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海外SaaSのプライシング事例【調査シート付き】

こんにちは、金森です。

「海外SaaSのプライシングはどうなっているんだろう?」という個人的興味から、ランダムに海外SaaSの料金ページを5つ調べて分かった、プライシング関連のメモをGoogleスプレッドシートにまとめました。

自社サービスの価格決めなどの参考にしてみてください。(※ちなみに「競合サービスがこの価格帯だから、この価格にしましょう」と推奨している訳ではありません。)

それでは、5つのサービスをリサーチした中でも、今回はCalendlyという日程調整サービスを取り上げて、ちょっとした紹介と考察を述べていきます。(Calendlyを選んだ意図は特にありません。)

Calendly

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https://calendly.com/

Calendlyのポイント

・Calendlyが、カレンダーの空きスロットを見つけて、自動的に対応可能な時間帯を招待相手に提案 → 日程調整がラクラクになる!
・リクエストを受ける側は、自分のカレンダーアプリと連携し、リクエスト側にCalendlyで作成したリンクを送るだけ
・複数のカレンダーと統合し、ダブルブッキングを防げる
・月間ユーザー:2,000,000人

※参照:時差計算不要。国際リモートチームの会議やスケジュール管理に便利すぎる「Calendly」

Calendlyの活用事例

Calendlyの料金

Calendlyの料金表ページの一部をスクリーンショットしました。(2019年9月時点の価格表)

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Calendlyの料金プランは下記のようになっています。

・ベーシック:$0(USD)
・プレミアム:$8(USD)
・プロ:$12(USD)

ちなみに気づきづらいのですが、上記は「Billed Annually」すなわち1年ごとに請求する(以下、年額課金)場合です。

「Billed Monthly」すなわち1ヶ月ごとに請求する場合は、

・ベーシック:$0(USD)
・プレミアム:$10(USD)
・プロ:$15(USD)

という価格になっています。年額課金より月額課金の価格を高くして、年額課金へ誘導する仕組み自体は、日本のSaaS企業でも参考にできるポイントです。

実際、Ahrefsの料金ページを見ると「Save $198 / year」といったように、年額課金にした方がお得になることを訴求していることが分かります。(仮説ですが、少しでも年額課金に繋げることで、一顧客あたりのLTVを上げる狙いがあるからでしょうか...。)

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考察

Calendlyによって解決される「日程調整を楽にしたい」ニーズは、業界特有の課題ではなく、ほとんど誰しも面倒と思うもの。つまり、市場が特定の業界/業種や、国にも限定されていません。

実際、Calendlyのサイトを見ると多言語に対応しています。

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加えて、Calendlyが低価格帯かつ、CTAを無料トライアルにする理由は下記からだと考えました。(あくまで仮説です)

(1)Calendlyがセルフサーブ型の商材だから(営業やCSのコストが不要のため)

前田ヒロさんのブログより引用:『顧客獲得の戦略は、「ACV」と「顧客の属性」によってだいたい決まる。対面営業でないと説得できない顧客もいれば、非対面でも導入まで持ち込めるケースもある。高いACVであれば、アウトバウンドの営業部隊を抱えたり、長いセールスサイクルでも事業を成立させることはできるが、低いACV (50万円以下)の場合は、セルフサーブ型やインサイドセールスを中心とした戦略でないと成り立たないことが多い。』

(2)Calendlyがネットワーク効果のあるサービスだから

Calendlyのポイントで記載した通り、日程調整のリクエストを受ける側は調整相手にリンクを送ります。この流れにより、リクエストを送る側がCalendlyを認知する(接点を持つ)ことになります。

この仕組み自体は、Backlog詳しくはこちら)やベルフェイスクラウドサインなどのサービスと同じです。

そして、新しくCalendlyを知ったユーザーが「自分もこのサービスを利用してみたい!」となった際の初期利用ハードルを下げるために無料トライアルを設けていると考えました。(他にも理由はあるでしょうが)

Wayback Machineで過去のページを調べてみた

ちなみに、Wayback Machineを使って過去(2016年時点)のCalendlyを調べて見たところ・・・。現在のProプランは過去は無かったことがわかります。

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今回は以上になります。余談ですが、プライシングに関心のあるマーケティング担当はあまりいない印象がある(事業責任者の方などが興味ある?)ので、今後もしっかり勉強して差別化をはかっていきたいと思います!

さて、もう一度、海外SaaSのプライシングを5つまとめたスプレッドシートを載せておきます。よろしければご覧ください!

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