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チェコ記

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チェコにまつわる旅行記エッセイ。はんことイラストつき。 チェコの小さな街について紹介しています。
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#チェコ

#チェコでしたい10のこと

2019年、コロナ禍以前に訪れて以来、5年ぶりに来た。チェコだ。私は今、チェコにいるんです。なんか自分に言い聞かせないと、まだ実感がない。 プラハに到着して早々、準備不足と詰めの甘さが招いたさまざまなトラブルに見舞われたものの。AirBNBで予約していたアパートにチェックインすると、ホストはなんだかとても優しくてゆるい雰囲気のファミリーだった。プラハ在住のお友達にもようやく会えて、行ったことのあるところ、ないところさまざまに案内してもらって、街の歩き方を少しずつ思い出して。

15年越しの恋が、本になりました。

じゃじゃん。 初めてのエッセイ本『32歳。いきなり介護がやってきた。』が11月に発売され、ちょうど半年後。なんと新刊が出ました! タイトルは、『チェコに学ぶ「作る」の魔力』。 かもがわ出版さんより、2022年5月26日刊行です。 前回の本は、note/cakesでの連載の元原稿があったので主な作業は加筆・修正でした。今回のこちらの本は、完全書き下ろし。ここまでくるのは、とてもとても、長い道のりでした…。 チェコとあまの チェコ本ができるまで二度目のチェコ旅行時、当時28

チェコビールの街・プルゼニュの醸造所へ

10月のはじめの週末、プルゼニュという街に来ました。 さっそく、黄色いトラムを見て興奮。 プルゼニュは、英語ではピルゼン、とも発音されたり。プルゼニという表記も見かけますがひとまず私はチェコ発音に近い「プルゼニュ」で。プラハから快適な直通バスで50分、89Kc(約420円)でこれました。近!! なぜこの時期にこの街にきたのか…?と問われれば、そう、目的は「ピルスナーフェス」!例年10月1週目頃に行われる、プルゼニュの街全体を巻き込んだお祭りです。 チェコといえば…?と

チェコにも強制収容所があるーテレジーン

いわゆる「強制収容所」と聞けば、「アウシュヴィッツ」と発想する人も多いだろう。私も実際、ポーランドのアウシュヴィッツでのツアーにも参加したことがある。 小学生の頃、家族旅行で沖縄のひめゆりの塔に行って以来、戦災を経験している場所にはよく足を運ぶようになった。ヨーロッパの国には、いくつかの強制収容所があり、チェコにもテレジーンという街にテレジーン要塞がある。 テレジーンという街は、第二次世界対戦時にチェコがナチスドイツに占領された後、ユダヤ人ゲットー収容所として姿を変えさせ

チェコ周遊旅のススメ ープラハしか行かないなんて損してる 編ー

大事なことなので強めに言いました。 過去にチェコ共和国を訪れたことのあるひとで、「プラハ」しか行かなかった、あるいは「今度行くけどプラハだけでいいや」と思っているそこのあなた。 ごめんなさい、ちょっと損してます。 チェコ周遊旅を、していないなんて。 チェコは交通費が安い&周遊旅がしやすい国なんども口を酸っぱくして言いますが、チェコの国土面積は北海道と同じくらい。首都のプラハを拠点にしても、1時間程度でいける街がたっくさんたっくさんあります。最大でも3、4時間程度で端から端

チェコのガラスボタン工房へ

旅先でついつい探してしまうもの。それは「手作りのもの」。 できれば、どこの国で作ったのかわからない、観光客のお土産品をつかまされたくない。その土地の人がつくって、その土地の人が使うために作られたものを見たい。体験したい。手に入れたい。それが旅人の欲望というものではありませんか。 Made in チェコの手作り品。 その代表的なもののひとつが『ガラスボタン』だ。 聞けば、チェコのガラスボタンは、『リンゴの木のある土地』という名前の都市で手作りされているらしい。 ん?な

チェコの藍染め工房へゆく

10月のちょっと冷え込む日、「ストラージュニツェ」という街に降り立った。スロヴァキアとの国境にほど近い、チェコのモラヴィア地方の街だ。 もう、駅からして可愛すぎる。駅は改装の真っ最中で、この建物も新しくペイントされたばかり。 ホテルまで歩く道すがらに、駅と同じもようが入っているお店を発見した。 壁面にはモラヴィア地方の伝統紋様が描かれている。ちょっと可愛すぎるな…。 店名は"Vino Botur"だが、大きく書かれた"Vinoteka"の文字が目立つ。 Vinotekaは

チェコの小さな街へ、チャペック兄弟に会いに行く

チェコの小さな街へ行こうさて、チェコの旅行記の連載をはじめようと思います。 チェコ共和国は、日本人にとって、馴染みがあるようなないような、いや、ない人にとっては全くない。大好きな人は大好き。そんな国。 だからこそチェコの情報は、探してもなかなか出てこないことも多い。特に小さな街やマイナーな都市について日本語で書いているものは少ない。だからこそ、いざ現地に行こう!と思った人の手助けになるような詳しいお話や、そのほかにも旅先でのエピソードなど含め、イラストとはんこをまじえたエッ

チェコの手仕事と文化にふれる旅ーマリオネット(フルディム)

チェコのフルディムという小さな街に、「パペットミュージアム(マリオネット博物館)」がある。 マリオネットの博物館があるのはこの街だけではないのだけれど、この博物館のためにこの街にくる価値も十分にあるくらい、ここは常設展示が充実している。 フルディムの中央広場のすぐ脇道をはいったところに、人形博物館(マリオネット博物館)の表示が見える。表示の指が指している方向が建物だ。 贅沢なことに、今回はじっくりと英語ツアーガイドをしてもらった。 (長身の美女…!身長差よ...!)

「女王の街」で建築散歩ーフラデツ・クラーロヴェー

クイズ。この建物は、なんでしょう? ①公民館 ②語学学校 ③教会墓地 正解は...。 * * * デデン。 ③の教会墓地、でした。 非常に日本語訳しづらい名前だが、「アムブローシュ司祭教会」または「チェコスロバキア・フス教会 」とも言われるようだ。 この場所で私は、新たな「弔い」の形と出会った。 なんだか、とても胸を打たれてしまった。 ちょっと見えづらいが、写真の右下に、格子状に見えるガラス窓、そして台に乗った人が見えるだろうか。 あまりアップの写真

チェコの強制収容所で、14歳の少年たちが秘密裏に作った文化

『不自由』の中で暮らすこと。このコロナ禍で、以前よりもそのことについて思いを馳せる時間は増えてきた気がする。 たとえ衣食住に困る環境でなかったとしても、今いる場所から出られないことを不自由と感じる人がいる。衣食住に困る状況なら尚更深刻だ。 14歳やそこらの年齢で、親元を引き離され、限られた荷物で、場所で、食べものもろくに与えられない強制収容所に暮らした子供達が、かつてチェコのテレジンという街にいた。 そしてこのテレジンでは、なんと、10−15歳の男の子たちが毎週発行してい

いま、岩手で「チェコ」がアツい

最近、岩手県・紫波町でチェコがアツい。 いったいなぜなのだ? どうやら、チェコチェコうるさい人が移住してきたせいですね。 あ、私か! そしてどうやら、チェコチェコうるさい人は、書籍も刊行したそうですね。 その名も『チェコに学ぶ「作る」の魔力』。 あ、私か! 昨年、東京から紫波町へ引っ越してきたのですが、ここで生活してみて、紫波町の風景や空気が、なんだかチェコ共和国で感じたものと似ているなと思うようになりました。 チェコアニメを上映しちゃおう! そんな紫波町で、チ

チェコ好きがおすすめする本・3選

絵はんこ作家のあまのさくやです。 昨日、はじめてのインスタライブ『チェコを愛する女たち〜チェコの本とカルチャーの夕べ〜』を行いました。 (アーカイブはこちらのアカウントから、5月10日20時までみられます) インスタライブの中で紹介した本と内容をご紹介。 絵描き・はとのおすすめ本 『ふしぎな庭』(ZAHRADA)/イジー・トゥルンカ チェコのアニメーション監督としても有名なイジー・トゥルンカ。トゥルンカが文章と絵の両方を手がけた唯一の絵本を、はとさんがご紹介してく

近況報告ー【チェコ】をテーマにした個展を終えて

大変ご無沙汰しております。時が止まっていたかのように、完全に更新がストップしてしまっていました。なかなか活動的に動いていた昨年末から年末年始を挟んで、いまようやく、なんだかnoteに向き合えそうな気がして書き始めました。 近況報告昨年12月に、個展を行いました。テーマはずばり… ということで、「チェコ」。 押上にある、一軒家カフェikkAさんにて。東京スカイツリーの麓にある、紅茶の美味しいお店です。広々とした店内を贅沢に作品で埋め尽くさせていただきました。 展示のコン