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竹富島に5泊する

2020年6月、つまりコロナ禍の初期に、沖縄に10泊滞在した。
もちろん今回も、仕事が嫌になったためである。

JTCを皮切りにコンサルまで、中小企業も大企業も経験しながら転職を繰り返しすでに4社目だった私にとって、仕事の「嫌」とは、「あの上司め」とか「この会社め」「JTCめ」「コンサルめ」というのをとうに超え、「コンサルを含む産業・社会の構造」「会社員という立場の制約・限界」みたいなところに行きついてしまい、自身の身の置き場が分からなくなっていた。

社会構造やら立場とやらまで絶望感が行きついたきっかけがとあるプロジェクトだったこともあり、そのプロジェクト参画後、当時の上司は、とりあえず長めの休暇を取ってはどうかと勧めてくれた。
(皆さん、コンサルファームは良い人に当たればいいところである。あっでもこの例はすでにプロジェクトがね、だめだね)

なぜ沖縄か、沖縄のどこか

この状態で休暇。2019年までなら迷いなく海外旅行に行くところだったが、情勢が情勢なので国内となった。沖縄すら芸能人が感染をやらかすなどしてどうだろうかという感じだったが、私は一人で行動ししゃべる機会もなく飲み屋にもゴルフ場にも出入りしない身なので、少しご容赦いただくことにした。

というわけで、計画は
  竹富島に5泊
  石垣島北部ホテルに2泊
  星のや沖縄に3泊
である。

さて、行き先にさらりと「星のや沖縄」を入れている。困ったときの星のやである。なんなら星のや沖縄のオープン日(2020/7/1)に合わせて泊まりに行くことが先に決まっていたくらい今回の目玉である。それくらいの事態なので、前回の記事で「星のや富士」を書いた身として次は「星のや沖縄」を書きたいところだが… これは次の記事にする。ちなみに「星のや竹富島」はコロナでクローズしていて泊まれなかった。

こんだけ星のや星のややかましい私が、星のやを差し置いて

本記事のテーマとして

竹富島計5泊

に照準を当てた。

気づき1 なにもしないの行きつく先

それはそれとして、竹富島に5泊はすごく”””暇”””で、だからこれまでの人生にない味わいがあった。
コロナの影響で、水牛などの観光もやってないし、おそらくレンタルチャリもやってなかった。レストランは数件空いていた。町の売店も空いていたが離島の売店でカップ麺かポテチで生きながらえる感じだ。今気づいたが、5泊もするなら石垣島で買い出しをして戻ってくる経験をしてもよかったかもしれない。

6月とは言えもはや泳げる。暑すぎるので、午前中を海で過ごし、昼前には部屋に戻ってきてだらだらした。日焼けに日和っているので海の遊びも中途半端である。そのうえ6月という理由で日差しについて舐めており、ほとんどなくなりかけの日焼け止めを持っていって竹富島中を探したが売ってないなどの憂き目を見た。石垣に戻るまで、ちまちま使って運用した。

午前中に人のいない海をさすらってるときは満足なのだが、毎日13時くらいになると何しに来たのかわからなくなるサイクルを過ごしていた。昼寝ができればいいが毎日できるとは限らなかった。後半になってやっと何もしなくていいということがなんとなくわかってきた。
そして、3年以上経った今、ああいうときに絵を描くのではないのか、と気づいた。(”描かなければ”は違うんだけど、暇なときに”描きたい”と思えるなら幸せだと思う。あと音楽とかいろいろな選択肢がありますね)

あと、本当に人がいなかった。特に午前の海は視界の限り私しかいないこともざらだった。今5泊しても同じ感覚は得られないだろうと思う。

気づき2 自然の脅威

宿で借りた自転車で村を回ってみたりもしたが、ちょっとした小道に入ると植物と蝶とカラスが圧をかけてきて「この先に生身で入ると死ぬな???」という危機感を煽ってきた。南国の植物はどことなく圧があり、それもまた危機感を後押しする。

自然(災害ではなく、植物とか、蝶とか、鳥とかの類)は優しいと思われがちだが、竹富島の密度と配置では、これらですらどっちかというと厳しさの方が強い。
竹富島の小道で、人間は群れて村を作らないと自分の身を守れないのだと実感した。ちなみに軽トラならカラスなど余裕で駆逐できるが、竹富島の住民でない私に、その道で車に乗る権利はない。

気づき3 強制デジタルデトックス

電波の話ではないので安心してほしい。電波は十分来ていた。

滞在3日目、スマホを盛大にアスファルトの上に落とし、バキバキに割った。落ち速度も速く当たり方も悪く当たった道路の状態も悪かったため、割れたガラス越しに画面を見るとかの状態を超えて、電源が全く点かなくなった。

仕事用の別スマホがあったので修理や購入の可能な場所を調べたが「那覇」であった。そこに行くのは5日後である。もはや8日後に東京に戻ってからでもあまり変わらないだろうと判断した私は、沖縄の期間を(プライベート携帯の)デジタルデトックス期間とした。

仕事は一応休みなので仕事のスマホには原則連絡が来ず、ちょうどよかった。
GoogleMapsと写真機能は使わせてもらった。
しかしさすがにTwitterなどを見るのは控えられ、
結果としてデトックスレベルのバランスがいい状態を保てた。

これが前述の”””暇”””を増長し、さらにいい効果をもたらしたのは言うまでもない。

気になったのは、私が普段スマホの液晶を割ったりしない人間であることである。何か天からの差し金的なものを感じた。まあ、道路状態が本当に悪かったんだけど…

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