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芸能界の報酬構造のモデル化と生き残り戦略の推察と大規模アイドルグループ:その3

推察した生き残り戦略を大規模アイドルグループに当てはめてみる

①渋谷駅前スクランブル交差点に、休日の昼頃、10分程度立ってみる。そこから目に入る美人の数を数えると両手の指には収まらないだろう。

②つまり美人とは決して珍しい存在ではないということ。珍しいものではないため美人というだけで食っていくのは、かなり難しいだろう(と思う)。だとすると美人はそれだけで職業的なものとしてはほぼ成立せず、あくまで本職や主要な個性を修飾する“+α”要素にしかならない。
例:「演技が上手い+α(美人)」、「歌が上手い+α(美人)」、「東大卒+α(美人)」など

③商売の基本は「安く仕入れて高く売る」
芸能事務所が“超絶美人”を所属タレントとして獲得するのは、探す手間暇や、他事務所との獲得競争があり、それなりにコストが高くなることが想定される。一方、学校のクラスで一番程度の美人(以下:クラ一)なら珍しくないため調達コストは低く抑えられ、「安く仕入れて」部分は達成できる。

④“超絶美人”ならば、見る者に強烈な印象を与える力があるため、“キ持枠”に容易に入り込むことができるかもしれない(入枠戦略の実施)。“キ持枠”に一度入り込んでしまえば、あとは本職に必要な演技力やトーク技術を専門レベルに近づける訓練をしながら“キ持枠”にその強印象力で留まり続け(留続戦略の実施)、ホームランが出るのを待つといった戦術が採れる。

⑤しかし“クラ一(いち)“だと相手に与えられる印象が弱く、こういった戦術は採れない。また業界が成熟し、そこに長期間所属する者には“超絶美人”が発するインパクトへの鈍麻(※日常的に“超絶美人”に接するとその刺激に慣れてしまう)が生じ、この戦術そのものが年々実施困難になっていくと考えられる。

⑥“クラ一(いち)”でも丁寧にプロデュースすれば、一人平均100人程度のファン(集客力)を獲得できるとする(この仮定に根拠はないっす)。業界について詳しくないので分からないが、たぶん100人程度では商売として成立しないと思われる。しかし、この“クラ一(いち)”を100人集めれば 
クラ一100人 × ファン100人 = ファン10000人
となり1万人を集客することが可能になる。これだと、商売が十分成立すると思われる(たぶん)。これが大規模化のメリットである。また”クラ一(いち)”なら珍しくないため、多人数を集めることも十分可能だろう。

⑦大規模化により集客力が付けば、“キ持枠”にも“団体名”として入りやすい(入枠戦略を達成)。また商売として成立するのなら、活動の継続性も生じるため“キ持枠”に留まりやすく(留続戦略の達成)、ホームランが出るのを待つことができる。あとはホームランが出さえすれば、商売の基本である「安く仕入れて高く売る」が達成できる。

⑧大規模化の副産物
グループが大規模化すると、様々な得意分野や才能を持つ者が集まりやすくなり、様々な番組やイベントへ必要なパフォーマンスができるメンバーを派遣できるようになる。そうすると”団体名”のメディアへの露出が増え、“キ持枠”へ入り込みやすくなり、留まりやすくもなる。そうなるとさらに番組やイベントに呼ばれやすくなって、より一層“キ持枠”へ入り込みやすく、留まりやすくなる、といった好循環が生まれる。

⑨以上から、推察した戦略(入枠戦略と留続戦略)が大規模アイドルグループに当てはまっているといえる(たぶん)。

⑩この戦略は大規模アイドルグループだけでなく、お笑い芸人についても当てはまると思う。
 ・徒弟制度をやめてスクール化し、集団を大規模化
 ・スクール化することで授業料を徴収し、商売の基本の「安く仕入れて」部分を達成
 ・大規模化することで異分野対応能力を高め“強印象力”を強化
 ・劇場などの箱を作り“留続力”を高める
といった具合に。

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