ちぃたん

暴走系ゆるキャラ「ちぃたん☆ 」|#マーケティングトレース

こんにちは。金森です。

先日、黒澤友貴さん主催のマーケティングトレースミートアップに参加してきました。(「マーケティングトレースとは、そもそも何だ?」という方はこちらの記事をご参照ください。)

その会で僕が取り上げたお題は『暴走系ゆるキャラのちぃたん☆』です。

SNSを普段から利用されている方であれば一度はお目にかかったことがあるかもしれません。

ちぃたん☆はこちらの動画で爆裂的なバズを生み出したようです。

(追記:現在、ちぃたん☆のアカウントが凍結中のようで動画が見られない状態に。。

なんと、国内でバズったトレンド動画ランキング1位という驚異的結果を打ち出しています。こちらの動画は2018年10月7日現在、1600万回再生を突破しており、Twitterのフォロワー数は87万人というインフルエンサー並のフォロワー数を誇ります。(cf.元SMAP香取慎吾のフォロワー数は約84万人。)

では、なぜマーケティングトレースの題材に「ちぃたん☆」を選んだのか。理由は2点あります。今の時代、消費される「コンテンツ」が数えきれないほどある環境下において「ちぃたん☆」は万単位のバズを定期的に生み出しています。まさにヒットメーカーと言え、人々のアテンションをこれだけ集められているのは純粋にめちゃくちゃ凄いと思ったからです。もう1つは、通常マーケティングトレースでは企業を題材にすることが多く、マーケティングトレース初挑戦の自分としては他の参加者の方との差別化を図ろうと思ったからです。

■ 「ちぃたん☆」のマーケティングトレース 目次

( ⅰ ) ちぃたん☆の概要
( ⅱ ) PEST分析,3C分析で全体像を整理
( iii ) まとめ・コメント

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それでは、早速マーケティングトレースを開始していきます!

( i ) ちぃたん☆の概要

まずは、ちぃたん☆の概要を整理していきます。

■ 何者?:秋葉原出身のコツメカワウソの妖精。秋葉原観光推進協会公式キャラクター。高知県須崎市観光大使に任命され、ユーチューバーとしても活動中。SNS上での体を張ったチャレンジ動画が話題になり色んな意味で有名になった。実在するカワウソちぃたん☆のみんなに会いたいという強い思いが叶い、2017年12月15日に妖精として誕生。永遠の0歳で年を取らない。頭に乗っている頭の帽子はペットで名前はカメちゃん

画像出典:AERA.dot

■ サービスカテゴリー:ゆるキャラ

■ ビジョン(夢):世界中の人に笑顔になってもらいたい。

■ サービスコンセプト:暴走系ゆるキャラ

■ ユニークポイント:SNSを中心に身体を張った動画を多数アップ、数多くのバズを生み出している。月間インプレッション3億を誇る。

■ 直近のニュース:女子中高生に人気の雑誌「Popteen」専属モデルに。

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( ⅱ ) PEST分析,3C分析で全体像を整理


今回は、「ちぃたん☆」をPEST分析、3C分析の2つのフレームワークを活用して分析していきます。

■ PEST分析

まずは、どんな外部環境が「ちぃたん☆」のビジネスに影響を与えているかを分析していきます。

市場のマクロ環境を分析するためにPEST分析から入ります。

▼ 政治視点
・地方創生の担い手として全国でゆるキャラが注目されていた。しかし、2016年以降は陰りが見えていた。各自治体では増えすぎたキャラたちが次々とリストラされている。

▼ 経済視点
・コンテンツ産業の多様化(例. VTuberの誕生、TikTokの流行)
・一時期に比べれば大分熱がさめたゆるキャラ市場

▼ 社会視点

・テレビの視聴時間減少。代わりに、スマホなどのモバイル端末で動画などを観ることに。(可処分時間の割合の変化)
・14~19歳(Z世代)のスマホ保有率は84%、20~33歳(ミレニアル世代)のスマホ保有率は82% 

▼ 技術視点
・通信環境の整備(例. Wifiの普及 , SoftBankのギガ放題プランなど )
・モバイル端末で動画を観ることが主流に
・SNSの進化と浸透 ( Twitter , Instagram , TikTok, YouTubeなど)

PEST分析を一言でまとめると、全国的にゆるキャラを取り巻く外部環境は一時期に比べればだいぶ冷めたものの、SNSが発達、浸透した現在においてSNSを効果的に活用したことにより一躍影響力のあるゆるキャラになったのであろうと理解できます。

ふなっしーが人気になったのが2013年以降のこと。一方でちぃたん☆が人気になったのが2018年のこと。僕はここから、ちぃたん☆は「SNS時代のゆるキャラ」だと言えるのではないかと考えています。

■ 3C分析

もう少し具体的な、市場環境分析を3C分析をもとに行います。
3C分析とは顧客、競合、自社の3視点から、競争環境を読み解いていくフレームワークになります。

▼顧客視点(Customer)
・顧客層は主に、SNSを多用する若年層世代。小さな子供がいるファミリー層にも人気であろう。
・ちぃたん☆に関する情報を収集できるチャネルは、Twitter、Instagram、YouTube、LINEなど幅広く展開している。

▼自社視点(Company)
・独自資源:SNS上での圧倒的なフォロワー数、拡散力。
・多角化:幅広くSNSのアカウントを運用。ちぃたんのペットの「カメちゃん」のアカウント(フォロワー数:38万人)、ちぃたん☆英語版(フォロワー数:約72万人)、韓国語版(フォロワー数:120万人以上)もある。
・収益構造(予想):イベント出演料、企業とのタイアップ広告、LINEスタンプ販売代。(2018年6月13日、スタンプを発売したところ100万種類以上ある中で、僅かの時間で1位を獲得。)ヴィレッジヴァンガードなどのECサイトでもグッズを販売。各種ライセンス料など。

( i ) Twitter (2018年10月現在)
フォロワー数:約88万人
。ツイート数は約900。投稿内容はおもしろ動画や画像など。2018年上半期、Twitterのトレンド動画1位を獲得。一発屋ではなく、定期的にバズを生み出している。多言語にも展開している。( 英語バージョンは約72万人のフォロワー、韓国語バージョンのTwitterアカウントは100万人以上いる。)
実在するカワウソちぃたんのフォロワー数:47万人。

( ii ) Instagram(2018年10月現在)
フォロワー数:約29万人。
投稿数は約980件。投稿内容は、自分の写真および動画あるいは、コツメカワウソの写真。Instagram投稿の初期はコツメカワウソの写真がメイン。初めての投稿は2017年9月2日で、コツメカワウソの動画を投稿。

( iii ) Youtube
チャンネル登録者数は約26万人。人気YouTuberレペゼン地球ともコラボレーションを果たしている。約86本の動画を投稿している。数分で観れる短尺の動画をメインに投稿。

▼競合視点(Competitor)

・ざっくり言うと、人々の可処分時間を取る全てのコンテンツ。ゆるキャラだけでなく、YouTuber、VTuber、TikTokerなど。
・ゆるキャラの代表格「ふなっしー」のフォロワー数は約150万人だが、ツイートへの反応率は「ちぃたん☆」の方が高い。ちなみに、ゆるキャラグランプリ2018年1位のジャー坊のフォロワー数は1700人ほど。圧倒的な差がある。
・「かわいい」と言う領域で考えれば、ペット動画なども競合に入る。
・「面白い」という領域で考えれば、YouTuber、芸人、NetFlixなどの動画ストリーミングサービスなども競合に入る。

3C分析を一言でまとめると、
ターゲティングはSNSをメインに扱っている比較的若年層。

ゆるキャラなのに全然ゆるくない、身体を張った動画の投稿をすることで「意外性」「新規性」などから評価を受けている??

2018年の3月時の投稿がヒットしたことをきっかけに急激に人気浮上?
※ ここまで人気になった理由は実際のファンに聞かない限り(聞いたとしても?)正直分かりません。

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( iii ) 「ちぃたん☆」のマーケティングトレースまとめ

さて、「ちぃたん☆」のマーケティングは何が優れているのでしょうか?
3つにポイントをまとめてみました。

①発信チャネルの多角化
徹底的&継続的に質の高いコンテンツを投稿
③ギャップを活用した、自身の上手な魅せ方

一言でいうと、ちぃたんは「SNS時代のゆるキャラ」だと言えるでしょう。SNSが発達したことなどにより、すごい力を持った個人はどんどん表に現れてくるようになりました。一方で、弱肉強食的な社会にもなっているようにも思えます。その波は人間のみならず、ゆるキャラにすら影響しているのでしょう。ちぃたんはその勢いある波にうまく乗り、ここまで登りつめたのかもしれません。

※:写真は、ちぃたんがウォータースライダーで流されている様子です。

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以上が、ちぃたん☆のマーケティングトレースとなります。

最近では、VTuberを活用した企業や自治体すら出てきていますよね。もし、何かキャラクターなどを活用したマーケティングを行おうと考えているのであれば、ちぃたん☆は参考になるかもしれません。(再現性はほぼないかもしれないですが笑)ちぃたん☆の人気は今後も続くのか、そして人気を保つ、あるいはさらに向上させるためにどんな手を打ってくるのか、非常に楽しみです。ちぃたん☆のリサーチを始めた頃はほぼ興味がなかったですが、段々と愛着が湧いてきました。

それでは最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。

最後に、分析をするのに参考にしたURLを下記にご紹介します。

参考URL

・ちぃたん☆公式サイト

・Twitter(フォロワー数:87万人)

・Instagram(フォロワー数:29万人)


・YouTube(チャンネル登録者数約26万人)

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カワウソちぃたんのこと

・カワウソちぃたん(フォロワー数:約47万人)

・Blog

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