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中野五月推し界隈のミスリード ~五等分の花嫁①~

「あなたを待っています」

映画の予告でも使われたこのセリフを、軽視していないでしょうか?
ほぼ全ての五等分の花嫁ファンと、8割以上の五月推しに、五月推しの私はそう言いたい。

※映画、ならびに原作のみのシーンのネタバレを含みます。

五等分の花嫁の名シーン投票の結果を見ると、五月関連で最も票を得たのは「君だって私の理想なんだよ それだけ聞いてほしかったの」が飛び出す第111話で、第112話は圏外です。

そんな112話の中で、五つ子が風太郎の告白を前にそれぞれの場所に散っていくときに、五月のモノローグとして冒頭のセリフが登場します。このセリフはもちろん、五つ子全員の気持ちを表したものです。しかし、私はこの場面が、五月の一番の名シーンだと思います。

それは、五月が初めて自分の恋を口にした瞬間だからです。

え、五月が自分の恋を知ったのはそのタイミングじゃなくね??と思った方や、そもそも五月は最後まで風太郎への恋愛感情なんてなかったと考えている方が大半でしょう。以下、その疑問に答えます。

① 恋を自覚したタイミングが112話より前でない理由

これは考察界隈での共通認識になっていると思います。

五月ファンに人気の111話は、風太郎に対して自分の好意を伝えようとした瞬間でしたが、「君だって私の理想なんだよ」なんて、ちょっと回りくどい。いくら五月とは言えど…

五月もなかなか素直になれない子で、直球で想いを伝えられないからこんな言葉になったという解釈もあるでしょう。しかし、私は五月はこの時点ではまだ「自分が風太郎に恋している」ことに確信が持てていなかったから、likeの意味での好意を伝えたのだと思います。もしloveを自覚していれば、他の五つ子のように勢いに任せてキスをしていたに違いありません。五つ子なのですから。

五つ子の中で、五月は一番最後まで、風太郎への恋を自覚できずにいました。どのあたりから無意識に恋をしていたかは議論がありますが、少なくとも学園祭3日目より早い段階で潜在意識の中で恋していたのは間違いないと思います。

しかし五月は、他の四姉妹がキスしたりなんだり好き勝手してる間に、姉妹の和を乱してはいけないとか、成績がなどと言って風太郎と唯一キスをしないまま、また思いの丈を口にしないまま3日目の夕方を迎えます。

② そもそも五月は恋をしていたのか?

「五月はそもそも恋していない」という説は、温泉旅行編でわざわざ風太郎がいる混浴に突撃していることや、京都修学旅行2日目に不自然なほど風太郎に密着して写真を撮ろうとしていることから否定されると思います。また、ニコニコ大百科の記事もかなり参考になります。

③ 恋を自覚したのが112話である理由

「あなたを待っています」というセリフが五月のものだったこと、それが恋を自覚したのが112話であると考えた理由です。もし112話の時点で恋をしていないのであれば、そもそも五月はなぜ風太郎を待つのでしょうか?

このセリフはあたかも五つ子全員のセリフかのように描かれていて、五月のセリフであることは忘れられがちですが、このセリフが五月のものであることを意識して読めば五月が風太郎に恋していることが明らかになってくると思います。

また、その後に教室で風太郎を待っている五月の姿も注目です。もし恋していなければ、たとえ待つにしても、勉強をしたり何か食べたりしてお気楽に時間をつぶしていたはずです。しかし五月は、思いつめた表情でどこかを見つめています。

「あなたを待っています」と言い、教室で一人佇む中で、五月は何を考えていたのでしょう?何も考えなかったとするには、重すぎて長すぎる時間です。「私はなぜ風太郎を待つと言ったのか」を考え、風太郎に来てほしいという気持ちをかみしめていたのではないかと私は思います。

④ 恋を自覚したタイミングが117話でない理由

五月は、117話の下田とのやりとりで四葉への嫉妬を自覚し、自分の恋心に気づいたという説があります。117話冒頭で「モヤモヤして胸が張り裂けそう」と発言していることが、この説の根拠でしょう。

つまり、五月の心情は「モヤモヤ」→「嫉妬していることに気づく」→「恋の自覚」という流れをたどるということです。

しかし、「モヤモヤ」は五月にとって、本当に偽りのない気持ちだったのでしょうか?このシーンは、嫉妬している自分を自覚しつつ、それを否定したくて「モヤモヤしている」と自分に言い聞かせるように嘘をついているようにも解釈できます。嫉妬に初めて気づくのが117話である必然性はないのです。

以上より、五月が風太郎の恋を自覚したのは112話なのではないかと私は考えます。なによりも、映画の予告編でもたくさん使われた「あなたを待っています」には、特別な意味があるのが自然です。このセリフが五月の恋を表しているのであれば、五月は制作サイドにとっても特別なキャラクターということになります。五月推しとしてうれしい限りです。

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