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プリンセス・プリンシパルCrown Handler 第2章の感想


映画が公開されてだいぶ経って今更感があるが、プリンセス・プリンシパル第2章の感想を書いてく。
自分は、映画公開日の翌日に鑑賞した(公開日に仕事があったため)。作品を見終えて、もうとにかく「あ~、またいいものを見させてもらった」という気持ちになった。制作に携わったスタッフの皆さんには感謝しきれない。安定したクオリティで安心して作品を楽しめたし、プリプリらしさのある予想もしない展開を突き付けられて、見事に魅了されてしまった。


物語の動きだし

 本作品は2章ではあるものの、Crown Handlerの核心となる話がついに動き始めたということを強く感じた。1章でも軽く触れられてはいたが、「王位継承権」というキーワードが2章では全面的に出てきた。新たなキャラクターも登場し、王国・共和国・第3勢力・チーム白鳩それぞれの駆け引きがより複雑になっていくところが、非常におもしろかった。3章以降でもよりいろいろな思惑が交錯していくと思うとワクワクしてくる。


新キャラクター

 今回も新キャラクターが登場。1章でもOPや次回予告の時点でさらっと出てはいたが、2章で本格的に登場。それぞれ王位継承権をもつ、英国紳士エドワード、金髪幼女メアリー、ヘラヘラ王子リチャードと魅力あるキャラクターだった。中でも自分はメアリーの可愛らしさにやられてしまった。なんだあの幼女は。幼いからあどけなさがあるんだけれど、王室の人間としてしっかりしていないとと気を張っていて。でも、やっぱり不安があって怯えている。そんな姿にもう魅了された。ノルマンディー公に「早く部屋に戻りなさい」と言われた時にびくびくしているところ、船上式典でプリンセスが席を外した時に表情が一気に重くなってしまったところなどから、彼女は本当にいろんなものを抱え苦しんでいるんだろうなというのが見えて、切なくなってしまう。最終的には報われて欲しい…。


プリンセスの「お姉さん感」

 今までのTVシリーズや第1章までのプリンセスというと、一国の姫君であって高貴で近寄りがたいイメージであったり、アンジェとの対等な関係の人間であるというイメージが強かった。しかし、今回はそれまでのイメージとは全く違うプリンセスの一面が見られた。プリンセスの「お姉さん感」がものすごくあふれ出ていたのだ。それは、メアリーという新しいキャラクターとの関係性から浮かび上がってきたものだと思う。怯えるメアリーにそっと手を添えてあげたり、紅茶を飲みながらお話してあげたり、船上式典にお供してあげたりと、とにかくプリンセスはメアリーに対して献身的なのだ。なんだか急にプリンセスが大人びた感じがして、新鮮だった。そして、単純に「プリンセスとメアリー、これおねロリじゃん…!」と思ってしまった。おねロリ好きの自分としてはとても嬉しかった。


音楽(BGM)

 TVシリーズからプリプリの音楽(BGM)はとても気に入っていて、サントラを買ってよく聴いたりもしている。映画でもTVシリーズのときの音楽は使われているが、よくよく聴くと映画で新たに使われている曲があることに気づいた。第1章ではビショップとのやりとりの場面で使われていた曲。今回でいえば、プリンセスとメアリーが紅茶を一緒に飲むシーン、アンジェ・ドロシー・ちせが劇場にCボールで潜入するシーンなどで使われていた曲。これらはTVシリーズのサントラでは聴いたことがなかったものなのでおそらく新規で制作されたものだと思う。新規の曲も作品の雰囲気にマッチしているし、なによりお洒落さがあってとても素敵だと思った。3章以降もおそらく新たな曲が追加されるだろうし、全章公開された後はサントラも出るんじゃないかと予想と期待している。楽しみだ。

フランキーの登場

 もしかしたら、これが2章の中で一番嬉しかったことかもしれない。共和国のスパイが劇場を監視しているシーンで彼が登場した瞬間、心の中で「やった!」とガッツポーズをしてしまった。フランキーはTVシリーズのドロシー回、洗濯工場回で登場する借金取りの男。独特の口調といい、にじみ出る小物感といい絶妙に良い脇役で、シリアスなプリプリの雰囲気にアクセントを加えてくれるキャラクターだ。TVシリーズのときから気に入っていたが、まさかここで登場してくれるとは…!今回も別に物語の根幹にかかわってくるわけではないのだが、彼の登場はものすごくインパクトがあった。今回だけとは言わず、もう一回くらいちょこっとでもいいから登場させてほしい。フランキーがいるだけでプリプリ作品の楽しみが増えるので…。


エドワード死後の
ノルマンディー公の動きが気になる

 物語の最後はまさかというか、予想を裏切られた展開であった。王位継承権第1位のエドワードが暗殺され、第2位のメアリーも暗殺されかけ、しかもその首謀者が第3位のリチャードという。いやはや大変なことになってきたぞというところで2章は終わるのだが、もうこの後の展開が気になって気になって仕方ない。
 リチャードの思惑は作品中にも出てきたが、王室に革新をもたらしたいとういうことだろう。しかし、王位継承権は3位。仮に王女(祖母)から王位が移ることになっても、まずエドワードが王位につくだろうし、そのエドワードから王位が移っても次はメアリーであり、リチャード自身が王位に就くことできるのは相当先になってしまう。ならば、自分よりも優先順位の高いやつらがいなくなってしまえば…ということで、エドワードは暗殺されるし、船上式典でメアリーが狙われたのだろう。
 リチャードの思惑は作品を見れば割とつかめるのだが、より気になったのがノルマンディー公の今後の動きだ。エドワードが殺された現場を見たときのノルマンディー公のあの険しい表情。いつになく恐ろしさが際立っていたように思える。作品中でノルマンディー公はエドワードに対して「お前は辛抱強かったからな、エドワード」と話すシーンがあり、ノルマンディー公王室の中でもエドワードに信頼をおき、気にかけていたのだと思われる。王位継承権も1位であり、一番すんなりいくのがエドワードを次の王にすることなんだなということがうかがえる。しかし、そのエドワードが殺されたことで話が変わってくる。今まで自分が力を注いでいた人物がいなくなってしまったのだ。さぁここでノルマンディー公はどうするのだろうというのが、とても気になった。
 単純に考えれば、次の王位継承権は無事生き残ったメアリーにあるのだが、ノルマンディー公とメアリーとの関係はあまりよくなさそうなのが見てとれた。「早く部屋に戻りなさい」である。なぜ関係が悪いのかというところまでははっきりとわからなかったが(メアリーの親との関係がある?)、この状況からしてノルマンディー公はメアリーを支持するとは思えない。となると、次はリチャード。ノルマンディー公との関係はよくもなく悪くもなくというところだろうか。ノルマンディー公のリチャードへの態度は一定の距離を保っているような丁寧さがあった。表面的には関係性は築けているが、なんと言ってもリチャードは王国に革新の風をもたらしたいと言っている。表には出していないが、明らかにこの二人は対立していくことになると考えると、リチャードも支持されにくい。
 このことを踏まえると、もしかしたらノルマンディー公はプリンセスに肩入れする可能性があるのではないだろうか。特に関係性にわだかまりもなく、リチャードのような対立もない。しかし、プリンセスがノルマンディー公に支持されたら、チーム白鳩としてはより厄介なことになりそうだ。共和国のスパイであるのに、メンバーの1人であるプリンセスが王国の事実上トップに支持されるという状況になるのだ。大変なことになってしまいそうだ。
 これは、あくまで予想なので裏切られることもあるだろうけれど、ここまで考えさせられるという点でもかなり作品として優れているなと感じた。


その他、気になったところ


・戦闘シーン
 戦闘シーン、相変わらず良い。アンジェとちせが第3勢力の謎の男とドンパチやるところがスピード感あって、しびれる。というかアンジェとちせ、だいぶ信頼関係を置くようになってきて、なんだか嬉しい。


・ケイバーライト爆弾
 冒頭から登場したケイバーライト爆弾。開発の競争をしていたり、実験をしていたりと、モチーフとしてはやはり原爆なのだろうか。19世紀は実際、あんなもの作られていなかったし、そもそもケイバーライト自体存在しないのだが、プリプリ作品はこういう嘘を存在したかのように見せるのがほんとに上手だなと思う。「まあ19世紀もあるよね~」って感覚で見れてしまうから、感心する。


・ノル公と話してた人は誰?
 リチャードの見舞いの後、車に乗ってノルマンディー公と談笑していた人物がいたが、あれは誰なのだろうか。多分、今までにも出てきていない。しかし、ノルマンディー公とかなり距離が近いことから重要な人物なのではないだろうか。エンドクレジットで「ポール」なる人物の名が書かれているが、これだろうか?気になる。


・ドロシーたちのことを心配するベアトが切ない
 監視でドロシーと二人きりなったベアト。作戦の内容をドロシーに聞くが、不安になったのだろう「ドロシーさんたちは行かないですよね…?」と心配そうに尋ねる。ベアトも初めに比べずいぶんスパイ活動には慣れてきたけれど、やっぱり普通の女の子なのだ。やっぱりスパイは普通の女子高生の暮らしとは随分違うのだからわけもない。でも、一緒に活動してきたメンバーは大切な仲間であり、友達であり、失いたくないものなのだ。なんかそのことを再確認したことで、すごく切なくなった。ドロシーもドロシーでその無垢な質問にうまく答えられないところが切ない。
・ちせが相変わらずおっちょこちょい
 戦闘シーンではアンジェと並んでかっこよく決め、刀を振り回す姿が勇ましいちせだが、おもしろ要員であり、おっちょこちょいなところがあるところがまた愛おしい。第1章では暗号解読の時に変顔をし、運転に自信をもってきたところで川に落っこちるというところが見事だった。今回、変顔はなかったが、アンジェの嘘(恐竜の祖先の話)を信じたり、劇場のドラゴンを見て的外れな発言をしたり、コーヒー飲んで「うげぇ」と舌を出したりと、これでこそ、ちせだなという場面が見られてよかった。戦闘シーンとのギャップがまた良い。

 細かいところまで楽しみたくて、結果的に5回くらい映画館に足を運んだ。それくらい良い映画だった。もう一回くらい見たいが、そろそろ全国的に上映終了してしまいそうな感じもあるのでBlu-rayを待つしかないか…。次作、3章もとても楽しみである。
 

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