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#212 真の姿を肯定する”竜とそばかすの姫”

細田守の新作ということで気になっていたこちらの映画を観に行った。

#212  竜とそばかすの姫

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竜とそばかすの姫とは

『未来のミライ』でアニー賞を受賞した細田守が、インターネットの光と闇を独自の解釈で描いた冒険アニメーション。インターネット上の仮想世界で歌姫となった少女が、ネットの秩序を乱す“竜”と出会い、やがて自身の歌声で世界を変えていく姿を描く。

まず開始5分で魅力された。

IMAXで観たせいもあると思うのだけど、圧倒的映像表現に音楽。新海誠の映画のように、その世界観に入り込むで時間は必要としなかった。

それに演出だけではない。周りでは感想が二分していたのだけど確かな”テーマ性” があり、私はとても好きな映画だった。

普及の名作「美女と野獣」をモチーフに(城のデザインも名前も二人の性格もかなり似せている)描いているのは、現代社会のネット社会における真の自分について。

容姿はただの入れ物に過ぎない。どんな姿形をしていようと、あなたはあなたであり、それが素晴らしいと肯定してくれる作品だと思う。

人の目を気にし過ぎてしまう鈴と、周りから散々に言われ・思われてしまうが、自分の信念を貫き通す母親とカミシン。

Asを通して生まれ変わり自分に自信をつけていく鈴だけれど、「竜」と出会い助けることを通して、「外側」がなくても前を向いて胸を張っていきていけることを学んでいく。


<その他>

・橋の裏に水面を描いていて美しい。映像表現がすごい。

・全ての作品から感じ取れる細田守の「愛」とは、見守ること。

・朱色の線で描く意味とは?

・細田守作品の泣くシーンは胸を打つ。綺麗に泣くのではなく、胸の奥から絞り出される引き裂かれるような声。とめどなく溢れる涙。

・「そばかすの姫」と「竜」が会えてしまうシーンはファンタジー感強め。

・「ヒロちゃん」が母親の話を「鈴」に話してしまった時の「知ってるよ。だから一緒にいるんじゃん」という旨のセリフは、同情で一緒にいてあげてる感があって悲しくなった。




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