推しブランドです。
日本の湿度や気候になじむ、軽やかでありながら、上品で芯のある香りで、性別年齢関わらずおすすめ。

大沢さとりさんの、香水とジェンダーについての見解はこちら。

女性DAYとは関係ないですが、日本における香水文化について語っているチューリッヒ大学での講演は、とても素晴らしいので是非呼んで欲しい。

上述のHOTEL THE MITSUI KYOTOにアメニティを提供してます。

R fragrance/アールフレグランス

創業者:村井千尋
調香師:村井千尋
出身地:日本
代表作:ティーブレイク

日本の調香師/クリエイターである村井千尋さんが立ち上げたメイド・イン・ジャパンのメゾンで、RIN: 凛、RICH:高級、豊かな、RARE:希少性のある、個性のあると言う3つの「R」をコンセプトにフレグランスをデザインしているとのこと。
人気のティーブレイクは、かなり再現度の高い紅茶。全般的に滑らかでうっすらと和を感じる香りが多いです。

Miya Shinma Paris/ミヤシンマ

創業者:新間美也
調香師:新間美也
出身地:日本 静岡、フランス パリ
代表作:月

フランスと日本を往復する生活を続けながら、香りのオブジェやオーダーメイド香水などの制作、香りに関する執筆や講演をしている新間美也さんが立ち上げたブランド。
先日の2022年サロンドパルファンで東京に来ていたのでちょっと嗅ぎましたが、自然を感じる美しい香りが印象的でした。

そして、香水好きにとってもオススメなのが、新間さんの「アロマ調香レッスン」です。これはアロマで香水を作ってみようという本ですが、思った以上に内容が濃い。2つのアロマを混ぜて香りの変化をみたり、香水の基本的な香調をアロマで再現するところから始まり、最終的には自分だけのアロマ香水を作るやり方がレクチャーされています。

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国外系

JO LOVES/ジョーラブズ

創業者:Jo Malone
調香師:Jo Malone、Christine Nagel等
出身地:イギリス ロンドン
代表作:ZARAコラボシリーズ

Jo Maloneがエスティローダーに「Jo Malone」を売却した後に立ち上げたブランド。
日本だと、ちょくちょくZARAとコラボしているのが有名ですね。

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その他

Boadicea the Victorious/ブーディカ ザ ヴィクトリアス

出身地:イギリス
代表作:

2008年にイギリスで創立されたブランドです。
創業者は女性ではないですが、実際に存在したと言われる古代ケルト族の女王(当時のイギリスの女王、現英国女王)「ブーディカ」から名付けられたことから、ここに挙げました。
彼女の美しさ、強さ、気高さからインスパイアされて完成したとのこと。

こちらも先日の2022年サロンドパルファンでの初来日時に、行列に並んでちょっと嗅がせてもらったのですが、素敵な香水瓶に似合う、濃厚でクラシカルな香りでした。

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まとめ

こうして見ると、女性創業ブランドは比較的新しいものが多く、地域性、アート性、個人の想いを反映したブランドが多いと感じました。まとめていて楽しかったです。
もし、他にもあるよ!という方がいらっしゃいましたら、コメントください。随時追加します。

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