タモリが一番面白い芸人。だからビートたけしや志村けんはタモリに対してコンプレックスをもっていた。

たけしがタモリにコンプレックスもってたのは知ってるけど、志村けんもそうだったみたい。
だからタモリコンプレックスなもの同士による同盟な企画が『タケシムケン』だったのかな。アンチタモリな我々ですよ、的な。

「きっとタモリは自分らのお笑いなんてくだらないと思ってるんだろうな」そういう気遅れでしょ、たぶん二人に共通してあるのは。
一方的に敵対視する独り相撲で。タモリの方は別に彼らのことをなんとも思ってなくて。

ビートたけしや志村けんはベタの笑いで、タモリはメタな笑いだから。
ドリフがベタで、ひょうきん族はメタな笑い。
テレビマンの立てたメタなコンセプトをベタな芸人を使ってやったのが、ひょうきん族では。
あくまで芸人は駒でありプレイヤーでは無い(だから『エンタの神様』にひょうきん族は、いま思えば近いのかも)。

ひょうきん族の頃はまだテレビ局にも人間の情というものがあって、芸人を使い捨てずに育てていた。
タモリ、ビートたけし、明石家さんまのBIG3以降に彼らと並ぶ芸人が出てこないことについて聞かれたビートたけしが「いまのテレビは若手を使い捨てで育てないから(意訳)」みたいな事を言っていた。

いまは数撃ち当たった若手芸人をギャラが安いときだけ使い倒し、ギャラが上がれば即お払い箱で、また次の新しい芸人を数撃ちゃ当たるで売れた芸人を安いギャラの間だけ使い倒すを繰り返す。
その方がコスパが良いから。
だからそのいっときだけ消費されればいい出オチじみた刹那的な芸風ばかりが消費されるようになった。

芸人としての面白さの格は、
タモリ>ビートたけし>志村けん
、こういう序列だと思う。

あくまでいまの司会者なタモリではなく面白かった頃の初期のタモリね。
初期の、文化人のサロンのような場で“密室芸”と呼ばれるスノッブ受けでハイブロウな笑いやってた頃のタモリ。

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