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八戸えんぶり2024<雑感>



※※長くなるので随時更新していきます※※
2024/2/24 23:00 加筆しました



忘れないうちに記したい。
今年も予想をはるかに上回る最高さで毎日寝不足のまま走り回った4日(3.5日)間でした。

えんぶり、知れば知るほどおもしろく奥が深く良さが溢れすぎてどんどん好きが増す。
もはや私という存在の一部はえんぶりでできていると思う(謎)

えんぶりを見るのは今年2年目で、去年は17日〜19日の3日間公式スケジュールをメインに見て回って(来年は門付けをもっと追っかけたいな〜)と思ってたのですが、門付けスケジュールって公になってるわけでもなく地元の行事的側面が強いので部外者が見たいと思ってすぐ見れるものでもなく。

事前にある程度は情報収集して挑んだものの、現地での運やタイミング、ご縁などによって左右され、一時の判断で1日の予定がガラリと変わったりしてハプニング要素が大きくそれが楽しくて中毒性が高い。
八戸の街をフィールドとして遊ぶリアルRPGみたいな感じ。

街中でお囃子が聞こえてきた時、えんぶりを見つけた時、確実に脳内麻薬が分泌されていると思う。
どんなに体が疲れていても、お囃子が聞こえると走り出してしまう。
そして頻繁にお囃子の幻聴が聞こえて、えんぶりを探してしまう重度の中毒症状。
沼が深すぎる…

※公式スケジュールだけでも膨大なえんぶり量なので、ステージだけ見てももちろんたっぷり楽しめます!

この記事は私個人の行動記録と感想、えんぶり愛をひたすらしたためるだけのnoteです。
かなり長くなると思いますが、興味ある方はどうぞ見て行ってください〜🍣

《1日目》2024/2/16

八戸えんぶりの公式スケジュールは2/17〜2/20ですが、初っ端の長者山新羅神社の奉納は朝7時からなので前乗りしないと間に合わない。
今年は16日に午後半休を取って新幹線に乗り19時過ぎに八戸着。
予定ではそのまま宿にチェックインして長者山に向かう予定でしたが、ここで第1ハプニング発生。

八戸市鮫町という地域で伝承されている「鮫神楽」の練習会があるとのことで、見学できるよとお声がけいただいて急遽向かうことに。
鮫神楽、ずっと見てみたかったのでとても嬉しい!

鮫神楽
50年以上ぶりに復活させたという演目

2/23の公演に向けての練習会だそうで、墓獅子も見れるし重地えんぶり組も見れるしめちゃくちゃ行きたい…😭

練習会には、隣町で活動する白銀四頭権現神楽の方も見に来ていて急遽舞っていただけることになり、さらなるラッキーハプニング!

ホクホク気分で本八戸に移動してホテルにチェックイン、そして長者山に向かう。

八戸えんぶりには「札取り」というものがある。
今年は34組のえんぶり組が参加しているが、この札取りの順番がそのまま奉納や行列の順番となり、一斉摺りの場所もメイン通りとなるので多くの観客に見てもらえることになる。

また、一斉摺りの後も早い順から門付けに繰り出すことができるので、前と後ではもらえるご祝儀の額にも差が出てくるんだとか。

そんな理由から「札取り」はとても重要で、早い番号を取るために何日も前から長者山に旗を立て泊まりこむ。
お山では、いつでも摺りが披露できるように衣装を身につけて囃子方も全員揃った状態でないといけない。

一番札めっちゃデカい

今年一番札を取った東十日市は12日から、ニ番の妻神は13日、三番の小中野は14日に山にあがったんだそう。
お山では、他のえんぶり組と酒を酌み交わしたりお囃子の共演をして過ごすんだとか。


《2日目》2024/2/17

17日の午前0時に新羅神社の鳥居前で「取締えんぶり組」による衣装のチェックや人数が揃っているか等の審査があり、その場で摺りを披露。

この「取締えんぶり組」という存在を今年初めて知ったのですが、全6組(売市、糠塚、中居林、横町、十一日町、内丸)からなり、旗に「取締朳」と入っていたり紫色の小さい旗がついていたりしてめちゃくちゃかっこいい。
そもそも取締組の概念と存在がかっこいいし憧れる。

その昔まだ100組以上のえんぶり組がいた時代、縄張り争いなどの喧嘩がよくあったらしく、それを取締まる存在だったそう。

取締朳 審査員のみなさん


そして「旗」というのもえんぶりでは象徴的なもので、旗が立ってるイコールそこにえんぶりがいるという事なのですね。
その事実に気づいた時、私は体の底から湧き起こる「えんぶりぃぃぃぃ」という感動がありました。

門付けをする際も、まず旗を立てることで「オラがここで今から門付けすっぞ」というアピールになるんだという。


話が脱線するのですが、google mapに「えんぶり」と入力すると、内丸えんぶり組の詰所が出てくるんです。
本八戸駅のすぐ近くなので、電車待ちの時間に立ち寄ってみたんですね。
そしたら内丸の旗が立っておりまして。

嬉しくて写真を撮りまくったり掲示物をまじまじ眺めたりなどのオタク行動をしていましたら(朝7時前)中から寝起きと思われる組の方が出てきまして。
まさか人がいると思っていなかったので恥ずかしさと申し訳なさで、すみません!と謝って逃げ帰ったのですが、その時に旗が立ってるというのはそこにえんぶりがいるということかー!!!という気づきがありました(?)
脱線終わり。

さて、何の話でしたっけ?
札取りの話でした。

17日の0時時点では16組程が順番待ちをしていました。
札取りの摺りが終わってもこれはまだ仮受付らしいので、えんぶり達は引き続きお山で待機。

ちなみに取締組は札取りは関係ないので、取締の6組は並びません。

私は宿に戻り仮眠。
お風呂に入ったり荷物を整理したりしつつ、朝7時には奉納摺りが始まるので寝れたのは結局1時間くらい?
むにゃむにゃ言いながら再び長者山へ。

朝になるとほぼ全組が集まっていて、見渡す限りすべてがえんぶり。夢の国。お囃子が混じり鳴り乱れるカオスの世界。
観客とえんぶり比が1対10くらい。しあわせ…😇

新羅神社で奉納摺りをした後、桜山招魂社の前、頌徳碑という石碑の前でも一礼をする。

新羅神社での奉納 美しい光景です…
桜山招魂社前
頌徳碑前

頌徳碑については、こなんぶラボさんの動画で見て知ったのですが、本当にためになるし面白いのでおすすめです!

(また脱線しますが、mamoさんの発信されているえんぶり情報がすばらしくてとてもお世話になっているので、ご本人に直接お礼を言いたかったのですが、話しかけることができませんでしたー😭
何度も近くでお見かけしたので心の中でありがとう❤️と念じておきました。本当にありがとうございます。)

奉納が終わったえんぶり達はまつりんぐ広場へ。
ここでも各組のお囃子や舞が見れるので、当日始発で来る方はここから見るのが良いかも。

まつりんぐ広場
こども達の祝福芸の練習が見れたり

まつりんぐ広場から市街地に向けて行列が出発し、各えんぶり組が指定の位置についたら一斉摺り開始!

私は今年出演している ながえんぶり6組(売市、重地、中居林、横町、石堂、平内)を全部見たい!という野望があったので、一斉摺りでは平内→売市と移動しながら見ました。
表通りは人だかりで見づらいので、売市→平内にすればよかったかなーと後から反省。来年に活かします。

あと、これもこなんぶラボさんの動画から得た知識なのですが、売市の旗には「元祖藤九郎」の文字が入っていると。
取締朳+元祖藤九郎というかっこよすぎる旗。
配色も売市特有の色でたまりません。

また、奉納の時も売市だけは中まで入るとのことだったので、その部分もばっちり見届けました💞

売市は全えんぶり組の中でも格が高いというお話でした。気になる方は、こなんぶラボさんの動画を見てみてください!(オタク養成)

2/17に見たえんぶり組は下記の通り。

一斉摺り:平内、売市ほか
門付け 市街地:十一日町、八太郎
はっち:名川中学校
門付け みろく横丁:横町、組不明
かがり火:田代、福田上、大久保
門付け 鷹匠小路:組不明

一斉摺りの後は、八食センターで中居林を見る予定だったのですが、バスを待ってると東京から来てる知人たちがたまたま集結(みんな見たいものや行動がかぶるので…)
そこで十一日町の門付け情報を教えてもらい、急遽予定変更&ダッシュで門付け場所へ向かうことに。

行った先では八太郎の門付けにも遭遇し、新たに門付け情報を教えていただくなど、まさにRPG的展開で超楽しかったです💞

夜のかがり火えんぶりは、見たい組が3組並んでいたので、かぶりつきで拝見。

かがり火えんぶりは、有料公演をのぞくと一番がっつりたくさんの演目が見られるステージで、各組の個性や特徴がわかりやすいです。

同じ組でも回によって舞手が変わったり、見る位置や自分の体調などのコンディションによっても印象が変わるので、一度目に見た時はピンと来なくても二回目に見た時にファンになるということもよくあります。
えんぶりは本当に何があるかわからなくて油断ができません!

公式スケジュールは21時頃に終了。
その後は、みろく横丁や飲み屋街に行くと門付けに出会える確率高し。
この日も中華料理屋でごはん食べてると外からお囃子が聞こえてきてダッシュで見に行ったのですが、食い逃げと間違われる可能性があるので注意が必要です🙏

鷹匠小路の中華は深夜4時まで開いてて助かる


《3日目》2024/2/18

某神社:八太郎、日計、石堂
八食センター:重地、八太郎
門付け 八田仏具店本店:石堂
かがり火:八太郎、常番町、細越
門付け みろく横丁:十一日町

この日は朝8時から某神社にて3組拝見🙏
素晴らしいロケーションで三組三様のえんぶりを見られて感激。

焚き火で炙ったスルメがまわってくる最高の会場

その後は八食センターに移動して、重地と八太郎を。
重地はながえんぶりです。
ながえんぶりの何が好きって、摺りの歌?が呪文っぽいおどろおどろしい感じでかっこいいんですよね…
摺りで藤九郎だけ激しく動くのがかっこいいし、重苦しい雰囲気がすごく好きなのです。
(ドウサイはドウサイのかっこよさがありどちらも好きです)

八食では、野外のウッドデッキと室内ホールでの2回公演があります。
八太郎の1回目はご飯食べてて見逃したのですが、84歳レジェンドの恵比寿舞で生のお魚を釣り上げたそうですー見たかったー😭
この生の魚を釣り上げる恵比寿舞が見れるのは八食ならではの楽しいところです。

去年の写真ですが、お店から差し入れされたお魚を恵比寿舞で釣り上げます!
八食センターでお昼ごはん
せんべい汁とおにぎりと写真撮り忘れた大量のパン!

↑これツイートしたら色んな人からつっこまれたんですが😹海鮮あまり食べれないんです…
それでも八食センターは楽しいところです!

八食で2組見たあとは疲れもあり一旦宿に戻って休憩することに。
バスで市街地に戻り十三日町で降りると、好きなお菓子屋さん「村福」が目の前なので立ち寄って焼き菓子などを購入。
(ここの焼き菓子ほんとに美味しいしお手頃価格で超おすすめです!和菓子洋菓子に生ケーキもある)

鳩パケもかわいい「たんぽぽ」
原材料もシンプル!しっとり美味しい


10分ほど買い物して外に出ると、まるで漫画のようなタイミングで目の前の車道にバンが停まり中からえんぶり達がおりてくる。
ほんの数分前までえんぶりの気配が全くなかった街に突然鳴り出すお囃子。
門付け沼の深いところはこれで、えんぶり達は徒歩だけでなくバンで突然やってくるので、ほんの5分程のタイミングの差で逢えたり逢えなかったりするんですよ!!!

これは今回ぼんやりわかったことなんですが、門付けにも種類があって、お店や施設側から頼まれて行くパターンの門付けと、えんぶり側が特定の地域を当日練り歩きながら営業をかけてまわるパターンがあるようです。
(どこの組もやってるかはわからない)

前者の場合は、ピンポイントな場所めがけて突然やってくるので特に逢うのが難しい。
後者の場合は、お囃子の音が聞こえる方に行けばしばらく門付けに同行できたりする。

今回逢えたのは石堂えんぶり組で、今朝見たばかりの組と数時間おきの再会。
しかもレアなながえんぶりの門付け!
先ほどまでの疲れと眠気が吹っ飛ぶ。
さらには、お店の中に入って見ていいよとお声がけいただいて特等席での鑑賞😭🙏

間近で拝見させていただきました🙏

一応解説しますと、お店の門付けはスペース的に全員入れないことが多いので、舞手は店内でお囃子は外というパターンが多いです。
(みろく横丁など全員が外のパターンもあり)

なので外側から見てると舞は一切見えないことが多くて。
今回のようにたまに組の方が中へどうぞと誘ってくれる時があってたいへんありがたいのです🙏


夜はかがり火えんぶりへ🔥
八太郎はこの日3回目ですが、ようやくレジェンド恵比寿舞のタカツネさんを拝見できました🙏

サービス精神旺盛で愛くるしい恵比寿様!

この回は釣竿が折れるなどのハプニングもありましたが、最後までニコニコと元気に舞われておりました。
いつまでお元気でいて欲しい!


お次の常番町は若い人が多い組だそう。
摺りで烏帽子を地面に擦り付けるように頭を低くするところがあるのですが、今まで見た中でここの太夫が一番低い。驚きの低さ。
阿波踊りの男踊りで、腰の位置が低ければ低いほどイケてる的なアレがありますが、そんなやんちゃな感性でいえば、ここの摺りはNo.1だと思う😹
↓の動画1:30くらいのところです。
驚きの低さにおそれおののいてください!

あと、客席にいた3歳くらい?の子供が手作りのマイジャンギを持ってシャンシャンいわせながら見ていたのが良かった。
ステージ上の太夫のシャンシャンと合ってたので練習生なんだろうな〜とほっこり☺️
(動画撮ったのですが、お顔が写ってしまっているので自粛。かわいいので上げたかった…)
あと、ここの組は八戸舞が伝承されています!


お次の細越も若い人多め
ここの太夫の羽織がベロアっぽい生地でかわいいうしろにスリットが入ってて赤い生地がチラ見えしてるのもめっちゃ好き
衣装も各組で違うのも見てて楽しい〜

は〜かわいい
かわいいね〜!
は〜たまらん

細越は豊年すだれの演目があるのですが、最後がよろこび舞で終わるのですよね。
他の組でもこのようなところがあるのかはわからないですが、私が見た中では初でした。

祝福芸の細かな違いについては気になるところが色々あって、詳しい人に話を聞いてみたい。

細越ではないですが、大黒舞についても、どうさいえんぶりの組は「南部大黒舞」などの民謡的な曲のところがほとんどですが、ながえんぶりの組ではよろこび舞の系譜の曲だったりするとか。
歌詞や口上も少しずつ違ったりするのを、私はまだ聞き分けはできなくて、なんか違うな?と思っている程度ですが、分類していけたらおもしろそう。

えんぶりは芸能ファンだけでなく民謡ファンにも見てもらいたい。
同じひとつの演目でも、34組出れば34種類の曲があってそれぞれ違って、めちゃくちゃ豊かでおもしろい。
楽しみ方が多角的でほんとに飽きることがない素晴らしい芸能ですね…


そしてこの日も21時頃に公式スケジュールは終了。
宿の方に戻りがてらウロウロしてると、みろく横丁で十一日町を発見!
この後門付けをするとのことでしばし待機。

みろく横丁

脇で見ようとしていたら、前で見ていいよとお誘いいただき、烏帽子の前髪がワサワサと顔に当たる近さで拝見😭🙏

興奮とありがたさと、愛しさと切なさとえんぶり好きすぎるやろ😡という気持ちが押し寄せる…
本当に最高…えんぶり好きすぎる…
一生えんぶりと暮らしたい…🙏



《4日目》2024/2/19

門付け 陸奥湊:細越
根城:中居林
一般公開:横町、上組町
門付け 裏通り:十一日町
はっち:妻神
某寺:小中野
門付け れんさ街:中居林

まだまだつづく…

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